東大グレアムです。
8月5日の市場は小型株を中心に続伸し、貴金属・原油・暗号資産(仮想通貨)も上昇しました。
小型株と原油の上昇は、今後のマーケットを占う上でポジティブな見方を与えてくれます。
主要株価指数
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/08/stock.png)
S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)です。
8月5日の市場はS&P 500が+0.64%、NASDAQ 100が+0.26%、RUSSELL 2000が+1.91%と小型株中心で上昇しました。
RUSSELL 2000はFOMC前の6月8日の高値を更新し、コロナショック後の新高値となりました。
小型株は市場の流動性の動向を判定するうえで重要です。小型株が好調であることは、市場に十分な流動性が存在し、S&P 500やNASDAQ 100といった大型株中心の指数にも上昇余地が十分に残されていることを示唆しています。
IV(インプライド・ボラティリティ)
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/vix.png)
VIX(青線、右軸)、VXN(赤線、左軸)です。
VIXは23まで減少しました。VIXが22~20を下回る水準になるとパッシブファンドの資金流入が見込まれます。最近の上昇はこれを見越した買いと考えることもできるでしょう。
株式のポジショニング
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/08/Consolidated-Equity-Positioning-Remains-Low.png)
Consolidated Equity Positioning Remains Low
昨今の市場の上昇にもかかわらず、株式のポジショニングは低いままです。これは株式市場にさらなる上昇余地が存在することを示唆しています。
センチメントインジケーター
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/08/Sentiment-Indicator-and-Stock-Positioning.jpg)
Sentiment Indicator and Stock Positioning
センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したものです。株式ポジションは上昇してきていますが、まだ1以上にはなっていないことから、ポジションを積み増す余地は残されています。
貴金属
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/08/metals.png)
Gold(青線)、Silver(赤線)です。
銀は出遅れていましたが、最近の急上昇によって金に追いついてきました。
また、プラチナも出遅れ感がありましたが、最近は勢いよく上昇しています。
Goldのファンドフロー
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/08/Gold-Fund-Flows.png)
Gold Fund Flows – Record 6-Week Inflow to Gold
6週連続で、Goldにすさまじい勢いで資金が流入しています。
Goldのポジショニング
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/08/Gold-and-Hedge-Funds-Net-Long-Positions.png)
Gold and Hedge Funds Net Long Positions
Goldへの熱狂的な資金流入は続いているものの、ヘッジファンドのGoldのポジショニングを見ると、未だ2016年よりも低い水準にあることが分かります。よってGoldもまだ上昇の余地があると考えられます。
暗号資産(仮想通貨)
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/btc.png)
Bitcoin(青線、右軸)、Ethereum(赤線、左軸)です。
暗号資産(仮想通貨)も市場の過剰流動性の指標となりますが、こちらも上昇しており、市場に十分な流動性が存在することを示唆しています。
原油
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/oil.png)
WTI原油スポットレートは、8月4日、8月5日に大きく上昇しました。
上昇した理由は、減産により過去最大級に積みあがっていた在庫が減少する見通しがついたからです。
アメリカの原油生産量
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/production.png)
U.S. crude oil production in May has a record monthly decrease
eia(U.S. Energy Information Administration)のレポートによると、2020年5月は1日当たり199万バレルの減産で、月単位では1980年1月以来の減少となりました。
WTI原油と先物の95%信頼区間
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/fig1.png)
信頼区間(Confidence Interbal、CI)とは、母集団の真の値が含まれることが、かなり確信(confident)できる数値範囲のことです。例えば95%CIとは、この範囲に母集団の値が存在すると、95%確信できることを意味します。
グラフを見ると、95%CIの下限は2021年末にかけて20ドル/バレル付近となっている(悲観シナリオ)一方で、95%CIの上限は2021年末にかけて90ドル/バレル付近となっています(楽観シナリオ)。これはほぼ平坦な先物の価格見通しと比較して、市場参加者の一部が、かなり楽観的な見通しを持っていることを表しています。
eiaの見通しはその中間にあり、先物の折り込み価格よりもやや楽観的と言えます。
世界の液体燃料の生産と消費バランス
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/Fig6.png)
液体燃料の消費の最大の落ち込みは2020年Q2に既に起こっており、消費は2020年後半から2021年にかけて回復していく見通しとなっています。
生産量の下落のピークは2020年Q3に起こると考えられているため、2020年Q2で過去最大級に積みあがった在庫もQ3では過去最大級の減少となる見通しです。
これは原油価格にはプラス材料といえるでしょう。
バクソンモービルの株価
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/09/xom.png)
バクソンモービル(青線)、Chevron(赤線)、Rosneft(ロシア、オレンジ線)、Saudi Aramco(サウジ、緑線)です。
![](https://selfinvest.net/wp-content/uploads/2020/07/sekiyu_oil_money-320x180.png)
以前の記事で、下落した産油企業株を拾うにしても、バクソンモービルではなくてRosneftかSaudi Aramcoの方がよいだろうということを書いたのですが、今のところその通りの結果となっています。
まとめ
株式市場は小型株が主導して上昇しました。これは市場に十分な流動性があることを示唆するものです。
また、株式のポジショニングを見ると依然低く、上昇余地が十分に残されていることを示しています。
VIXは23まで減少し、今後パッシブファンドの資金流入が見込まれます。現在の株式市場の上昇はそれを見越した買いと考えることもできます。
貴金属市場にも大幅な資金流入がありましたが、ヘッジファンドのポジショニングはそれほど高い水準とはいえず、こちらも上昇余地が存在します。
原油は2020年Q2に過去最大級の消費の減少と在庫の積み増しがありましたが、以後は生産量の減少もあり、価格は徐々に回復していくと見込まれます。
以上をまとめると、市場には十分な流動性と上昇余地が存在し、パッシブファンドの資金流入が見込まれることから、以後は安定上昇相場が続くと考えられます。
こうした環境下では、レバレッジを掛けて資金を効率よく増やすのが賢明です。※レバレッジは初心者の方には非推奨です。
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