コロナショック

プロ()【負け惜しみ】記録的な株式ラリーでようやくファンドマネージャーが強気相場を認めるwww

東大グレアムです。

一旦は好調な雇用統計による金融緩和期待の剥落、それによる実質金利の上昇で調整していた株式市場ですが、またしても過去最高値を更新しました。

ちなみに1昨日は、FOMC議事録の発表でYCCを含む追加の政策対応についての具体的な言及がなかったことで、特に貴金属市場が調整しました。

とはいえ雇用統計もFOMC議事録の発表も、結果的には中長期目線の投資家にとっては買いの好機を作っただけに終わりました。

ハイテク株とコモディティが暴落!良好な雇用統計で金融緩和期待が剥落!!東大グレアムです。 8月7日の市場は市場参加者の予想を上回る良好な雇用統計が発表されたことにより将来的な金融緩和期待が剥落し、実質...

主要株価指数

S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)です。

8月20日の市場は、S&P 500が+0.32%、NASDAQ 100が+1.40%、RUSSELL 2000が-0.49%とハイテクが躍進した一方で小型株は下落しました。

少し前はRUSSELL 2000のアウトパフォームが目立っていましたが、最近はハイテクのパフォーマンスが良好です。

資金が循環しながらマーケットが上がっていっていることが分かります。

資金循環を先読みして、NASDAQ 100とRUSSELL 2000を乗り換え続けることに成功すれば、インデックスガチホを大きくアウトパフォームすることができる可能性もありますが、個人投資家の割高・割安といった感覚的な判断で頻繁な売買を繰り返しても市場をアンダーパフォームするだけだと思っておりやってはいません。

S&P 500 Map

S&P 500もNASDAQ 100も上がっているので全体的な傾向なのかと思いきや、実は上げているのはいつものメンバーだけで、他の株はそんなことはなかったりします。

特にバクソンモービルを筆頭とするエネルギー関連の株価は、原油価格が戻りつつあるにもかかわらず全然戻ってはいません。

貴金属スポットレート

Gold(青線)、Silver(オレンジ線)、Platinum(緑線)です。

元々実質金利や期待インフレ率と比較しても上げすぎていたということもあり、雇用統計をきっかけとした実質金利の上昇をきっかけに、不安定な動きが続いています。

金融ストレス指数

金融ストレス指数はコロナ前の水準に戻りました。

ハイイールド実効利回り

投機的格付けであるハイイールド債券の利回りは昨年の12月の水準まで戻りました。

このような指標から、金融市場はすっかりコロナ前の落着きを取り戻したといえるわけですが、こうした上昇相場に対してここ最近まで懐疑的であったのが、ファンドマネージャーたちです。

ファンドマネージャーの相場観

FMS Investors and Bull Market

8月になって、ようやくファンドマネージャーたちは、現在がベアマーケットラリー(下落相場の中の一時的な上昇)ではなくて、ブルマーケット(強気相場)だと認め始めました

景気後退か回復の初期段階か

FMS Investors – Early-Cycle vs. Recession

8月になって、現在がリセッション(景気後退)ではなくて景気回復の初期段階であると考えるファンドマネージャーの割合は続伸しました

アクティブな機関投資家の株式エクスポージャー

NAAIM – Equity Exposure of U.S. Active Managers

アメリカの機関投資家の株式エクスポージャーは急上昇しており、2年ぶりの高い水準にあります。

センチメントインジケーター

Sentiment Indicator and Stock Positioning

一方で個人投資家、機関投資家、外国人投資家の過去12か月と比較した株式ポジショニングは、まだそれほど高い水準ではありません。

アメリカのアクティブな機関投資家と比較して、こうした投資家が乗り遅れていることが分かります。

特にパッシブファンドはボラティリティを指標とするものが多いので、市場が落ち着くまでは、ポートフォリオのリスクを一定以内に抑えなければならない制約からポジションを取れないということが要因として考えられます。

安心感を待っていると乗り遅れる

失業者数が予想より悪いことなどで騒いでいる投資家もいるようですが、単純に金儲けの観点から考えれば、失業率のような遅行指標は、それが悪ければ積極的な政策・金融対応が期待できる一方で逆に指標が良ければ金融市場を引き締める要因となるので、実体経済の悪さを理由に株式投資をしないというのは考え方がおかしいわけです。

歴史を振り返れば、失業率がピークを付けた時が株の買い時であり、失業率が下がりきった時が株の売り時でした。

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金融市場の肥大化によって実体経済と金融市場に乖離が元から生じていること、資産インフレと消費財価格のインフレは別物として考えなければならないことは、本ブログで繰り返し指摘してきましたが、ニュースの解説等を見る限り、それを理解している市場関係者は実はそれほど多くはないと思われます。

ほとんどの投資家が株式市場の上昇に対して懐疑的であるときこそ、良好なリターンが得られる一方で、安心して投資できると誰もが思うようなときは、逆に株式市場の天井であることが多いわけです。

リターンとはリスクを引き受けたことへの対価です。

実際、投資家は世間が悲観的な時に株式やその他資産に投資をすることで、市場の流動性を供給するという社会貢献をしているのですから、それに対する報酬を受け取って当然とも考えられます。

強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく東大グレアムです。 相場の格言に”強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく”というものが...

まとめ

ファンドマネージャーたちは、株式市場が過去最高値を更新した今になってようやく現在が強気相場であることを認めたわけですが、こんなことは金融政策や実際のマネーサプライ・金利を見れば数か月前から容易に予想ができたことです。

マネーサプライと株式市場

頑張って日々の細かいニュースを追うのは結構なことですが、大局観を見失わないようにしたいものです。

ファンドマネージャーが強気転換し、VIXの低下によってパッシブファンドの資金流入が見込まれることから、株式市場はまだ上昇を続けると考えることができますが、逆に市場参加者全員が楽観的になってきたら、そのときこそ注意が必要です。

何故イナゴたちがVIXのショートポジションを取るかというと、仮に市場に何も問題が起こらず、株価が順当に上げていけば、株価の変動の大きさを表すVIXも、段々と減少していくからです。

市場が好調で浮いた雰囲気になっているときには、投資家たちは今のまま市場が安定して推移するというあり得ない幻想に取りつかれるのです。

これは人間の性ともいうべきもので、10年前のリーマンショックでも、2年前のVIXショック(雇用統計の好調を背景にしたFedの利上げを警戒)でも、1年前の暴落(貿易戦争によるサプライチェーンの破壊とFedの金融引き締めによる暴落)でも、或いはトランプが気まぐれにツイートしただけでも、VIXが急騰したことがあったのですが、なぜか強気相場が半年ほど続くとそんなことなど忘れてしまうのです。

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恐らくは、次の大きな下落は株式市場が最高値からある程度上昇し、長期金利に対する株式のリスクプレミアムが十分に削られた後であり、パッシブファンドも含めた機関投資家のポジショニングの上昇余地が無くなってきた頃となるでしょう。

それまでは数か月以上はあるはずですので、コロナショックでも株式市場から撤退しなかった賢明な投資家は、しばらくは引き続き良好なリターンを享受できると考えます。

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東大グレアム
東大バフェットの大学時代の親友。主に経済的側面からの短期・中期動向や投資スタイルを解説する。類まれなる頭脳と研究能力で東大バフェットを支える最強のブレーン。
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POSTED COMMENT

  1. アバター しょう より:

    初めまして!
    ココ最近、ブログとnoteをじっくり読ませて頂いております。
    米国株についてのいくつかのブログを巡回しましたが、ここが一番理論的に書かれていて、納得出来ました。

    さて、質問ですが、証券取引をするにあたって、金利を初めとする多くの指標がありますが、それらをリアルタイムで追うのは正直疲れます。
    東大グレアムさんはそれらを追うのに活用しているツール等ありますか?

    • 東大グレアム 東大グレアム より:

      記事についてお褒めいただき、ありがとうございます。
      指標はTrading ViewのウォッチリストやInvesting.com、データはFRED、個別株はCNBCのウォッチリストをよく使っています。
      お役にたてば幸いです。

  2. アバター コスモ より:

    勉強になります。

    > 金融市場の肥大化によって実体経済と金融市場に乖離が元から生じていること、資産インフレと消費財価格のインフレは別物として考えなければならない

    これは市場関係者やYouTubeの動画を見ていてもいまだに実体経済のGDPとかけ離れているバブルという言葉が散見されます。

    しかし今日での株式市場を牽引しているハイテク銘柄やSaaS銘柄は実体を持っていないデータの集合なので、一見正しいことを言っているように聞こえますがおそらく趨勢を見誤る見方かなと思います。
    これは勘でしかないのですが、ハイテク銘柄やSaaS銘柄の価値はインターネット上に蓄えられているデータ量と相関があるんじゃないでしょうか?
    実体を持たないものに対してGDPのような統計をとるのは難しいと思うので割と見過ごされているとは思っているのですが。。。

    • 東大グレアム 東大グレアム より:

      いつも勉強になります。

      GDPでは無料或いは国際的なトランザクションの付加価値を適切に把握できないため、バフェット指数のように株価とGDPを比較することは意味を失っていると思います。
      データの蓄積量なのか取引されているデータの量なのか、適切なものが何かは難しいですが、そのようなものが指標として活用できるのかもしれませんね。
      これに最も頭を悩ませているのは各国の税務当局でしょう。
      そのうち画期的な租税案が考案されるのかもしれませんが、そうなると適切な税金を納めないことによって成長してきたテクノロジー企業の成長も鈍化する可能性もあると思います。

      • アバター コスモ より:

        勉強になります。

        デジタルトランザクションの量ではなく、デジタル売上高であれば課税が可能そうですが、特に米国の反発が激しそうですね。
        ただ、こういう時にEUは一枚岩ではなく、タックスヘイブンや法人税を意図的に低くしている国が反対するという構図はげんなりしますね。
        https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39097430Y8A211C1FF1000/
        日本ではデジタル売り上げ高の多い業種は少なそうですが、例えば日経平均に採用されているエムスリー(2413.T)はウェブサービスなので対象になりそうですね。あくまでも例えば、ですよ!

        • 東大グレアム 東大グレアム より:

          いつも勉強になります。

          課税の国際協調は、囚人のジレンマなので実現不可だと思います。
          とすると各国と1対1で個別対応していくことになりますが、現在の力関係を考えるとアメリカの勝ちになる可能性が高いと思います。
          アメリカのIT企業に不利な税制が実現するのは、アメリカの国力・外交力が低下した時になるのかもしれません。

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