株式投資の方針

波乱の中に大統領選後のバブル相場の布石を見出せるか

東大グレアムです。

市場は大統領選を見据えて混迷を極めていますが、データからはバブル相場の到来が予想され、現在が絶好の買い場である可能性があります。

主要株価指数

S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)の年初来チャートです。

10月2日の市場はS&P 500が-0.96%、NASDAQ 100が-2.83%、RUSSELL 2000が+0.53%とハイテクが大幅に下落した一方で小型株は上昇しました。

S&P 500 Map

10月2日

10月2日はGAFAMやNvidia、Netflix等人気のハイテク株を中心に売られました。

1週間

しかし1週間単位で見るとこうしたハイテク株は大きく反発しており、逆にバクソンモービル等のエネルギー株の継続的な不調が目立ちます。

バクソンモービルに至っては、コロナショックの最安値に迫る勢いで連日下落を続けており、(ナンピンによって結果的に)集中投資している人たちの精神状態が心配ではあります。

彼らはもしかすると配当の表面利回りが2桁になったことを喜んでいる可能性もありますが。

貴金属

金先物(青線)、銀先物(オレンジ線)、プラチナ先物(緑線)の年初来チャートです。

貴金属は過熱していた8月を除いては実質金利やそれを反映したドルインデックスの写し鏡のような状態となっており、実質金利のバリュエーション調整で上下している株式市場とほとんど同じ動向です。

Gold vs. U.S. Real Yield

実質金利

9月21日以降の実質金利です。

最も満期が短い5年物の実質金利は9月25日まで上昇した後、方向の定まらない動きが続いています。

最も満期が長い30年物は金融緩和期待の後退でピークをつけた9月21日~22日からはやや下落し、短期側と同様に直近では方向の定まらない動きが続いています。

また、中間にあたる7年物~20年物の実質金利はほとんど変化していません。

ドルインデックス

ドルインデックスは短期実質金利の動きと呼応するように動いており、25日のピークからは下落しています。

インプライド・ボラティリティ

VIX(青線、右軸)とVXN(赤線、左軸)の年初来チャートです。

ナスダックオプション市場の活況を背景に、VIXに対してVXNは歴史的に割高な水準が継続しています。

NASDAQ 100-S&P 500 Volatility Ratio at Peak Levels

VVIX(VIX of VIX)

VIXのVIXであるVVIXを見ると、直近では上昇しているものの、9月30日には96近辺まで下落するなど、コロナショックが起こった2月19日の水準まで下落しています。

これは、VIXが20を超える高い水準が継続しているものの、予測されている変動はそれほど大きくはなく、高い水準で安定という不思議な状態にあることが分かります。

ボラティリティ・スキュー

100-10×スキュー(歪度)として定義されるCBOEボラティリティ・スキュー指数(Skew)はコロナショックのボトムとなった3月末付近まで下落しました。

ボラティリティ・スキューは相場過熱に対する投資家の懸念を把握して逆張り指標として活用できます。

実際、コロナショックではボラティリティ・スキューが年初来で最も高くなった2月19日に株式をすべて売却し、同指数がボトムをつけた3月18日にタイミング投資をすれば半年で莫大な利益を上げることができました。

さらに、直近では8月24日がピークとなっていますので、同様の動きをすれば9月の下落も回避できたことになります。

現在コロナショックのボトム付近にあり、近くボラティリティ・スキューがボトムをつけるだろうと想定されるので、絶好の買い場が到来する可能性があります

※スキュー=プットオプションのIVーコールオプションのIV

IV:インプライド・ボラティリティ

スキューが負になると下落方向に分布が厚くなるので、スキュー指数が上昇することは暴落する可能性を投資家が高く見積もっていることを意味します。

ポジショニング

S&P 500先物

CFTC S&P 500 speculative net positions

NASDAQ 100先物

CFTC Nasdaq 100 speculative net positions

S&P 500先物のポジションがプラスであるのに対して、NASDAQ 100先物のポジションはリーマンショック以来の大幅なマイナスです。

これは投機筋が大統領選の混乱を狙って大量のナスダックショートを仕掛けているものと思われます。

忘れてはならないのはショートした先物はロールオーバーしない限りは買い戻さなければならず、大統領選の混乱を狙ったものだとすればこの水準のショートポジションを延々とロールオーバーすることは考えられないので、期近の満期日である12月18日までにはポジションを解消するだろうと見込まれることです。

とすれば、年内に大きな買い圧力が発生することが想定されるので、ハイテク株はボラティリティが高く乱高下する不安定な状態が継続するものの、後から振り返ってみれば大きく上昇していた、という展開になる可能性が高いです。

IPO件数がドットコムバブル以来の高水準

米国のIPO市場はドットコムバブル以来、最も取引数の多い第3四半期を迎え、81のIPOが285億ドルを調達する予定でした。 大きな取引量といくつかの大規模な取引が組み合わさった結果、四半期ベースの取引量では過去6年間で最大となりました。 IPOのパフォーマンスは引き続き堅調で、初日の平均上昇率は39%でした。また、ルネッサンスIPOインデックスは急速な上昇を続け、S&P 500の6%と比較して27%上昇しました。

3Q20 US Review

IPO市場の過熱はバブル相場の典型的な現象です。

PSRマルチプル100倍を超える馬鹿げた価格水準で取引開始となったSnowflakeが代表的でしょう。

バブルというのはその中にいるときには気づかず、後になってから分かるものです。

それを理解したうえでバブル相場での投機的な上昇を狙って投資するのはありだと思いますが、長期的に見れば、このような法外な値段を支払って購入したものが、その値段に見合わないものであることに気づくことになるだろうと予想しています。

※Snowflakeについては、高い売上高成長率であることは事実なので、IPO後最低2回の決算発表を経て、将来の成長期待込みであれバリュエーションが適切な水準となったことが確認できれば、投資する価値はあるのかもしれません。

プロパガンダを相場に持ち込んではならない

前回の選挙を振り返ると、自身のコスモポリタン的なプロパガンダを過度に重視し、その思想と反するトランプ氏の当選で米国株市場が大暴落すると根拠のない妄信をして米国株を空売りしたジョージ・ソロス氏は莫大な損失を被りました

Billionaire George Soros Lost Nearly $1 Billion in Weeks After Trump Election

今回も投機筋は大統領選挙での政治的混乱を狙ってナスダックをショートしているようですが、安易なストーリーであり”大多数が儲かるポジションなど存在しない”ことを考えれば、彼らの期待外れに終わる公算が大きいと考えます。

経済政策の行動規範において共和党が民主党より優れているという推定は、長年語り継がれた神話だが、是正されなければならない。1997年の著書『政治サイクルとマクロ経済学』で偉大な故アルベルトと私は、民主党政権は、共和党の大統領よりも速い成長、低い失業率、そして強い株式市場を主宰する傾向があることを示した。

Why Biden Is Better Than Trump for the Economy

プロパガンダや政治的妄信による投資は破滅的な結果をもたらす可能性が高く、投資家はデータに基づいた事実を直視するべきでしょう。

まとめ

・ナスダックオプション市場の活況を背景に、VIXに対してVXNは歴史的に割高な水準が継続している。

・VIXは20を超える高い水準が継続しているものの、予測されている変動はそれほど大きくはなく、高い水準で安定している。

・ボラティリティ・スキューは現在コロナショックのボトム付近にあり、近くボトムをつけるだろうと想定されるので、絶好の買い場が到来する可能性がある。

・投機筋が大統領選の混乱を狙って大量のナスダックショートを仕掛けているが、満期日である12月18日までにはポジションを解消するだろうと見込まれることから、年内に大きな買い圧力が発生することが想定される。

・米国のIPO市場はドットコムバブル以来で最も取引数の多い第3四半期となった。IPO市場の過熱はバブル相場の幕開けを告げる典型的な現象である。

・プロパガンダや政治的妄信による投資は破滅的な結果をもたらす可能性が高く、投資家はデータに基づいた事実を直視するべきである。

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東大グレアム
東大バフェットの大学時代の親友。主に経済的側面からの短期・中期動向や投資スタイルを解説する。類まれなる頭脳と研究能力で東大バフェットを支える最強のブレーン。
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POSTED COMMENT

  1. アバター コスモ より:

    勉強になります。

    > しかし1週間単位で見るとこうしたハイテク株は大きく反発しており、逆にバクソンモービル等のエネルギー株の継続的な不調が目立ちます。

    コロナはインターネットを介して感染しないというとても大きなアドバンテージとハイテク株の稼ぐ力が評価されているという状態ですかね。
    コロナが収まってきた時に剥落する折り込み分がないかは気になっているところです。
    逆にエネルギー株は実体経済の好調・不調をもろに直撃していて、直近どころかそれ以上の低迷がしないかが不安視されていそうです。

    > PSRマルチプル100倍を超える馬鹿げた価格水準で取引開始となったSnowflakeが代表的でしょう。

    Snowflakeは確かに馬鹿げたバリュエーションですが、The rule of 40の存在がその馬鹿げたバリュエーションの高さをある程度正当化してしまうのも事実としてありますね。成長率が高ければ高いほど赤字が許容されてしまうので。

    ちなみに、僕自身はSnowflakeには注目していませんが直近のIPOではUnity Technologies(U)に注目しています。
    ゲームエンジン事業が主力なのですが、課金モデルがサブスクリプション制なのでいわゆるストック型ビジネスモデルなため決算の数字が良ければ少額投資してみようかなと思っています。
    https://blogs.unity3d.com/jp/2019/10/17/pricing-for-unity-pro-and-plus-subscriptions-to-change-on-january-1-2020
    にもあるように、10万ドル以上の収益は通常の売れているゲーム会社であれば立っているのが普通なので、薄く広く獲るビジネスモデルですね。

    ゲーム業界の端くれでいたこともあり、Unityというゲームエンジンは日本の3Dモバイルゲームではほぼこの技術に固まったということで少しばかり注目しています。

    また、PlayStation 4やNintendo SwitchやiOS、Androidのストアに同時にゲームが配信されるようになった裏方としてこのゲームエンジンの存在がありますね。
    ほとんど出力する設定を変えるだけでパブリッシュできます。
    もちろん課金系に関してはC# ScriptとAndroid Java/Kotlin, iOS Objective-C/Swiftなどへの言語バインディングを書く必要はありますが。(そういう風味の仕事をしていた時期もあります)

    • 東大グレアム 東大グレアム より:

      過去のコメント含め返信できておらず申し訳ございません。

      Unityに関しては、私もウォッチは続けようと考えています。
      今までのIPO銘柄を見ると、良い銘柄は1年経って投資しても十分その後のリターンがあることが分かったので、何度か決算を見てから判断しようと思っています。

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