東大グレアムです。
今日はバンガード・連続増配ETF(VIG)がどのように銘柄選定を行っているのかについての説明です。
一般的な時価総額加重平均指数と比較して、銘柄選定方法が明確ではないところがありますからね。
VIGの概要
VIGとは、米国の連続増配実績のある大型株を中心としたETFです。
コロナショックでも下落耐性を発揮したことから、注目が集まりました。
低金利環境下での債券の代わりになりうるものとして、東大ぱふぇっとポートフォリオ(ハイテク・連続増配ポートフォリオ)にも採用しています。
投資アプローチ
- NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。
- 完全法を用いたパッシブ運用です。
- ファンドはフルインベストメントを維持します。
- 大型株の中でも前年比増配の実績を持つ銘柄に重点を置きます。
- 低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑えます。
ベンチマーク(DVG)
計算式
DVGは修正時価総額加重平均インデックスです。
インデックスの値はインデックスに占める各構成銘柄のウェイト(インデックスシェア)に等しくなっています。
計算式は以下です。除数で割ることは集計値を低い桁にスケーリングして把握しやすくするために行われています。
計算式:調整後の時価総額/除数
銘柄選定
DVGは、NASDAQ US Broad Dividend Achievers Index (DAA)からリミテッド・パートナーシップ(LP)の会社とREIT(Real Estate Investment Trust、不動産投資信託)を除外したものです。
LPとは、米国の企業形態の一つで、無限責任を負う最低1名のゼネラル・パートナー(GP)と、有限責任のリミテッド・パートナー(LP)とによって組織されます。
各構成証券は毎年3月に、インデックスに含まれることが適格かどうか判断され、証券の追加・削除が行われるとのことです。
また、追加の株式発行や株式分割、会社のスピンオフ等のイベントに対しては、その日のうちに対応してシェアが調整されるようです。
DAA
DAAは、10年以上連続して増配の実績を持つ米国証券のインデックスです。
DAAからLPとREITを除いたのがDVGだったので、同じような表記なのは当然ですね。
計算式
こちらも計算式はDVGと同様、以下となっています。
計算式:調整後の時価総額/除数
銘柄選定
・NASDAQ US Benchmark Index (NQUSB)からNASDAQ証券取引所・ニューヨーク証券取引所・AMEX・CBOEに登録されているLPを除外したもの。
(なんかDVGと被っている気もしますが、結局DVGはDAAからREITを除いたものという理解になるのでしょうか)
・3か月の平均1日のドル取引量が100万ドル以上であること。
・10年以上連続で毎年定期配当が増加していること。
また、イベントについては同様に対応し、リバランスは4半期ごとに実施されるとのことです。
まとめ
インデックスがインデックスを参照しているのでややこしいですが、結局は以下のように決められていると思われます。
アメリカの証券所に上場している浮動株基準時価総額加重平均インデックスであるNASDAQ US Benchmark Index (NQUSB)から、リミテッド・カンパニー(LP)とREITを除外する。
3か月の平均1日のドル取引量が100万ドル以上であること、10年以上連続で毎年定期配当が増加していることの条件でスクリーニングする。
スクリーニングされた証券は、時価総額に応じて重みづけされて、把握しやすいインデックス値に割り戻される。
こうしてできたベンチマークを基にETFが作成されているということですね。
ETFはスクリーニングや定期的なリバランスも自動で行ってくれるので、投資が趣味ではない一般の人にとってはとても優良な商品であると思いました。
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