東大グレアムです。
11月17日に以下の記事で、株式市場はワクチンのニュースにより期待先行で上昇しており、ファンドフローやポジショニングは現在がオーバーウェイトの可能性が高いことを示しているので、”Buy The Rumor, Sell The Fact”となる可能性を考慮する必要があると言いました。
BofA(Bank of America)が同様の主張をしているという以下の記事が2時間後くらいに出ていました。
大体みんな考えることは同じですね。
BofA FMSの活用
BofA Says Market Is So Bullish It’s Time to Sell on Vaccine News
BofAのFMS(Fund Manager Survey)は月1回発行されており、機関投資家のポジショニングや動向から今後の株式市場の展開を考えるうえでとても参考になります。
FMS自体は個人投資家では入手が難しいのですが、BloombergやZerohedgeなどは大抵上記のようなまとめ記事を出していますので、興味のある方は読んでみると面白いと思います。
私自身は機関投資家のポジショニングを逆張り指標として活用しており、今回のような極端な強気ポジションの時は下落を警戒し、逆に極端な弱気ポジショニングの時は強気に出るようにしています。
経済成長への期待は20年ぶりの高水準に急上昇し、現金保有比率は2015年4月以来の最低水準に急落しました。
11月のポートフォリオの株式への配分は正味46%のオーバーウェイトに上昇し、「極端な強気」に近づきました。
このような場合にはポートフォリオの現金比率を高めることを検討します。
また、大型株よりも小型株、グロース株よりもバリュー株のほうがアウトパフォームすると考えるファンドマネージャーの割合が極端に増加しています。
このような場合にはポートフォリオの大型のグロース株の割合を増やすことを検討します。
市場変動の解釈は後付け
11月18日の株式市場は下落しました。
ファイザーがCovid-19のワクチンが95%有効であると発表しましたが、ニューヨーク市が感染拡大で学校を再び閉鎖することなど、ヨーロッパとアメリカでの感染拡大のデータが重しとなったことが原因であると主要ニュースでは伝えています。
しかし、こうしたニュースはきっかけにはなったのかもしれませんが、本質的な要因は市場の流動性やポジショニングの変化、国債や社債市場、オプション市場にあることが多いです。
仮に11月18日の株式市場が上昇していた場合、ニュースは”ニューヨーク市が感染拡大で学校を再び閉鎖することなど、ヨーロッパとアメリカでの感染拡大の兆候が見られたが、ファイザーがCovid-19のワクチンが95%有効であると発表したことが好感され、株式市場は上昇した”と言っていたことでしょう。
主要株価指数
S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)の5日チャートです。
11月18日はS&P 500は-1.16%、NASDAQ 100は-0.69%、RUSSELL 2000は-1.26%と今までの上昇をけん引してきた小型株を中心に下落しました。
S&P 500 Map
産油や航空、クルーズ船など、典型的な”Covid-Cyclicals”(経済再開銘柄)を中心に下落しました。
個人投資家の利点を生かした運用
ここ最近はハイテク・グロース株とバリュー・シクリカル株がニュースや金利変動をきっかけにしてシーソーゲームのように動いています。
インフルエンサーの中には、こうした毎日のニュースに反応してグロース株のポジションを減らしてシクリカル株にシフトするべき、とか現金比率をアクティブに変更して下落に備えるべき、と煽っている人もいますが、私は個人投資家がこのような戦略を実行しても成功する確率は極めて低いと考えています。
何故なら、ニュースが出る頃にはファンドマネージャーは個人投資家よりも早くこうした情報を入手しており、個人投資家には情報の優位性は全くないからです。
また、取引の実行速度においても、個人投資家の取引環境がファンドマネージャーに勝てるわけがなく、ニュースや指標の変化に対する反応速度も、アルゴリズムに勝てるわけがありません。
バリュー株が優勢、という場合でも、例えばワクチンのニュースによって1日に30%も上昇したクルーズ船銘柄が本当にバリュー銘柄なのかどうかは疑問ですね。
バリュー株投資というからには企業価値に対して割安でなければならず、買値に対してのシビアさが求められます。
ワクチン⇒経済再開⇒バリュー銘柄、と安易に飛びつくのは、バリュー株投資というよりはイナゴ投資に近いと思います。
たいていの場合、そうした投資家は該当銘柄を長期的に保有することなど考えておらず、ある程度の利幅が出れば短期で処分しようと考えているはずですから、なおさらです。
個人投資家の一番の武器は時間であり、ファンドマネージャーのように4半期ごとの運用実績を求められませんから、それを有効活用しない手はないです。
私自身の運用
先ほどのポジショニングに対する私の逆張りの姿勢はどうなんだという意見については、私はあくまでポジショニングは中期の補助的な判断指標として活用しており、これを見たからと言って即座にポートフォリオの現金比率や保有株を変更することはしません。
私の資産運用の大方針はレバレッジ・インデックスと長期保有できる優良株の安定的な運用です。
現金比率については、一般的な現金比率とは異なり、私の場合は常にフルインベストメントが基本になっており、例えばポートフォリオ全体のレバレッジ比率が1.2(現金比率がマイナス)だったのが1.0や0.8になるという程度で極端な現金比率の変更はしません。
個別株については、長期保有できる優良株だけを保有しているので、決算発表での業績の悪化が続いた場合以外では個別株を売ることはしません。
個人投資家の主観的な判断による現金比率の頻繁な変更は、期待リターンを押し下げる可能性が高いです。
チャールズ・エリスの敗者のゲームには「稲妻の輝く瞬間に株式市場に居合わせる」という有名なフレーズがありますが、株価は毎日一定の割合で上昇したり下落したりするわけではなく、年間のごく少数の上昇日や下落日の変動が、その年のパフォーマンスを左右しています。
頻繁に現金比率を変更することは、大抵の場合、変動の後追いになることが多いため、ごく少数の上昇日を逃すことにつながるリスクがあります。
誰もが未来の株価を正確に見通すことができないことを考えれば、インデックスと優良個別株の長期安定運用こそが再現性のある手法であると考えます。
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