東大グレアムです。
バイオテクノロジー企業の米モデルナは16日、新型コロナウイルスのワクチンが大規模な第3相臨床試験で94.5%の確率で効果を示したとの暫定分析結果を発表しました。
これによって先週のファイザーの報道と同様、バリュー株やオールドエコノミー株が上昇しました。
主要株価指数
S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)の1ヶ月チャートです。
11月16日はS&P 500は+1.16%、NASDAQ 100は+0.63%、RUSSELL 2000は+2.37%と小型株を中心に上昇しました。
S&P 500 Map
前回と同様、ワクチンによる経済再開期待でバリュー株やオールドエコノミー株が大きく上昇しています。
バクソンモービルさんが輝いています!
クレジット・スプレッド
社債の格付けと変動要因
高格付債では国債金利、中程度の格付では金利の不確実性、低格付債では企業収益の影響を受けやすい
コロナ耐性のある産業と影響を受ける産業の社債スプレッドの差が縮小
経済再開で大きな恩恵を受け、企業収益の大きな向上が期待できる航空・産油・レジャー・外食等(Covid-Cyclicals)のハイイールド債のスプレッドの絶対値は、そうでない企業(Covid-Defensive)と比較した場合に大きいですが、直近ではその減少幅はCovid-Cyclicalsのほうが大きく、差が縮小しました(左図)。
一方で国債金利は上昇傾向にありますから、高格付債の利回りは寧ろ国債金利に引っ張られる形で上昇しやすいということになります。
ハイイールド債のスプレッドは投資適格社債より大きく低下
投資適格社債
ハイイールド社債
投資適格社債より、格付けが低いハイイールド社債の方がより大きくスプレッドが低下しています。
一般に中小企業の方が大企業よりも企業の信用の格付けは低いです。
小型株が株価上昇の中心となっているのはこれが原因です。
大型株に対する小型株の優勢
RUSSELL 2000/S&P 500レシオが上昇
RUSSELL 2000/S&P 500レシオの年初来チャートです。
9月中旬以降、大きく上昇しています。
大型株に対する小型株の優勢は、経済サイクルにおける景気回復の初期段階を示しています。
経済環境が厳しい時間帯では、小型株が大型株をアウトパフォームする場合が多い
過去の厳しい経済状況では、小型株がそうした危機を乗り越え、景気回復の初期段階に素早く反応したのは事実です。1990年や2001年、2008年-09年など、過去3度の景気後退の全てで、小型株にはそうしたパフォーマンスが見られました。
IV(インプライド・ボラティリティ)の急低下
VIX(青線、右軸)とVXN(NASDAQ 100のIV、オレンジ線、左軸)の3ヶ月チャートです。
11月17日はVIXは-2.81%、VXNは-5.72%、RVX(RUSSELL 2000のIV)は-5.12%と大きく減少しました。
現在の各指数のIVの絶対値はVIXが22.5、VXNが27.37、RVXが30.00であり、
S&P 500 < NASDAQ 100 < RUSSELL 2000
となっています。
前回の記事で示した通り、IVが大きく低下する局面ではバリュエーションが上昇する傾向にあります。
さらに、ターゲット・ボラティリティ戦略を採用するリスクパリティファンドやボラティリティ・コントロールといったパッシブファンドの動向を考える上では、IVの絶対値も重要となります。
こうした戦略を採用するパッシブファンドのAIのアルゴリズムは、IVが20-22を下回るかどうかを閾値としていることが多いようで、IVがこの付近で下落傾向にあると、株式を買い増します※。
さらに、現在は選挙後のIVの一貫した低下から、株価は継続して上昇するトレンドにあり、システマティックな順張り戦略を取るCTA(マネージド・フューチャーズ)もこのトレンドを後押ししているものと考えられます。
参考:Quants Holding $1 Trillion Poised to Buy Stocks
※IVではなくHV(実現ボラティリティ)を参照するアルゴリズムもあります。
日経平均株価
Nikkei Volatility (JNIV)
日経平均株価はバブル崩壊後の過去最高を更新し続けています。
日経平均株価のIVであるJNIVは現在22.66であり、アルゴリズムの買いを誘発しやすい環境であることから、割高感で安易なショートをすると踏み上げられる可能性があります。
今日は空売り日和だな
— 岐阜暴威ZZ (@gihuboy) November 15, 2020
新銘柄売り入れたわ pic.twitter.com/7HroMJiXPi
— 岐阜暴威ZZ (@gihuboy) November 16, 2020
俺が損失を出して苦しんで笑われているとき、俺もまたお前らを見ているぞ
— 岐阜暴威ZZ (@gihuboy) November 16, 2020
さよなら pic.twitter.com/13ItCUZRDT
— 岐阜暴威ZZ (@gihuboy) November 16, 2020
ファンドフローとポジショニング
株式への資金流入は過去最高
ワクチンの期待から、株式への資金流入は週間ベースで過去最高の44.5B$となりました。
GSセンチメントインジケーターは過大ポジショニングを示唆
Sentiment Indicator and Stock Positioning
GSのセンチメントインジケーターは、閾値である1.0を大幅に上回る1.5となり、過大なポジショニングを示唆しています。
過去を振り返ると、機関投資家のポジショニングが伸び切った後、ポジティブなニュースで個人投資家を呼び込んでブローオフトップを形成し、機関投資家が株式を売却し始める傾向にあります。
CBOE Skew Indexは底打ちして上昇傾向
よって、ここからSkew Indexが150に近づくなど、暴落の前兆が現れた時には、注意する必要があると思います。
ワクチン関連のニュースは期待先行で上昇しており、”Buy The Rumor, Sell The Fact”を意識した方が良いかもしれません。
まとめ
・モデルナは16日、新型コロナウイルスのワクチンが大規模な第3相臨床試験で94.5%の確率で効果を示したとの暫定分析結果を発表した。
・ワクチンによる経済再開期待でバリュー株やオールドエコノミー株が大きく上昇した。
・株価変動の要因は社債スプレッドへの影響を考慮する必要がある。
・大型株に対する小型株の優勢は、経済サイクルにおける景気回復の初期段階を示している。
・選挙後のIVやHVの急落は、パッシブファンドのアルゴリズムの買いを誘発した。20-22付近が閾値だと考えられており、割高感からのショートは踏みあげられる可能性が高い。
・株式市場はワクチンのニュースにより期待先行で上昇しており、ファンドフローやポジショニングは現在がオーバーウェイトの可能性が高いことを示しているので、”Buy The Rumor, Sell The Fact”となる可能性を考慮する必要がある。
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