東大ぱふぇっとです。
株式のリターンの97%は配当金に由来する
こんな言説を信じている人々がいるようです。以前の記事でしっかりと否定したのですが、記事を公開してから気づけば1年以上が経過していることもあってか、また最近ちらほらと見かけるようになりました。つまりはリライト記事です。
株式のリターンの97%は配当金に由来するという言説を信じ切って高配当株投資を行っている人は目を覚ましましょう。
高配当株投資を一律に否定しているわけではありません。
株式のリターンの97%は配当金に由来する
という言説は間違っているということに触れているだけです。
いやその、
株式のリターンの97%は配当金に由来する
って本気で信じてる人いるの?まじですか…。うーん。。。
そもそも直感的におかしすぎる
適当にS&P500のチャートを持ってきました。
30年前は500に満たなかったのに今現在では4300を超えていますね。
めっちゃ上がってる!?
いやその、この株価の上がり方を見てさ、キャピタルゲインが3%で配当金が97%ってホンキで思ってるんですか()
100歩譲ってそう信じたとしてもですね。。。
そしたら配当利回り100%くらい行くんじゃないですかねマジで()
だってたった3%のリターンでしかないキャピタルゲインでこんなにも株価が上昇してるんでしょ?!
残りの97%を占める配当金様の力はマジでやばいでしょ…。年利100%超えの案件発見ですよ…。
まあでもこんなグラフだけだと高配当株投資の配当金の洗脳を解くにはまだ足りない可能性がありますね。なんと言ってもお偉いさんの教授が言っているというお墨付きなのですから。
ちゃんと数字で示しましょうか。(超めんどくさい)
高配当株・配当金再投資信者の信仰するグラフ
ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』より
1871年から2003年にかけて、インフレ調整ベースで、株式の累積リターンの97%は、配当再投資が生み出してきた。値上がり益が生み出した部分は3%に過ぎない。
ってシーゲル本には書いてあるんですよね。
これ、さすがに翻訳ミスとかじゃないかなぁ()
というわけで原著を当たってみました。
From 1871 through 2003, 97 percent of the total after-inflation accumulation from stocks comes from reinvesting dividends. Only 3 percent comes from capital gains.
Siegel, Jeremy J.. The Future for Investors (p.181). Crown. Kindle 版.
…。
・・・。
誤訳じゃなくてマジで書いてあったwwwwwwwwww
誤訳じゃなくて教授が本気でそう信じ込んでいたのがマジで驚きでどうしたら良いのかわからなくなっています。
それはさておき、配当金再投資をした場合のリターンは800万ドルで、キャピタルゲインのみだと25万ドルらしいです。
まあこれは合ってるということにしましょう。多分合っているんでしょうし。
問題はここから先です。算数の問題を始めましょう。
トータルとキャピタルゲインの比較!?
- トータルリターンは800万ドル
- キャピタルゲインのみだと25万ドル
ここまでは良いでしょう。
株式のリターンの97%は配当金に由来する
という言説はですね、以下のような脳みその溶○た数式によって示されます。
(トータルリターン)ー(キャピタルゲイン)=(インカムゲイン)
800万に対して25万は3%しか占めていないという思考回路ですね。
これがなぜ脳◯そが溶けている数式なのか?
※一応念の為に申し上げておきますが、シーゲル教授を煽っているわけでは決して無いのですが…。図らずも煽ってしまってることになっているのかもしれません…。
数式の解説
上のグラフにおいては122年間の複利運用でやってるわけですね。
とすると簡単に書くと以下のような数式で表されるわけです。
トータルリターン=(キャピタルゲイン+インカムゲイン)^122
キャピタルゲインとインカムゲインの利回りを足し算したものを122乗することでトータルリターンになります。つまりは足し算をしたあとに掛け算を大量にやってるんですね。
中学数学までの数学しか使わないのが本ブログのモットーですが、122乗は中学数学までの範囲内のはずなので問題ないですね。掛け算は小学校の範囲でしょう。
では、
株式のリターンの97%は配当金に由来する
という言説の元となっている数式を再掲します。
(トータルリターン)ー(キャピタルゲイン)=(インカムゲイン)
※トータルリターンは足し算をしたあとに掛け算を大量にやりまくっています。
足し算してから掛け算しまくったものに対して、引き算するんですよ?おかしくないですか??
分かりやすい具体例
もっと分かりやすく説明してみましょうか。
- バナナが5個あります。(キャピタルゲイン)
- りんごが3個あります。(インカムゲイン)
- 1つ100円です。合わせていくらでしょうか?
答えはダナハーちゃん小学生でも分かりますね。
800円!!
(5+3)*100=800円(バナナとりんごの合計価格)
はい、正解ですね。
では第2問!
りんごだけの価格はいくらでしょうか?
株式のリターンの97%は配当金に由来する信者曰く、
『800-5=795円。やはりアップルは神』
これと同じ計算をしてますからね??
おかしいでしょ??????
大丈夫????
足し算してから掛け算しまくったものに対して、引き算するんですよ?おかしくないですか??
株式のリターンの97%は配当金に由来する
などと言って高配当株を買っている人はもう少し頭を使ったほうが良いのではないでしょうか…。※株式のリターンの97%は配当金に由来するなどと言う言説はウソであることを理解した上で高配当株投資をやるのは個人の好みでしょう。
というかリターンの97%はインカム由来なんだったらSPYDの配当金を再投資しまくったらVOOを遥かにアウトパフォームしないとおかしいですからね。
配当金の割合をちゃんと計算してみた
では最後に、インカムゲインとキャピタルゲインの年率平均リターンを計算してみましょう。
122年後にトータルで約8,000倍、キャピタルゲインのみで約243倍になる年率を計算してみます。こんなものはエクセルで一瞬ですね。
- トータルの平均利回り7.64%
- キャピタルゲインの平均利回り4.61%
- インカムゲインの平均利回り3.03%
キャピタルゲインの方が圧倒的に多い!?!?
みなさんはグラフが好きな可能性もあるので、グラフで可視化してみましょうか。
キャピタルゲインの方が圧倒的に多いですね。
何が起きているのか
何が起きているのかをもう一度解説します。
- 配当金再投資をしつつキャピタルゲインも取っている場合と、
- 配当金再投資をせずにキャピタルゲインのみの場合とを、
- 単純に引き算で比較した結果を見せられている。
その結果、
株式のリターンの97%は配当金に由来する
などという言説が生まれてしまっているわけですね。
この引き算で得られる正しい結果は以下の通りです。
- キャピタルゲインと配当金再投資を併用した場合は、
- キャピタルゲインのみの場合よりも、
- 圧倒的なリターンが得られる。
いかがでしょうか?
※一応念の為に申し上げておきますが、シーゲル教授はですね、
『キャピタルゲインと配当金再投資を併用した場合は、キャピタルゲインのみの場合よりも、圧倒的なリターンが得られる』
ってことを言いたかったんだと思いますよ…。たぶん。たぶん。
でも原著の英語も数字の解釈を間違えていたので、もしかしたらシーゲル教授は算数が苦手だった可能性も否定できないんですが…。たぶんちょっとした大きすぎる勘違いでしょう。もしくは自分が持って行きたい結論に繋がるように数字を都合よく解釈してしまっただけなのかもしれませんが、それは研究者としてどうなんでしょうかね。研究者ならデータに正しく向き合うべきではないでしょうか。
研究者ですら自身が望むような結論になるように事実を歪めてしまうのですから、一般庶民が妄想レバレッジをしてしまうのは致し方ないのかもしれませんね。
併用しているのか、キャピタルゲインのみの場合なのかの比較であって、
インカムゲインとキャピタルゲインの比較ではありません!
インカムゲインのみとキャピタルゲインのみを比較すると以下のグラフになります。
いかがでしょうか?
まとめ
- 株式のリターンの97%は配当金に由来するという言説はおかしい。
- 思考停止で盲信するのは止めましょう。
- インカムゲインとキャピタルゲインを比較するとキャピタルゲインの方が大きいです。
- でも、配当金の再投資自体は重要です。
配当金という仕組み自体がそもそも税制的にキャピタルゲインと比べると不利なので、東大ぱふぇっとは高配当株投資に対しては消極的・否定的な立場ではあります。
ですが、高配当株投資によって市場平均を超えられる可能性を否定しているわけではありませんよ。
配当金が心の支えになる人もいるでしょうし、減配リスクを無視すれば安定収入があるようにも思えますし。なお業績が悪い時は普通に減配するので過信は禁物ですよ。
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