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記者としての経験

今勤めてる会社に対して給料交渉をしようと考えています。

質問

僕は20代前半、中小企業に務めているものです。
今勤めてる会社に対して給料交渉をしようと考えています。
理由は昨年同期の子が給料が少ないという理由で辞めたのにも関わらず、転職した先の企業の人間関係が悪かったという理由で出戻りしてきました。戻ってくるのはいいのですがその子は昨年辞める前よりも高い給料、転職先の給料と同等レベルにしてもらったと言ってました。(その子ら給料が高いところに転職してます)
転職先では新しい仕事を覚えられず怒られないようにするのに必死だったと言っており作業技能は向上していないと思ってます。

僕達はまだ20代前半で作業技能もほぼ変わらないのですが、たった1年ですが会社に居続けた僕の方がその子より給料が低くなっていることに疑問を感じています。(疑問を感じることが間違っていたらごめんなさい)

どのように交渉すれば給料を上げて貰える確率を上げることができ、上手く話を進められるでしょうか?また給料を上げて貰う交渉をすること自体が間違っていてチャレンジした同期の子が正解だったのでしょうか?
長文になってしまいすみません。
どうかアドバイスを貰えたら幸いです。🙇‍♀️

回答

これはけっこうあるあるなんですよね。上司なり社長なりに、こっそりと不満を言ったら言いんじゃないですか。経営者というのは出来るだけ払うお給料は抑えておきたい、という気持ちが通常あります。ですから何にも言わない人のお給料は抑えがちになります。しかし不満を持たれて、辞められるんじゃないかということになると、慌ててお給料を上げたりするものです。

これはお給料ではないですが、僕は大学卒業後に就職したテレビ局で社内人事抗争に巻き込まれました。僕は就職時、いろんな会社から引き合いがあったんですが、就職したテレビ局の会長と報道局長が「うちにぜったい来い。来てくれたら面白い仕事をやらせてやることを保証するから」と強引に誘って来たんです。

それで国家公務員上級職(総合職)にもかなり良い成績(大蔵省が狙えるレベル)で合格していたし、外交官試験も筆記試験までは合格していたのに、「なら、まあいいか」とお気楽な僕は、官庁訪問を打ち切ってそのテレビ局への就職を決めたわけです。

実際、数十人いた同期の記者が、みんな地方局に行ってサツ周りをする中で、僕は東京に残してもらえて政治部に配属されました。報道局長は約束を守ったわけです。

僕はその後、特にその報道局長と親しく付き合った覚えはないんですが、報道センターに上がって報道フロアでぶらぶらしていると、姿を見かけられると、「おい、元気にやっているようだな」とか「お前、あんまり女子アナをナンパするなよ」と言った感じで、何かというと親しげに声をかけられました。報道局長子飼いの部下と言われていた部長やデスクもそんな感じでした。その結果、社内で僕は報道局長派と見られてしまったようなんです。僕は派閥を作ったり属したりするのが大嫌いだと言うのに。

ところがある時、その報道局長が社内抗争で敗れて失脚、報復人事で報道局長派と見られていた人たちが揃って左遷されたり、閑職に追いやられると言う事件が起きました。テレビ局とかメディア系の会社に社内人事抗争は付き物なんです。

これは当時28歳でペーペーだった僕にも及び、ある日平河クラブ(自民党記者クラブ)でゴロゴロしていた僕に、人事から「ちょっと人事まで来てくれ」と呼び出しがかかりました。それでなんじゃらほい、金一封でもくれるのかなとか思って、放送センターに行って人事局に行くと、人事のお偉いさんから「将来のキャリアのために、一度地方局で修業してくるか、それとも経営企画局みたいな仕事を経験しておかないか?」と打診されたんです。まあ打診というより、地方局(福島局と例示されました)と経営企画局のどっちかを選べと言われたようなもんです。

寝耳に水の話でした。ちょうど政治部記者として仕事が面白くなっていた頃でしたので、地方局で修業というのも納得出来ませんでしたし、経営企画局というのは確かに経営トップの秘書とかになるので、そのテレビ局では超出世コースなんですが、記者職からは外れろって言うことです。出世したかったらテレビ局で記者なんかにはなっていませんよ。

頭にきた僕は政治部記者としてたまたま知り合い、何かと目をかけていただいていたとある新聞社の政治部長上がりの副社長さんに「最近弊社で社内抗争が起きたのはご存知と思いますが、それで僕にもこんな話がありました。どうしたもんでしょうね」と相談してみました。社内抗争でしたから、社内には信用して相談できる相手がいなかったんです。

するとその副社長さんが「だったらうちの会社で身柄は預かってやるから、こっちへ来ないか。政治部でも経済部でもいいぞ」とおっしゃってくれました。それで僕は「そんならテレビ局は辞めたるわい」と、テレビ局を退職してその新聞社に転職することに決めました。給与条件もテレビ局員時代よりも上がると言う破格の条件でした。これが僕が28歳の時にテレビ局を辞め、新聞社に転職した事情でした。

やれやれこれで鬱陶しい社内人事抗争から逃げられる、と思って人事局長のところに行って辞表を叩きつけたんですが、そうしたら人事局長がなんと言ったと思います?

「俺にもっと早く相談してくれれば良かったのに。言ってもらえれば、希望の部門にも行かせられたし、給与条件も考慮出来たのに。なんで辞めちゃうのかなぁ。今からでも考え直してもらえませんか?」

テメェー、オメーが経営企画局だとか地方局だとか抜かしたからこっちは転職を考えたのに、いざ辞めると言ったらその言い草かよ、って言うのがその時の僕の気持ちでした。

実はテレビという媒体に未練が当時なかったわけではないんですが、身柄を拾ってやると言ってくれたその新聞社の副社長さんの有り難い申し出を「いや、テレビ局で引き止められたのでナシにしてください」とは今さら言えませんから、僕は辞表を撤回することなくテレビ局から新聞社に転職したわけです。

僕も当時は若かったですから、テレビ局で人事局長相手に、辞職をチラつかせながら条件交渉するっていう手が思いつかなかったんですが、今僕の歳であれば、そういうやり方が十分アリだということがわかります。

会社からよっぽどコイツは使えない、辞めてくれればいいのに、と思われている人間が条件交渉をすると、これ幸いとクビを切られます。しかし会社の経営遂行上カウントに入っている人間、人事部門がジョブローテーションやキャリアパスを考えている人間に辞められたら、会社も人事も困るんです。だから条件闘争、条件交渉が出来ます。

ですから社長なりなんなりの給与条件を決められる偉い人にボソッと聞いてみると良いです。「なんで◯◯さんより僕の方がお給料が安いんですか?ぜんぜん納得がいかないんですが」ぐらいの感じで。ケンカ腰はまずいですが、不満であることははっきり滲ませた方が良いです。聞けば20代前半だそうですから、まだ業務遂行能力や管理能力には大差がない頃です。

大企業でも給与横並びであることが多い年代です。ですから給与を揃えてくれというのはおかしなことではありません。中小企業だそうですから、決まった職格とそれに対応する給与などが明確に決まっていなくて、社長など経営層が鉛筆舐め舐め、コイツの給与はこれぐらいにしておくか、ぐらいの感じで決めている可能性があります。

ですから自分の実力以上の給与をもらおうとすれば不満分子と取られます。しかし同年次で特別職能に違いがない人が元職と給与条件を揃えるということで自分より高い給与をもらっている実績があるのであれば、不満を持っていることは明確に言っておいた方がいいです。言わないと不満がないと思われます。

会社ですから「じゃあ上げましょう」とはならないかもしれませんが、あなたが会社に不要の人間と思われていない限り、「まあまあ」と言ってなんらかの説明があると思います。そして「コイツは給与に不満を持っている」「もしかするとそれで辞められてしまうかもしれない」と上が思えば、少なくともどこかのタイミングで、その自分より給与条件が良くなった同僚と同レベルまでは給与は上げてもらえる可能性が高いと思います。

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