東大ぱふぇっとです。
今回は金利について説明したいと思います。
今までも株価や貴金属価格の予測の際に実質金利や期待インフレ率などに触れてきましたが、一口に”金利”といっても様々な種類があり、混同しやすいようですのでまとめてみました。
中央銀行
連邦準備制度
アメリカの中央銀行はFederal Reserve(連邦準備制度、Fed)です。
中央銀行とは、州または正式な通貨同盟の通貨と金融政策を管理し、その商業銀行システムを監督する機関です。
Fedの役割
Fedは全国の主要都市に散在する連邦準備銀行(Federal Reserve Bank、FRB)を統括しています。
連邦準備制度理事会は連邦議会の下にある政府機関ですが、予算の割当や人事の干渉を受けない独立した機関です。
米国経済における雇用の最大化、価格の安定化、長期金利の緩和を促進するために、国の金融政策を実施しています。
Board of Governors of the Federal Reserve System
政策金利
政策金利とは
政策金利とは、Effective Federal Funds Rate(FF Rate)を指します。
米国の民間銀行は、連邦準備制度に一定の準備預金を預け入れることが義務付けられており、その資金を短期金融市場で調達する際の金利が政策金利(FF Rate)で、Fedの金融政策で決定されます。
政策金利の推移
FOMCと公開市場操作
連邦資金の目標レートは、通常約7週間おきに年に8回開催される連邦公開市場委員会のメンバーの会議(Federal Open Market Committee、FOMC)によって決定されます。
委員会は、追加の会議を開催し、通常のスケジュールの外で目標レートの変更を実施することもできます。
Fedは公開市場操作を使用して、連邦資金の実効レートを連邦資金の目標レートに追従させます。
ドットプロット
Fed’s Brainard Says Time to Pivot to Providing Accommodation
ドットプロット(ドットチャート)はFOMC終了後に公表される政策金利見通しのことです。
これはFOMC参加者による将来のFF Rate予測を点で示したチャートです。
指標としての政策金利
FF Rateは、米国の金融市場における中心的な金利です。これは、銀行が顧客に高い信用格付けを課す金利であるプライムレートなどの他の金利に影響を与えます。
さらにFF Rateは、住宅ローン・ローン・貯蓄などの長期金利に間接的に影響します。
長期金利
長期金利とは
長期金利とは、一般的には10年満期国債の市場での流通利回りを指します。
長期金利の推移
10-Year Treasury Constant Maturity Rate
Fedのコントロール
最近Fedは10年国債の利回りも制御する意向を見せています。
実際にコロナショック以後の10年国債の利回りは、0.6~0.7付近でほぼ横ばいとなっています。
Fedはイールドカーブコントロールを正式には認めてはいませんが、これはFedのコントロールを示唆するものです。
超長期国債
超長期国債は、国が発行する国債のうち、元本を償還するまでの期間が10年を超えるものをいいます。
具体的には、20年国債や30年国債が該当します。
20年国債の利回り
20-Year Treasury Constant Maturity Rate
30年国債の利回り
30-Year Treasury Constant Maturity Rate
超長期国債の利回りを制御することは、Fedのバランシートがより長期に渡って固定化されることを意味するので、10年以下の国債の利回りをコントロールすることよりもハードルが高いと考えられます。
よって超長期国債の利回りは、市場参加者の意向がより素直に反映された指標とみなすことができると考えられ、イールドカーブコントロールによって10年国債が指標としての利用価値が低下することになれば、こうした超長期国債の利回りの重要性が上昇する可能性があります。
対照的に、30年国債のIVは、以前よりも大幅に高くなっています。これは、オプション投資家がFedは10年以下の国債利回りをコントロールできると考えている一方で、30年国債の利回りまでコントロールできるかについては疑問だと考えていることを示しています。
コロナショックの財政出動に伴う米国の財政赤字がGDPの5%~20%を超える水準に膨れ上がることが想定されるため、QEでの国債の購入は、市場に放出される莫大な供給を吸収しきれないと考えられているのです。
株式市場のリバウンドの大部分は、長期債券利回りの急落が原因であり、これによって将来の配当、収益、およびその他のキャッシュフローの正味現在価値(NAV)が上昇しました。債券利回りの全体的な低下により、株式やその他の投資に比べて債券の魅力が低下しています。仮に30年国債の利回りが急上昇した場合、株式の上昇を支えてきた要因が崩れる可能性があります。
実質金利
実質金利とは
Daily Treasury Real Yield Curve Rates
実質金利は、物価連動国債(Treasury Inflation Protected Securities、TIPS)の市場利回りのことです。
物価連動国債の利回りの推移
10-Year Treasury Inflation-Indexed Security, Constant Maturity
これは10年満期の物価連動国債の利回りですが、超長期の物価連動国債も存在します(10年未満も当然存在します)。
20-Year Treasury Inflation-Indexed Security, Constant Maturity
30-Year Treasury Inflation-Indexed Security, Constant Maturity
物価連動債とは
物価連動債(インフレ連動債)は、物価上昇率(インフレ率)に応じて、元本が調整される債券です。
通常の固定利付債の場合、元本とクーポン利率は固定であり、利払い額および償還額は変動しないため、物価が上昇すれば、実質ベースでみた(物価上昇分を割り引いた実質的な)債券の価値は低下してしまいます。
一方、物価連動債の場合、クーポン利率は固定であるものの、物価上昇に連動して元本が増加するため、利払い額や償還額が増加します。従って物価連動債は、インフレがおきても実質的な価値が低下しない債券、といえます。
期待インフレ率
期待インフレ率とは
期待インフレ率(ブレーク・イーブン・インフレ率)は、10年国債と10年物価連動国債から導出される予想インフレの測定値を表します。 この値は市場参加者の今後10年間の平均インフレ率の予想を意味します。
期待インフレ率の推移
これは10年の期待インフレ率ですが、先ほどと同様、より10年未満や10年を超える年限のものも存在しています。
リスクプレミアムを考慮するとやや複雑になりますが、実際の運用にあたっては
ブレーク・イーブン・インフレ率≒期待インフレ率
として考えて問題はないです。
より詳しい説明が知りたい方は以下リンクに記載があります。
フィッシャー方程式
ブレーク・イーブン・インフレ率≒期待インフレ率とした場合、以下のフィッシャー方程式が成立します。
名目金利=実質金利+期待インフレ率
これは貴金属の上昇予測の際にも根拠としていたものですね。
思い返せば、”これからよろしくお願いします”とか言っている、最初の記事でこれを書いていたんですよね。
今までの記事はほとんど金利(とマネーサプライ)の話しかしてないですね。そのくらい市場予測には重要だということです。
これのおかげで貴金属デリバティブで数百万円以上儲かりましたし、勉強も悪いものではないと思います。
まとめ
長ったらしくなりましたが、簡潔にまとめると以下です。
・政策金利は準備預金の調整の際に銀行間取引で使用されるもので、Fedが決める
・長期金利は10年国債の利回りで市場が決める
・実質金利は10年物価連動国債の利回りで市場が決める
・期待インフレ率は10年国債と10年物価連動国債の利回りの差で、市場が決める
相場予測noteを無料お試しできるキャンペーン!
- 相場当てまくりの相場予測noteを無料で読める!
- 秘密の爆益銘柄を無料でチェックできる!
- 紙書籍が郵送されてくる!
- 総額1万円相当を無料でプレゼント!
超豪華な特別キャンペーンをIG証券様が実現してくれました!
- 私の相場予測を無料で読める!
- 総額1万円相当のプレゼントを無料でゲットできる!
IG証券でしか取り扱っていない投資対象が山ほど存在するため、私のように幅広い投資対象へ投資するなら必須の口座ですね!私自身もIG証券を利用しています!
秘密の爆益銘柄も公開中!
ブログの記事は全て無料で読めますが、相場予測noteに関しては有料記事となっています。
予言書とか言われちゃうレベル!?
驚異の的中率!爆益銘柄の公開!
別格すぎる相場予測を公開中!