東大ぱふぇっとです。
8月16日、米国資本主義の歴史上初となる出来事が起こっちゃいました。。
ついに自社株買課税が決まったんです。
まあ、たったの1%なんですがね。。。
でも自社株買に課税されるのは歴史上初。かなり大きな出来事です。
これは、今回可決された『インフレ抑制法案』に含まれるものです。
この法案の中身は、気候変動や医療負担軽減などに今後10年間でおよそ60兆円を投じるというもの。
その中で、企業への課税強化の一環で自社株買課税が盛り込まれたんですね。
ちなみにこれが適用されるのは2023年から。
これ多くの人が路頭に迷っちゃうやつですね。
今回はこのあたりについて徹底解説しちゃいます。
自社株買いとは?
自社株買いとは、企業の株主還元の一つです。
代表的な株主還元は配当と自社株買いの二つです。(ちなみに株主優待は日本特有の文化です)
配当とは、企業の利益を株主に対し金銭として直接分配するものですね。
一方、自社株買は企業が自らの株式を自らの資金で買い戻すことを言います。
株式を買い戻すと、発行済株式数を減らすことができます。
株価は「企業価値÷発行済株式数」で計算されるので、発行済株式数が減れば株価は上がりますね。
つまり、株主に金銭を直接渡す配当と違い、自社株買は株価を上げることで株主に企業の利益を還元するものなんです。
ちなみに、2021年の米国企業の自社株買総額はなんと9,360億ドル(出典:Verity)。
1ドル130円とするとなんと122兆円!!
ここに1%の課税をするのでちょっとした財源になるわけです。
ちなみに2021年は日本企業の自社株買いも過去最高を更新したみたいです!
その額なんと!
8兆円!※TOPIX構成銘柄の合計
桁違いにも程がある。。。はぁ。。もういいよね。。
配当再投資 vs 自社株買(自社株買課税がない場合)
ところで皆さん、株主還元なら配当か自社株買どっちがいいですか?
現金をもらえる配当の方が何となくよさそうに見えるんですが、実は自社株買いの方がリターンがいいんですよね。
これは実際に比較してみてみましょう。
まず前提条件を以下の通り設定してみます。
- 株価:100円
- 発行済株式数:100株
- 時価総額:10000万円(100円×100株)
- 株主還元総額(自社株買 or 配当):1000円(1株当たり10円)
- 株主への課税:20%
この前提でまずは配当再投資のケースの5年間のリターンを見てみましょう。
どちらの場合も初期投資額は100円で1株を取得するケースを考えます。
配当再投資のケース
- 投資家のキャッシュフロー
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
投資金額 | -100 | 140 | |||
配当受け取り | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
配当課税 | -2 | -2 | -2 | -2 | -2 |
配当再投資 | -8 | -8 | -8 | -8 | -8 |
合計 | -100 | 0 | 0 | 0 | 140 |
- 投資家の株数推移
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
株数(期初) | 1 | 1.08 | 1.16 | 1.24 | 1.32 |
配当再投資取得株数 | 0.08 | 0.08 | 0.08 | 0.08 | 0.08 |
株数(期末) | 1.08 | 1.16 | 1.24 | 1.32 | 1.4 |
- 年率平均リターン:8.78%
自社株買のケース
次に自社株買いのケースです。
- 株価の推移
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
(a) 株価(期初) | 100 | 111 | 123 | 137 | 152 |
(b) 株数(期初) | 100 | 90 | 81 | 72.9 | 65.61 |
(c) 時価総額 (a)×(b) | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 |
(d) 自社株買金額 | 1000 | 1000 | 1000 | 1000 | 1000 |
(e) 自社株買株数 (d)÷(a) | 10 | 9 | 8.1 | 7.29 | 6.561 |
(f) 株数(期末)(a)-(e) | 90 | 81 | 72.9 | 65.61 | 59.049 |
(g) 株価(期末)(c)÷(f) | 111 | 123 | 137 | 152 | 169 |
- 投資家のキャッシュフロー
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
投資金額 | -100 | 169 | |||
キャピタルゲイン課税 | -13.87 | ||||
合計 | -100 | 0 | 0 | 0 | 155 |
- 年率平均リターン:11.67%
結果は一目瞭然ですね。
この通り、同じ額の株主還元でも自社株買いの方が投資家のリターンは良くなるんです。
この理由は大きく二つ。
一つは、配当課税です。
配当再投資は配当をもらうたびに20%の税金が取られます。
一方自社株買いは最後に売却するまで税金支払いを先送りできます。
よって配当再投資の場合、税金分の複利効果が得られないので自社株買と比べて効率が悪いんです。
もう一つの理由は、自社株買いというのは買い戻された株式以外の残された株主にメリットがあるので、単純に株主還元のメリットを享受できる株主数が配当に比べて少ないんです。
これらの要因のため、理論的には自社株買いの方がメリットがあります。
ただ、実際には大規模な自社株買いを行う場合、その買い圧力自体が株価を釣り上げてしまい、自社株買いの購入単価を引き上げてしまったりします。
また、株価が割高の時に自社株買いをすると理論通りには株数を減らせません。
ただ、こういった面を踏まえても米国株式市場では自社株買いの方が好まれているように思います。
自社株課税導入後は配当再投資と自社株買どっちがいい?
次に自社株買いが1%課税されるケースを見てみましょう。
課税されないケースに比べてどれだけ投資家目線のリターンが悪化するのか。
ひょっとして配当再投資の方がリターンよくなったりして?
早速見てみましょう。
前提条件は上記と同じです。
- 株価の推移
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
(a) 株価(期初) | 100 | 111 | 123 | 137 | 152 |
(b) 株数(期初) | 100 | 90.1 | 81.2 | 73.1 | 65.9 |
(c) 時価総額 (a)×(b) | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 |
(d) 自社株買金額 × (1-1%) | 990 | 990 | 990 | 990 | 990 |
(e) 自社株買株数 (d)÷(a) | 9.9 | 8.9 | 8.0 | 7.2 | 6.5 |
(f) 株数(期末)(a)-(e) | 90.1 | 81.2 | 73.1 | 65.9 | 59.4 |
(g) 株価(期末)(c)÷(f) | 111 | 123 | 137 | 152 | 168 |
- 投資家のキャッシュフロー
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
投資金額 | -100 | 168 | |||
キャピタルゲイン課税 | -13.68 | ||||
合計 | -100 | 0 | 0 | 0 | 155 |
- 年率平均リターン:11.53%
ちなみに自社株買いに課税されないときのリターンは11.67%でした。配当再投資の時は8.78%です。
課税されないときに比べるとややリターンは下がりますが(リターンはちょうど1%悪化)、それでも配当再投資よりははるかに良いということがわかりますね。
まあある程度分かってたことですが、一応数字で確認すると安心しますよね。
自社株買課税導入による株式市場への影響
最後に自社株買課税導入による株式市場への影響を考えてみましょう。
上記の通り、「配当 vs 自社株買」という意味では課税後も自社株買い有利なので、そのあたりの企業行動は変わらないでしょう。
ただ一つ大きな影響があるとするなら、2022年中の自社株買が急増するかもしれません。
自社株買い課税は2023年からなので。
消費増税前の駆け込み需要と一緒ですね。
自社株買いの駆け込み需要があるということは今年の残りの期間は株価が上げやすい局面になるかも?
※あくまでも自社株買い観点だけから言うと、ですけどね。
まとめ
- インフレ抑制法案の成立により、2023年から企業の自社株買いに対し1%が課税されることに。
- 元々、自社株買と配当再投資戦略では自社株買いの方が有利だったが、自社株買い課税後もその優位性は変わらず。
- 税率適用が2023年からなので、2022年は自社株買いの駆け込み需要があるかも。
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