株式投資Diary・雑記

【解説】米国で60兆円規模の大型法案可決!インフレ抑制法案ってなに?

東大ぱふぇっとです。

2022年8月16日、ついにバイデン大統領念願のインフレ抑制法案が可決しましたね。

予算規模は約60兆円。大型法案です。

今回はこのインフレ抑制法案可決に至るまでの経緯と、その中身について徹底解説します。

法案可決に至るまでの背景

インフレ抑制法案は、当初バイデン大統領が目玉政策として掲げていた「ビルドバックベター(BBB)法案」の改訂版です。

BBB法案はもともと予算規模約200兆円の超大型法案でした。

中身は、医療保険等のセイフティーネット拡充、薬価抑制、気候変動対策、課税強化といったもの。

米国では、このような財政に関する法案は上下院ともに過半数の賛成で通過します。

民主党は上下両院で過半数を持っているのですが、上院では100議席の内ちょうど50議席(+上院議長の1議席)です。

なので、一人でも反対者が出ると過半数を取れません。

BBB法案は2021年末に可決を目指して審議されたのですが、下院は無事に通過したものの、上院で民主党内部から一人の反対者が出てしまったが故に、法案可決に至りませんでした。

その反対者がジョーマンチン上院議員です。

同氏は、反対理由として財政への悪影響や高インフレ加速の恐れを挙げたんです。

また「大統領府スタッフによる許しがたい行動があった。」というコメントを残しており、どうやら民主党内部での進め方に問題があった模様。

いずれにしてもマンチン氏は、インフレ加速懸念から「1兆5,000億ドル以上の計画は認めない」と公言していたんですよね。

BBB法案はバイデン政権の目玉法案だったので、これが頓挫すると今年11月に行われる中間選挙にも甚大な影響を及ぼします。

なので、この半年間は民主党とマンチン氏の間で、中間選挙までに何とか落としどころを見つけるための議論がされたのだと思います。

そして結果的には、予算規模を4370億ドル(約60兆円)まで引き下げてマンチン氏の賛同も得て今回の法案可決に至ったのです。

東大ぱふぇっと
東大ぱふぇっと
法案名が”ビルドバックベター”でなく”インフレ抑制(Inflation Reduction Act)”になってるのは、国民の最大の不満であるインフレに対して政権は頑張ってるよっていうアピールだろうね。中間選挙間近だし。

インフレ抑制法案の中身

インフレ抑制法案の予算の中身はこんな感じです。

出典:米上院HP

 

歳入は7370億ドル増、歳出が4370億ドル増なので、差し引き収支は+3000億ドル。

東大ぱふぇっと
東大ぱふぇっと
「お金はばらまくけどそれ以上に吸い上げる」のでインフレ抑制効果があるんだよね。だからこその「インフレ抑制法案」。

まあ聞こえの良い政策名にしておくことは選挙対策で重要()

次に中身を細かく見ていきましょう。

大きく以下7点あります。

1.メディケア(高齢者向医療保険)の拡充

米国の公的医療保険はメディケア(高齢者向医療保険)とメディケイド(低所得者向医療保険)があります。

米国は日本と違って国民皆保険ではないので、現役世代はみんな民間医療保険に入るんですね。多くの人は勤務先の団体保険に入るみたい。

インフレ抑制法案では高齢者向け医療保険制度であるメディケアの補償内容が拡充されます。

主要なものは以下の通りです。

  • ワクチンの無償提供
  • インスリン(糖尿病薬)の月額上限を35ドルに
  • 保険外自己負担額の上限を2024年には4000ドル以下、2025年に2000ドルへ

米国は肥満大国なので、インスリン価格はかなり大きな影響があるみたいです。

インスリンは1瓶の製造コストが10ドル以下なのに、1カ月分の販売価格は平均約375ドルで、1000ドルに達する場合もあるとのこと。

これは家計や国家財政を圧迫します、製薬会社が不当な利益を得ているのではないかと、かねてから問題視されてたんです。

これが今回是正されるとのこと。

ちなみに、インスリン製造を手掛けている企業は主に、イーライリリー、ノボノルディスク、サノフィの3社です。ここら辺は影響受けそうですね。

2.光熱費負担の削減

これは家計の年間光熱費負担を、500ドル~1000ドル分削減するというものです。

今、エネルギー価格高騰もあって光熱費負担が家計を圧迫しているという背景があります。

3.気候変動対策投資

2030年までに温室効果ガス排出量を約40%削減するため、3690億ドルの予算が確保されました。

歳出項目でいうとメインの内容です。

主に、クリーンエネルギー発電切り替え促進のための税制優遇策や、EV充電スタンド,風力・太陽光発電の送電網などへの投資があります。

4.ヘルスケアコスト抑制

米国ではヘルスケアコストの高騰が大きな問題になっています。

日本では、公的医療保険が適用される医薬品価格はすべて国が決めます。

一方、米国では今まで製薬会社が自由に医薬品価格を決められました。

医薬品の特許期間中は独占販売できるので、製薬会社は限界ぎりぎり迄医薬品価格を上げるのが常なんですよね。

これがヘルスケアコストを高騰させる根本的な原因でした。

今回の法案ではここにメスが入りました。

主に以下2つがあります。

①メディケアが製薬企業と価格交渉可能に

元々メディケアによる、製薬会社との価格交渉は禁じられていました。

故に今までは、医薬品価格が製薬会社の言い値で決まってしまってたんです。。そりゃ、医療コスト大きくなりますよね。

そこで今回の法案で、メディケアは100種類の高額医薬品について価格交渉ができるようになったのです。これによって医療コスト削減効果が期待できます。

②インフレペナルティ

これは、製薬会社が一般的なインフレ率を超えて医薬品価格を値上げした場合、ペナルティとして政府に一定額を支払わなければならない、というものです。

冒頭説明の通り、医薬品価格を不当に釣り上げて、暴利をむさぼる製薬会社を取り締まる目的で導入されたものです。

これは、自由な市場経済を重んじる米国の歴史上ではじめて、医薬品価格に政府規制が導入されたことを意味します。

こういった規制によって製薬会社の業績は悪化することが見込まれます。

5.雇用創出

米国内のクリーンエネルギー関連事業で600億ドル以上の投資がなされ、それによって百万人以上の雇用創出が期待されます。

6.環境問題対策

現在、環境汚染などの環境問題は社会的弱者に影響が集中しやすいとされており、環境不公正が問題になっています。

それを是正するために、環境汚染を一掃し、環境不公正を是正することを目的として、国が600億ドルを拠出します。

7.課税強化

最後に課税強化策として主に以下2つが導入されます。

①法人税の最低税率を15%に

今迄、巨大多国籍企業の海外所得に対する税率は10.5%であったり、税制の穴をついて不当に低い税率を享受している大企業が多数存在していました。

これを是正するために、最低税率15%が新設されました。

これにより税制の穴を塞ぐ目的があります。

②自社株買い課税1%

米国では2021年に120兆円の自社株買いが行われました。

自社株買いは配当と違って、税金支払いの先延ばしができるので米国では好んで使われる株主還元策です。

一方で、行き過ぎた株主還元により、企業が十分な投資や賃上げをしていないのではないかということが問題視されていました。

これを是正するために、今回米国史上初めて自社株買いに1%の課税がなされたのです。

今後、この税率が増やされていくのではということが危惧されています。

まとめ

  • インフレ抑制法案とは、バイデン政権の目玉法案であった”ビルドバックベター法案”の改訂版。
  • 予算規模は約4370億ドル(60兆円)。一方、課税強化などにより約7370億ドル(約100兆円)の歳入増を見込むため政府の財政赤字は改善。インフレ抑制効果あり。
  • 内容は、気候変動対策への巨額投資、ヘルスケアコスト抑制策、税制改革等。
  • メリットがありそうなのは巨額の予算が割り当てられるクリーンエネルギー関連企業、逆に逆風なのは薬価抑制策が導入された製薬会社。

インフレ抑制法案、という名前は選挙対策の建前感は正直ちょっとありますね。。。

個人的には「自社株買いへの課税」が結構気になるところ。昨年はやたらとFIREが話題になっていましたが、こういう政策変更リスクを考えると安易なFIREはちょっと危険かな?とも思いますね。

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