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MMFから株への流入?MMFは資本市場の潤滑油!重要性をわかりやすく解説!

【株価を支えているのはMMF!重要性を解説!】

~暴落の回避に必須な内容を解説~

日本人にとってMMFはあまり馴染み深いものではないですよね?

実際、米国株投資などをしていない方の認知度はかなり低いのではないでしょうか?

知っているとしても「外貨建てMMF」くらいでしょう。

一方米国では、このMMFが現在の巨大な米国の資本市場において、根幹を支える潤滑油のような働きを担っています。

2022年以降、もしMMFがなければ債券市場も株式市場も大暴落となっていました。

この隠れた主役とも言えるMMFが、今後の相場を見通す上で重要な要素となるので解説していきます。

2023年のシリコンバレーバンク破綻をきっかけに現預金がMMFへ大きく流入しています。そして現在もMMFは増加傾向です。

銀行預金からMMFに預け替える事で、銀行破綻のリスクを回避できるだけでなく、銀行預金金利よりも高い5%超の金利が付きます。預金者にとっては大きな魅力ですよね。

そんな中、ブル目線の投資家たちの中には「増加を続けるMMFの巨額資金が2024年以降に株式市場へ流入し更に株価を押し上げていく」という声がチラホラと聞こえるようになってきました。

果たして本当にそうなるのでしょうか?

私はMMFから株式に資金が流出するという考えには懐疑的です。

むしろ、リスクの方が大きいのではないかと現時点では考えています。この点について今回はお伝えしていきたいと思います。MMFが分からない人向けに初歩から解説をしています。

長い解説を読むのは面倒で諦めたくなる人もいますよね。 そんな人向けにマークで要点をまとめています。

✅マークだけでも読んでみてください!

今後の株価の先行きを見通す上で、金融政策の動向を想定することは最も重要です。暴落の回避に最重要な内容ですね。

現在の金融政策を把握することは、今後の金融政策・今後の株式市場を考える上で必須事項なので最後までご覧くださいね🐰

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【2023年3月からMMF残高が増加。投資家の間違ったブル期待】

下の図は直近のMMF残高の推移です。

2020年のコロナショック以降、横ばいが続いてきました。しかし、銀行危機が起きた2023年3月から残高が大きく上昇し、現在も増加傾向です。

ブル目線の投資家たちは、この動きに注目しています。MMFから資金が株式に移動することで株価上昇の大きな材料と根拠付けている様ですね。

これは大きな間違いです。MMFに投資されている資金の特徴を完全に無視しています。

✅ 横ばいが続いてきたMMFだが2023年3月からずっと増加傾向。
✅ ブル派はMMFから株式に資金が移動すると考えている

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【MMFに投資されている資金の特徴とは?】

簡単にMMFの説明をしますね。MMFは安全な短期金融商品に投資して利益を分配する投資信託です。

短期国債(1年未満のもの)をはじめとした高格付けの国債や公社債を購入したり、金融機関やFRBにお金を預けて金利を得るなどの運用を行なっています。
基本的にはほぼリスクのない金融商品と言われています。米国では銀行預金と近い存在として浸透しています🐰
それでは、SVB破綻が起きる前の銀行全体の預金残高と民間からMMFに流れてきたお金の流れを見てみましょう。綺麗に反転してますね。
現金の保管先が、預金機能を持つ金融機関からMMFに流入していますね。これはMMF残高が増加している要因と思われます。MMFに投じる人の目的はあくまでも資金待避です。
そのためMMFから次に資金を移動する対象も、無リスクの現金やクレジットがメインになりやすいと考えられます。

※もちろん株式市場に流れることもありますが、メインではありませんね。

これらのことから「MMF資金が株式市場をブルにする」との考えは、投資家が使える資金を全てリスク資産に突っ込むという仮定の上での産物でしかありません。

では、MMFの残高が目減りし始めたらどうなるでしょうか?

MMFの性質を考えると、MMFから資金が抜けることは株式市場にとどまらず資本市場全体にとって悪影響をもたらす可能性があります。

✅ MMFはリスクの低い金融商品。米国では銀行預金と近い存在として浸透。
✅ MMFが株価上昇の起爆剤となるかはMMFに投資されている資金の性質を考えると懐疑的
✅ MMFから資金が抜けることは資本市場にとって悪影響をもたらす可能性あり。

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【MMFが支えているものとは?】

MMFに集まる資金は、大きく3つの運用方法が存在します。MMFは金融市場における流動性の均衡を図る上で重要な役割を担っています。

・T-bill(1年未満の割引債)やCP(企業が短期で資金調達するための無担保の約束手形)の購入。

・リバレポ (FRBが債券を担保にして、MMFからお金を借りる)

・レポ市場 (金融機関が債券を担保にして、MMFからお金を借りる)

現在、米国が行ってるQTもMMFが大きく関わっています。

今回のQTはFRBが保有する長期債の売却ではなく、償還される長期債を再投資しないことにより実行されています。そして新たに必要な資金は短期債(Tbill))発行で賄うという方式をとっています。

そして、その短期債(T-bill)の引受先こそがMMFなのです。具体的にはMMFが投資を行っているリバースレポから短期債(T-bill)に資金が流れるように上手く操縦して、2023年以降のQTの原動力となっていきました。

MMFのおかげで債券市場に混乱を起こすことなくQTを運行管理できていたのです。

そして、更にレポ市場へ資金を供給していることも見逃せません。MMFからレポ市場に供給された資金はヘッジファンドの機関投資家も利用します。彼らは株式を含める資本市場へ投資をしてリスク資産を持ち上げていきます。

2023年を通じてレポ市場へ流通する資金量は鰻登りに上昇しています。

MMFからレポ市場へ流れ込んだ資金が株価上昇を牽引していきました。

✅ MMFに集まった資金は大きく3つの運用口に流れる
✅ 現在の米国のQTにMMFが大きく貢献
✅ レポ市場を通じて株式を含めた資本市場を支えている

 

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【米証券取引委員会はMMFの資金流出を規制】

ここまで見てきたように、MMFは重要な役割があります。

それを考えると、MMF残高の減少が金融市場に悪循環を生んでしまうことが想像できますね。

どうやら米政府もMMFの流出は避けたい様です。

2023年7月に米証券取引委員会(以下SEC)はMMFの規制見直しについて数年ぶりの改革を行なっています。SECは、MMFの解約が殺到した際に手数料の徴収を義務付ける法案を通しました。

なぜこの法案を昨年早々に通したのでしょうか?

金融市場に負担が掛かった際に、MMFから資金が引き上げられては都合が悪いからです。

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年3月、MMFから急速な資金流出が発生しました。

この時、MMFは解約資金を確保するため保有するCP(企業が短期資金調達に用いる金融商品)を投げ売りしています。

そのため、CP市場は機能不全に陥りCPの価格が急落。企業は信用力が一気に低下し、株価暴落を招きました。MMFもCPの価格急落で運用収益が悪化し資金流出を招く悪循環を生んでしました。

空前絶後の規模なQEなどの救済措置を経てようやく混乱は収束しましたが、政府は二の舞を踏みたくないはずです。

政府の動きからも分かるように、MMF資金の多くが解約されたとしてもリスクアセット(株式等)に流れるということは考え難いですね。

MMFの残高減少は株価を持ち上げるという根拠は残念ながら乏しいです。

むしろMMFの残高減少により金融市場の均衡が崩れ、株式や債券市場に混乱を招く契機となる可能性の方が高いと考えています。

✅ 米証券取引委員会が2023年7月にMMFの新規制を数年ぶりに決定
✅ 新規制施行を急いだのは、コロナショックの時のMMF減少の影響
✅ MMFの残高減少は金融ショックを招く判断材料

こういった金融動向を分析することは、株価の暴落を避ける上で必須ですね!

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