東大グレアムです。
またしても高配当村の住人が焼き払われました。
自身のリスク許容度を見誤ったレバレッジETF投資家が奈落の落とし穴に嵌り、
カリスマを真似てVIXショートしたイナゴ投資家の草原が地獄の業火によって焼き払われ、
配当利回りに目が眩んだエクソンモービルナンピン投資家が原油の中で塩漬けになって溺れています。
しかし、彼らが生息するイキリ投資村やコバンザメ投資村、高配当村を襲う苦難は尽きないようです。
これだけの激しい攻撃を受け続けた結果、高配当村の住人は市場平均インデックス村やハイテクグロース村に避難するかと思われましたが、まだその地に留まり続ける猛者もいるようです。
彼らが灼熱の地に踏みとどまる理由は、含み損が大きすぎて動くに動けなくなったという理由以外にも、ブロガーとして投資手法を喧伝していたせいで、逆に修正しづらい状況に自身を追い込んでしまったという理由もあるかもしれません。
彼らの唯一の希望は、株価がどんなに下がり続ける中でも手元に振り込まれる配当金なのですが、その最後の希望が潰える時が来たようです。
銀行株の配当支払い停止
ECB asks banks not to pay dividends until at least October 2020
ECB(欧州の中央銀行です)がユーロ圏の銀行に対し、配当金の支払いを停止するように指示したのです。
・ECBは銀行に対して、コロナのパンデミックが続いている間は、配当金の支払いと自社株買いを止めるように指示
・配当金支払いと自社株買いの停止要請は少なくとも20年の10月1日まで続く
・銀行は家計や小規模事業者への資金援助を続けるように要請
UK banks scrap dividends as recession fears build across Europe
HSBC, StanChart Slide After Halting Dividends at BOE Request
これを受けて、4月1日にユーロ圏の多くの銀行が、20年度内の配当金の支払いを停止することを発表しました。
米国の高配当株に集中投資している投資家の中には、こうしたユーロ圏の投資家を襲った大惨事を対岸の火事として捉えている方もいるようです。
しかし、ECBの動きはグローバルに波及することが想定されます。
そもそも、今回のECBのアクションはバーゼルⅢに基づくものです。
バーゼルⅢとは
Basel III: international regulatory framework for banks
バーゼル合意とは、バーゼル銀行監督委員会(注1)が公表している国際的に活動する銀行の自己資本比率(注2)や流動性比率等に関する国際統一基準のことです。日本を含む多くの国における銀行規制として採用されています。
バーゼルⅢの概念
バーゼルⅢでは、2008年-2009年の世界的な金融危機を教訓に、仮に銀行が経営危機に見舞われても、返済不要の普通株などによる資金を十分に持っていれば、損失を穴埋めできて危機を回避できるという考え方に基づいています。
バーゼルⅢの要求水準
バーゼルⅢでは、業績悪化時に配当を機動的に減らせる「普通株」と、過去の利益の蓄積である内部留保が主体の「中核的自己資本(Tier1)」の比率を実質7.0%以上とすることが求められています。
業績悪化時に配当を機動的に減らせる?なんじゃそりゃ?
と思われた方もいることでしょう。
残念ながら、事実です。
配当制限に繋がるトリガー水準の開示
バーゼルⅢでは、各国当局は、自己資本水準が資本バッファーの所要水準を下回った場合に、銀行に配当制限等を課す扱いとなっている。
業績が悪化した時には、配当を減らす・或いは無くすことは最初から決まっていたのです!!!
高配当個別株は難しい
こうしたことを知らずに銀行株の表面的な配当利回りにつられて買った投資家が大量にいることを東大グレアムは知っています。
数か月前に外食した時も、隣の席のおばちゃん集団がPERが低いwwwとか配当利回りが高いwwwとかでゆうちょ銀行株を買ったとか言ってましたよ。
別に聞きたくもなかったけど、声がでかすぎるから仕方ないね。
草生えましたが、なぜPERが低いのかとか配当利回りが高いのか考えないんですかね。
ゆうちょ銀行の株価チャート
ゆうちょ銀行、個人投資家に人気らしいですけど、IPO以降見事に右肩下がりです。
出来高を見ても、まるで生きた屍のようなチャートですね。
これを見て割安()とでも思っているのでしょうか。
株価が割安とか割高とか判断しているというのは、効率的な市場を自分だけは出し抜けると考えているということですからね。
個別株の割安判断は難しい
素人が”割安感”から株価が下落した個別株を拾うことの愚かさについては以下の記事にも書きましたね。
また、配当が株価下落のクッションになると考えて安心しきっていた投資家もいたようです。
しかし、過去にトータルリターンの比較で示したように、配当性向が高いことは、株価下落から投資家を守る緩衝材にはなりえないのです。
それどころか、業績とバランスシートの悪化から、最も投資家が配当を必要としているときに配当はなくなるのです。
アメリカの銀行株
勿論、アメリカの銀行株も無事で済むわけがありません。
ヨーロッパよりもアメリカのほうが感染拡大が遅れたことから、今はまだその指示が下っていないというだけです。
感染がさらに拡大する過程で、売り上げが立たない企業の負債が不良債権化し、さらに自社株の下落による自己資本比率が低下します。
いずれはアメリカの銀行もヨーロッパと同じ道を辿る可能性は十分に考えられるのです。
銀行株への投資家の唯一の希望は、アメリカの銀行のほうがヨーロッパの銀行よりもバランスシートがマシな点ですかね・・・
銀行株の配当利回りを見て飛びついた投資家は、いつ無配当落ちするか震えながら眠るしかないのです。
続きは次回です。
東大ぱふぇっとの久々追記
次回!城之内死す!
って感じのノリなのかこれ…?
あとその、原油先物だいぶ上がってほんと良かったですわ。
一旦は原油個別株も上がるはず。うん。良かったわほんと。。。
このまま原油価格が上がり続けるか、それともまた落ちるかは神のみぞ知るところなので、怖い方はインデックスにするのも手かもしれませんね。
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