株式投資Diary・雑記

【歴史に学べ】リーマンショックの舞台裏とは?② リーマンブラザーズ破綻の真相をわかりやすく解説!

東大ぱふぇっとです。

先日に引き続き、今回もリーマンショックの舞台裏について解説しますね。

過去の暴落のパターンを学ぶことは超重要ですからね。

今回は3連載のうちの第2回です。

第2回はリーマンブラザーズが破綻した真相について見ていきます。

リーマンブラザーズ破綻直前のサブプライムローン自社保有ポジション

前回記事の通り、2007年夏頃にサブプライムローン証券化商品の流通価格が暴落し、サブプライム危機が起こりました。

【歴史に学べ】リーマンショックの舞台裏とは?根本原因となったサブプライムローンの問題点をわかりやすく解説! 東大ぱふぇっとです。 最近、米国は景気後退に入るんじゃないかとささやかれてますよね。 ただ、テレビや新聞などは人々の目を引く...

一方で、リーマン・ブラザーズ自身は同商品の販売は行っていたものの、自社保有をしていたのか?という疑問がありました。

実際にリーマン・ブラザーズ破綻直前である、2008年5月31日時点の財務報告書からバランスシートを確認してみましょう。(以下)

リーマンブラザーズBS(2008年5月31日時点)(百万ドル)
資産 負債・純資産
現金・現金同等物 6,513 短期有利子負債 35,302
金融商品ロングポジション 269,409 長期有利子負債 128,182
担保付債権 294,526 金融商品ショートポジション 141,507
その他 68,984 担保付借入 183,266
その他負債 124,899
純資産 26,276
合計 639432 639,432

 

上記バランスシートの内、金融商品ロングポジションが金融投資に当たります。

バランスシート全体に占める割合が高く、これを見るだけでも、金融商品販売のみならず、自社でもかなりの金融投資ポジションを持っていたことがわかります。

さて、この金融商品のロングポジションの中にどれだけサブプライムローンという爆弾が含まれていたのかを見てみました。

以下がサブプライムローン残高です。

5/2008 11/2007 11/2006
サブプライムローン(百万ドル) 2,755 5,276 6,849
金融商品ポジションに占める比率 1.02% 1.68% 3.02%

実は、サブプライムローン残高は金融商品ロングポジションの中でたったの1%程度。

サブプライムローン価格が暴落する前の2006年11月末時点でも3%程度を占めているにすぎません。

リーマンは積極的にサブプライムローン証券化商品の販売を行っていたものの、同商品の自社保有ポジションはかなり限定していたということです。

つまりサブプライムローン証券化商品価格の暴落はリーマンにはほとんど影響を与えていなかったことがわかります。

(但し、サブプライム危機に端を発して、多くの資産価格が下がりましたので、そういった意味ではもちろんリーマンも打撃を受けております。)

リーマンブラザーズ破綻の本質的な原因

では、リーマン破綻はなぜおこったのでしょうか?

直接的な原因は資金繰りが立ち行かなくなったためですが、なぜ資金繰りが立ち行かなくなったのでしょうか?

それは、過度なレバレッジ体質が本質的な原因といわれています。

バランスシートを見てもわかる通り、自己資本比率はたったの4.1%で、大量の債務を抱えております。

金融機関は一般的に、借入(負債)と貸出(資産)の利ザヤで稼ぐためバランスシートが大きくなりがち(自己資本比率は小さくなりがち)です。

但し、資産側はあくまでローリスク資産であることが大前提です。

資産価格の変動が激しいものだとすぐに債務超過になってしまうからです。

一方でリーマン・ブラザーズの場合、サブプライムローンは限定的なるも、多くのリスク資産を抱えていました。

そして、住宅バブル崩壊という外部環境も相まって、債務超過ギリギリのところまでいってしまったといわれております。(債務超過したかどうかは正確には公表されていない?)

2008年9月10日(水)に、リーマンが2008年8月末締めの四半期決算が赤字になることを発表するとリーマン破綻懸念が一気に広まりました。

そこへ格付け会社は「週末までに資本増強を行わないと格下げする」と通告しました。

すると、破綻懸念や格下げ懸念から、急速に資金流出が起こりました。

当然破綻寸前の会社に貸付してくれる銀行はいません。

その結果、資金繰りが立ち行かなくなり、9月15日(月)にリーマンブラザーズは破産申請することになったのです。

リーマンブラザーズ破綻にまつわる不可解な点

ここでひとつ不可解な点があります。

なぜFRBはリーマンブラザーズを救済しなかったのかという点です。

というのも大手金融機関の場合、倒産した場合の負の影響が大きいため「大きくてつぶせない」という考え方があり、政府やFRBの支援を受けて救済されるケースが多いです。

実際に、全米第5位の大手投資銀行であったベアスターンズ(リーマン・ブラザーズは第4位)が2008年3月に経営危機に陥った際、財務省やFRBの支援の下にJPモルガンチェース銀行への吸収合併が行われ大きな影響は回避されました。

ではなぜリーマンは政府・FRBに見捨てられたのでしょうか?

ここの真相は未だにはっきりとせず諸説あります。

当時の当事者である、ガイトナーNY連銀総裁、ポールソン財務長官、バーナンキFRB議長の発言によると、

「FRBには担保不足の金融機関を救済する法的な権限はなく、救済は不可能であった」

「当然リーマン破綻回避のために全力を尽くしたが、バンク・オブ・アメリカはリーマンではなくメリルリンチを救済した。バークレイズは(英国)当局の介入でリーマンの買収を見送った」

「リーマンからは顧客、取引先のみならず従業員も逃げ出しており、手の打ちようがなかった」

といったことが述べられています。

実際のところ、リーマン救済をできたのは事実です。

しかし、さまざまな要素を検討して政府・FRBは救済という道を選ばなかったということになります。

第2回はここまでです。

次回は、リーマンブラザーズという、米国第四位の投資銀行の破綻が、なぜ全世界的な大恐慌に発展してしまったのかというのを見ていきたいと思います。

まとめ

  • リーマンブラザーズ破綻直前のバランスシート見ると、サブプライムローンはたいして保有していないことが明らかに。
  • 但し、自己資本比率が極端に低い中、リスクの高い投資ポジションを多く持っており、住宅バブル崩壊で資産価格がみきなみ下がる中、債務超過危機に。
  • 格付会社から、資本増強をしない限り格下げするとの通告があり、それを受けて逆に資金流出が起こり資金繰りに窮し破綻することに。
  • FRBや政府が最後の貸し手の役目を果たさなかったのは諸説あるも、様々な事情が重なって最終的に救済しないとの判断に至った模様。
ともに爆益の彼方へ。ゴッドラック!

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