東大グレアムです。
6月の雇用増加やワクチンの進展を好感し、7月2日も昨日に引き続き市場は大きく上昇しました。
アメリカのコロナ感染状況
新規感染者数
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新規死亡者数
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/07/death.png)
6月中旬以降、新規感染者数は増え続けていますね。一方で新規死亡者数は減り続けています。日本の東京も感染者数は増え続けていますが、もはや金融市場は新規感染者数には無関心のようにも思えます。
株式市場
S&P500の過去100日は90年ぶりの高パフォーマンス
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S&P 500’s Past 100 Days Were Its Best in Almost Nine Decadesより引用
S&P500の過去100日のパフォーマンスは、1933年以来、約90年ぶりの高いパフォーマンスを示しました。
主要株価指数
S&P500
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ナスダック100
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RUSSELL2000
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ナスダック100指数は最高値を更新しました。NASDAQが独り勝ちなのはここ数年ずっとそうなので、しばらくはこの調子が続くのでしょうね。
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テスラ
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テスラ株は出荷台数が市場予測を上回ったことを好感して8%も上昇してマーケットをけん引しました。
ファンダメンタルズ上は割高ですが、モメンタムだけで動いているのでそんなことは関係ないようです。
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Gold
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金スポット価格はレンジ相場を抜け、さらに上昇を続けています。
8月の先物価格は一時1800ドルを付けました。
経済の再開を考えると比較的割安な銀やプラチナを拾うことも検討しています。
MAP
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だいたい緑ですね(適当)
バクソンモービル
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Exxon’s Historic Losses Multiply on Virus-Driven Crude Slumpより引用
バクソンモービルさんは原油価格の下落で多額の損失を被っており、現在キャッシュフローがマイナスなのに借金して配当金を支払っています。大丈夫かな?
ハイテク株が上がりまくっている中、このような低迷する株を辛抱強く保有し続けるホルダーは修行僧といえるでしょう。
低所得層に重くのしかかるインフレ
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Virus Shock Might Not Be as Disinflationary as It Appearsより引用
コロナショックによる消費財バスケットのシフトを考慮すると、平均的な世帯が実際に経験しているインフレ率は統計値よりもかなり高いことが分かります。
このことは以下の記事でも説明しましたね。
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さらに、消費財価格の上昇は食料品や住宅などに偏っているため、エンゲル係数の高い低所得者層に対してより大きな負担となることが分かります。
金融資産を保有する高所得者層は、資産インフレとエンゲル係数の低さによって金融緩和の恩恵を十二分に享受する一方で、金融資産を保有していない低所得者層は資産価格の上昇の恩恵を享受できないばかりか、消費財物価の上昇によってさらに困窮して格差が拡大することが想定されます。
Fedのフォワードガイダンス強化姿勢
ワクチンや雇用の要因もありますが、現在の市場はFedの金融緩和によって成り立っていることは明白であり、金融緩和以外の上昇要因など、後付けの理由に過ぎないでしょう。
経済ニュース紙も、毎日”今日は金融緩和で株価が上がりました”と言っていてはつまらないので、雇用やワクチンやデモや大統領選を題材にして適当に株価変動の理由を書いているにすぎません。
そういったことが書いてあると、何となくそれっぽく聞こえますからね。
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Fedは6月の会議でイールドカーブコントロールに取り組む準備はできていなかったですが、今後数か月の間に、金利と資産購入についてのフォワードガイダンスを明確化・強化する意欲があるとしました。
・結果に基づくフォワードガイダンス
・YCT(Yield Curve Caps or Targets)を検討
・インフレが目標の2%をオーバーシュートすることを支持
・米国債とMBSを1か月に1200億ドルのペースで購入し続けることを合意
・財政支援のさらなる必要性
参考:Fed Mulls Explicit Forward Guidance, Stays Wary of Yield Targets
YCTとは、特定の満期の国債利回りを制限する戦略で、長期にわたり金利を低く抑えるという、既存のコミットメントを強化する役割があります。
既に日本はイールドカーブコントロールによって、長期の利回りを低く押さえつける政策をとっています。
現在コロナショックで経済が悪化していることを考えれば、こうしたことを検討せざるを得ない状況にあることは仕方がないのですが、投資家は悪影響も理解しておく必要があるでしょう。
一旦民間の金融機関を通すにせよ、中央銀行が大量の国債を買い入れることになるため、中央銀行のバランスシートが無制限に膨張する危険性があります。
政府の財政政策とリンクすることで、財政ファイナンスを容易化し、債務悪化が懸念されます。
また、今までのFedのやり方というのは、ドットプロットでFOMC参加者の将来の政策金利の見通しを示すことで、市場に金利を値決めさせる方式でした。
YCTでは債券利回りを中央銀行が強制的に決めてしまうため、市場の値決め機能が失われる危険性があります。
日銀はイールドカーブコントロールのほかにも、株式やREITの直接買い入れを通して市場を直接操作しています。
実際にこうした政策によって、利回り曲線、株式指数、REIT指数を操作し維持することに表面上は成功しているようにも見えます。
しかし、日本経済の生産性は非常に低いです。今回のコロナショックで特に官庁のIT化の遅れと非生産的な現場の実態が明らかになりました。
破綻を防ぐことを優先するあまり、市場の本来の機能が失われることは、国全体の適切な資源の配分を阻害し、生産性を低下させ、国の将来の成長を失うことになります。
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コロナショックはアメリカが日本化するのを早期化するでしょう。
株式市場も実体経済も、コロナバブルがはじけた後に日本のような長期停滞が引き起こされるかもしれません。
私はそれまではレバレッジを活用したインデックス投資を主軸にして資産形成を続けますが、市場全体の成長が鈍化されることが危惧される場合は、軸足を個別株投資に移さざるを得ないことも想定しています。
市場全体の成長が終わることでパッシブ投資というアクティブ投資へのただ乗りができなくなり、企業を選定する本来の投資をせざるを得なくなるというのは、少々皮肉なことではありますが。
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