東大グレアムです。
NY Dowが史上初の30,000台を突破し、暗号資産(仮想通貨)も急騰するなど総楽観の中でFOMO(Fear of missing out)の様相を呈しています。
その裏側にはグレートリセットへの抵抗があるのかもしれません。
主要株価指数
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/stock.png)
S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)の3ヶ月チャートです。10月以降、特に選挙日後の小型株の上昇がすさまじい勢いです。
11月25日はS&P 500は+1.62%、NASDAQ 100は+1.46%、RUSSELL 2000は+1.94%と大幅に上昇しました。
小型株がけん引しているものの、NASDAQにも資金が戻りつつあります。
NY Dowが+1.54%で30,046となり、史上初の30,000台を突破したことが話題となっていますね。
S&P 500 Map
![](https://finviz.com/publish/112420/sec_175932394.png)
全体的に上昇しています。
最近ダナハーちゃんが調子悪いのは残念ですが、上がりすぎではあったので今の時期は仕方ありません。
一方でバクソンモービルさんは原油爆上げで輝いていますね。
暗号資産(仮想通貨)
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/cyptro.png)
ビットコイン(青線)、イーサリアム(オレンジ線)、リップル(緑線)の年初来チャートです。
年初来でビットコインが+67%、イーサリアムが+263%、リップルが+159%とものすごい上げ方です。
ポジショニング
ほとんどのマーケットセンチメントインジケーターはリスクオンを示唆
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/11/EnlgXAbXcAAZur2.jpg)
GSのマーケットセンチメントインジケーターのまとめを見ると、ほとんどの指標がリスクオンを示唆していますが、VIXはまだ22を超える高い水準であったため、リスクパリティの株式エクスポージャーが依然としてかなり低い水準となっています。
クロスアセットのモメンタムは歴史的な高値
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クロスアセットのモメンタムは歴史的な高値にあり、全てがリスクオンとなっています。
裁量ポジションが高値にある一方でシステマティック戦略のポジションは低い
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/11/Enha-o5XUAootPV.png)
先ほどのマーケットセンチメントインジケーターのまとめの通り、ヘッジファンドマネージャーの裁量ポジションが高値にある一方で、システマティック戦略(リスクパリティ・トレンドフォローCTA・Volコントロール)のファンドのポジションは回復していません。
2020年2月~3月のコロナショックでは、こうしたシステマティックファンドがVIXの急上昇に伴い、アルゴリズムに従って過去最大のロングポジションを一斉に解消したことで暴落が起きました(ボラティリティと流動性のフィードバック・ループ参照)。
特にリスクパリティは保有資産のボラティリティ(リスク)が高まると全アセットクラスの現金化を進めるため、株式・債券・コモディティ市場全ての暴落を引き起こしました。
システマティックファンドのポジショニングが伸び切っていないことは、今から下落が始まった場合でも、その下落幅はコロナショックよりも小さくなることを意味します。
裁量ポジションだけ見れば高値警戒すべき場面ではあるのですが、システマティック戦略のポジショニングが低いため、バブル相場の中でボラティリティが低位に押しやられるまでポジショニングの拡大が継続する可能性はあります。
EV・クリーンエネルギー・暗号資産(仮想通貨)がバブル化しており、FOMO(Fear of missing out)の感情に支配されやすい一方で高値警戒も必要であるため、非常にポジションの取り方が難しい相場ですが、暴落の時期を正確に予測することは困難であるため、私は現金比率の極端、或いは頻繁な変更は個人投資家には推奨していませんし私自身も行っていません(ごく一部の天才と予言者を除く)。
ボラティリティと流動性のフィードバック・ループ
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/11/feedback-loop.jpg)
イエレン前FRB議長が財務長官に指名
米大統領選で当選が確実となったバイデン前副大統領は、財務長官に前FRB議長のジャネット・イエレン氏を起用する方針を示しました。
現在FRBが株式を購入することはできませんが、イエレン氏は2016年9月と2020年4月にFRBが将来の景気後退に備えて株式を購入できるよう制度変更することが必要になるのではないかとの考えを示しています。
Yellen says Fed purchases of stocks, corporate bonds could help in a downturn
Yellen says the Fed doesn’t need to buy equities now, but Congress should reconsider allowing it
コロナショックではFRBが個別社債を購入できるようにしたことが、市場の急回復を引き起こしました。
イエレン氏が財務長官に指名されたことは、現在のバブルが崩壊した場合にFRBが株式の購入を開始する可能性を高めたと言えるでしょう(直接の関係はないが広範な影響力を持つため)。
財政赤字が1945年以来最大
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/EnNPGK8W8AAmQw2.png)
米国の財政赤字(対GDP比)はコロナショックへの対策のため、1945年以来最大となりました。
ロックダウンはCOVID-19の対策として効果がない
財政赤字の拡大はCOVID-19の対策としてロックダウンとソーシャルディスタンスを実施したことで景気後退に陥ったことが主な要因ですが、JPモルガンの研究によれば、これらは効果がありません。
COVID-19の感染規模/速度の比較
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/11/covid-infection-speed.jpg)
COVID-19の感染規模/速度について、厳密な管理措置(ロックダウンとソーシャルディスタンス)を講じている国とそうでない国との有意なギャップはなく、感染症の自然なライフサイクルによる推移を示唆しています。
COVID-19の死亡率の比較
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/11/covid-moratlity-jpm.jpg)
死亡率(死亡者/感染者)は2.6%対2.0%と厳格な管理措置を講じた国の方が高く、100万人あたりの死亡者数は240人対273人と厳格な管理措置を講じた国の方が少ないですが、有意な差はありません。
COVID-19の抗体獲得の比較
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/11/covid-antibody-comparison.jpg)
厳格な管理措置を講じている国とそうでない国の抗体獲得率は3.6%対3.0%と有意な差はなく、80%の回復率に到達するまでの日数は、管理措置が厳格な国の方がそうでない国よりも短くなります(119日対129日)。
JPMorgan Finds No Benefits From COVID Lockdowns
ロックダウンとソーシャルディスタンスは財政収支を極度に悪化させただけで、COVID-19の対策として何の効果もなかったとすれば、何が目的だったのでしょうか?
年齢別の死亡率
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健康状態と死亡率
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/Coronavirus-CFR-by-health-condition-in-China.png)
そもそも老人と持病持ちしか死なない風邪で国民全員を巻き込むこと自体が馬鹿げていますが、壮大な茶番の裏には目的があります。
The Great Reset
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/WEF-PODCAST-HEADER-key.jpg)
グレートリセットとは現在の経済的・社会的基盤の創造的破壊であり、世界の中心がアメリカから中国へ移動することであり、民主主義から全体主義への移行であり、現在の特権階級(資本主義の超富裕層と共産主義の支配者層)が権力と資産を維持・拡大するための高度情報管理社会を構築する第四次産業革命です。
COVID-19は中国が国際機関や各国の特権階級を取り込んで実施した敵国弱体化政策であり、グレートリセットの切り札です。
ロックダウンと金融緩和は超富裕層が支配する大企業の脅威となりえた中小企業を効果的に排除したことで、大企業の独占を維持・拡大することに貢献しました。
ロックダウンは長い間不可欠とされてきた飛行機での頻繁な移動やオフィスでの仕事などの習慣を放棄させ、私たちの既存のライフスタイルを迅速、そして不可逆的に変質させることで、既存の経済的・社会的基盤の破壊と第四次産業革命の促進を同時に推し進めました。
金融緩和は、強固なバランスシートを持ち、高い信用によってマイナスの実質金利によって金を借りることのできる大企業を支援した一方で、利ザヤの消失により金融機関の貸し出し態度がタイト化したことで財務状況が脆弱な中小企業には不利に働きました。
Banks say they are tightening lending standards even as demand for money falls
アメリカ・ヨーロッパの財政赤字の急激な拡大は通貨価値を棄損し国力を喪失させ、中国への覇権国家の交代を早めました。
アメリカの財政赤字の急拡大
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/fredgraph-2.png)
コロナ以降の米ドルの中国元に対する減価
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グレートリセットの最後の鍵は、現金の廃止と暗号資産の技術を活用した世界統一通貨の樹立であり、これによって高度情報管理社会が完成します。
現在の民間の暗号資産(仮想通貨)の躍進は国家中央権力への不信感の一端であり、特権階級が夢見るディストピアへの抵抗であると考えることもできるかもしれません。
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/12/1826447_l-320x180.jpg)
米大統領選において中国の覇権拡大を阻止しようと動いていたトランプ大統領が敗北し、中国と融和的なバイデン前副大統領の勝利が報じられた以降に暗号資産(仮想通貨)が急上昇したことは偶然ではないでしょう(米大統領選後の暗号資産(仮想通貨)の変動はヘッジアンワインドでは説明できないレベル)。
まとめ
・ヘッジファンドマネージャーの裁量ポジションが高値にある一方で、VIXはまだ22を超える高い水準であったため、システマティック戦略のファンドのポジションは回復していない。
・裁量ポジションだけ見れば高値警戒すべき場面ではあるが、システマティック戦略のポジショニングが低いため、バブル相場の中でボラティリティが低位に押しやられるまでポジショニングの拡大が継続する可能性がある。
・イエレン氏が財務長官に指名されたことは、現在のバブルが崩壊した場合にFRBが株式の購入を開始する可能性を高めた。
・財政赤字の拡大はCOVID-19の対策としてロックダウンとソーシャルディスタンスを実施したことで景気後退に陥ったことが主な要因だが、JPモルガンの研究によれば、これらは効果がない。
・グレートリセットとは現在の経済的・社会的基盤の創造的破壊であり、世界の中心がアメリカから中国へ移動することであり、民主主義から全体主義への移行であり、現在の特権階級(資本主義の超富裕層と共産主義の支配者層)が権力と資産を維持・拡大するための高度情報管理社会を構築する第四次産業革命である。
・COVID-19は中国が国際機関や各国の特権階級を取り込んで実施した敵国弱体化政策であり、グレートリセットの切り札である。
・グレートリセットの最後の鍵は、現金の廃止と暗号資産の技術を活用した世界統一通貨の樹立であり、これによって高度情報管理社会が完成する。
・現在の民間の暗号資産(仮想通貨)の躍進は国家中央権力への不信感の一端であり、特権階級が夢見るディストピアへの抵抗であると考えることもできる。
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