東大ぱふぇっとです。
米国投資をしていると海外源泉税(10%)って地味に痛いですよね。
知らない人もいるかもですが、米国株からの配当金には米国源泉税10%が引かれた上で、更に日本国内の20.315%がかかる二重課税になってるんです。
確定申告で外国税額控除の申告を行えば還付されるのですが、上限があります。
ここが外国株投資のデメリットだったんです。
ところが!
全ての外国株投資家に朗報です!
2020年に喜ばしい税制改正がありました。
外国資産に投資を行っている国内籍のETFでは、海外源泉税が差し引かれないことになったのです!(正確には、確定申告せずに二重課税が自動調整される)
以下は日本取引所グループのリリースです。
https://www.jpx.co.jp/learning/basics/tax/index.html
あまり知られてないんですが、日本の株式市場にも海外インデックスに連動するETFなどが上場されています。例えば、S&P500連動型のETFだと以下のようなものがあります。
- iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF
- MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
- NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信
例えば「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」だと、ポートフォリオの中身は100% IVV(iShares Core S&P 500 ETF) なので結局、日本国籍のETFが海外籍のETFに投資しているだけですね。手数料も二重にとられるし隠れコストも無視できないので、一般的には手数料が高くなります。
つまり国内籍ETFでは、海外源泉税が取られないメリットと、手数料が高いというデメリットがあります。
そして気になるのはこのメリットとデメリット、どちらが大きいのかという点です。
メリットの方が大きければ国内籍ETFに投資したほうがいいでしょう。
デメリットの方が大きければ海外籍ETFに投資したほうがいいでしょう。
今回は、この点につき徹底比較してみました。
対象とするETF
今回、対象とするETFは以下とします。
- 国内籍ETF:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(ブラックロック)
- 海外籍ETF:iShares Core S&P 500 ETF (IVV)(ブラックロック)
理由は、「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」は結局100%をIVVに投資しているので、純粋にコストの比較がしやすいからです。
各種コストの水準
国内籍ETFであるiシェアーズ S&P 500 米国株 ETFへの投資では以下のコストがかかります。
- 売買手数料:0.099%(SBI証券で10万円投資する前提)
- 信託報酬(税込):0.0825%
- 国内税金:20.315%
- 隠れコスト(ファンドの諸経費、売買委託手数料、外貨建資産の保管費用、投資先海外籍ETFの信託報酬等)
一方、海外籍ETFであるIVVへの投資では以下のコストがかかります。
- 為替手数料:スプレッド 0.25円/ドル(SBI証券前提)
- 売買手数料:0.495%(SBI証券で10万円投資する前提)
- 信託報酬(税込):0.03%
- 隠れコスト(ファンドの諸経費、売買委託手数料、外貨建資産の保管費用等)
- 海外源泉税:10%(但し確定申告で4%分は返ってくることとする)
- 国内税金:20.315%
3年間リターンの比較
ここでは、2019年1月4日から2021年12月30日までの3年間の平均年率リターンを比較してみました。
配当は再投資しない前提ですが、IRRでリターンを計算しているので配当のタイミングもリターンに反映されます。
結果は以下の通りです。
- 国内籍ETF:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF →29.09%/年
- 海外籍ETF:IVV →28.08%/年
なんと国内籍ETFが上回る結果となりました。
但し!
ここで一つ調整が必要です。
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFの価格はIVVの価格に連動するように作られています。
但し、ETFの仕組み上、その価格が完全に一致するのではなく多少のブレが生じます。
そして実際に両者の価格を比較すると、切り取った3年間ではiシェアーズ S&P 500 米国株 ETFの方がIVVよりも価格の上昇幅が大きくなっていました。
これは単純に価格のブレで、上下両方にぶれる可能性があること、今回は純粋にコストの比較が目的であることを考えれば、この価格のブレは調整する必要があります。
この調整を加えると以下のような結果になりました。
- 国内籍ETF:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF →28.25%/年
- 海外籍ETF:IVV →28.08%/年
それでもやはり国内籍ETFに投資したほうが有利であることがわかりました。
つまり、海外源泉税が取られないメリットが、手数料が高いというデメリットを、上回ったというわけです。
結果の考察
ここからは、なぜIVVがiシェアーズ S&P 500 米国株 ETFのリターンに劣ってしまったのか?どの要素が最も足を引っ張ったのか?悪いのはやはり海外源泉税だったのか?という点についてもう少し深掘りしてみましょう。
まずは、国内籍ETFよりも海外籍ETFの方がコストが高い項目を洗い出してみましょう。
以下のようなものがあります。
- 為替手数料:国内籍ETFではETF内で両替されているので水準がわからないがおそらく国内籍の方が安い
- 売買手数料:海外籍ETFは0.495%、国内籍ETFは0.099%
- 海外源泉税:国内籍ETFではゼロ
そして海外籍ETFにおけるこれらのコストが、仮に国内籍ETFと同水準であると仮定した場合、IVVの平均年率リターンに与えるインパクトを計算してみました。
すると以下のような感じになりました。
- 為替手数料:IVVの平均リターンは0.19%改善
- 売買手数料:IVVの平均リターンは0.34%改善
- 海外源泉税:IVVの平均リターンは0.11%改善
ご覧の通り、実は海外籍ETFへの投資リターンを最も下げていた要因は、売買手数料の高さであることがわかります。
確かに国内籍ETFだと片道0.099%、往復0.198%に対し、海外籍ETFだと片道0.495%、往復0.99%です。
これは売買した時のみしか発生しないので、計測期間が長くなれば長くなるほど薄まっていきますが、それでも割と大きなインパクトがあることがわかりますね。
そして注目は海外源泉税のインパクトは平均年率でいうと0.11%です。
国内籍ETFと海外籍ETFのリターン差は0.17%ですので、海外源泉税のインパクトを除いても国内籍ETFのリターンの方が優れいているということです。
つまり、高いと思っていた国内籍ETFの手数料は、むしろ海外籍ETFに投資するよりも安いことがわかりました。
まとめ
- 2020年の税制改正により、外国資産に投資を行う国内籍ETFには海外源泉税がかからないこととなった。
- 国内籍ETFにおいて、「海外源泉税がかからない」というメリットと、「国内籍故に手数料が高い?」というデメリット、どちらの方が影響が大きいのかを検証。
- iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFとIVVの直近3年間の円建て平均年率リターンを比較することで検証。
- 結論としては、iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(国内籍ETF)の方がリターンが優れている、つまり総合的なコストが安いことが分かった。
- 詳細を分析すると、IVVの円建てリターンを最も改悪させていたのは売買手数料の高さであることが分かった。
ただ、そもそもの問題として、ETFではなく投資信託を買えば良いという話がありますね。
S&P500のように投資信託が存在する指数に投資するのであれば、国内ETFと海外ETFのどちらにするかを検討するとか以前に投資信託を買ってしまえば良いわけで。
そしてVIGのように、投資信託が存在しない指数に投資したい場合は…VIGは国内ETFにも存在しないため、結局は海外ETFを買うしかないという。。。
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