東大グレアムです。
小型株が大型株をアウトパフォームする”小型株効果”が知られています。
リーマンショック以降のパフォーマンスを調べ、それが現在でも有効かどうかを調べました。また、何故そのような結果になったかについても考察しています。
質問
QQQ/VGT/VIGを組み合わせるポートフォリオを提案した以下記事に対して、
リクエストをいただきましたので回答したいと思います。
QQQ、VGTの大型と小型ETFのパフォーマンスにも賭けたいのでIJRを検討しています。
東大ぱふぇっとさんの小型ETFへの考えを記事にして欲しいです。
S&P600よりもRUSSELL2000連動を推奨
IJRはハイテク個別株とは別物
まず、QQQとVGTの小型株とIJRは別物です。参考にしているインデックスが異なるためです。
QQQはナスダック取引所に上場している上位100社の時価総額加重平均インデックス、VGTはMSCIの情報技術セクターインデックスに連動するETFです。
IJRとは、S&P SmallCap 600 Index (S&P 600) に連動するETFです。
これは特に取引所やセクターを分けているわけではないですね。
IJRよりもIWMを推奨
また、仮に米国の小型株に投資する場合でも、IJRではなく、IWMに投資したほうがよいと考えます。理由は流動性です。
IJRとは、S&P SmallCap 600 Index (S&P 600) に連動するETFです。
S&P SmallCap 600 Indexはあまり一般的でなく、ベンチマークとして用いられていません。
一般的な小型株指数として、RUSSELL2000インデックスがあり、これに連動するETFがIWMです。
インデックス投資をする一番の意義は、投資対象の流動性が高いことです。
流動性が十分に多くないと、効率的な値付けがされません。
指数の流動性の大半は、先物取引が確保していることに注意する必要があります。
例えばS&P500インデックスの流動性は以下の表のようになっています。
よく話題になるVOOも、日中平均売買代金は先物のESの0.14%しかありません。
データは2014年ですが、先物を含むデリバティブは年々拡大しており、現在では流動性の観点における先物取引の重要性はさらに高まってきています。
概要:先物とETFのコスト比較より引用
実際に小型株インデックスの先物の取引ボリュームを見てみましょう。
E-mini S&P 600 SmallCap Volume
E-mini Russell 2000 Index Volume
RUSSELL2000インデックスの先物の取引ボリュームの方が、圧倒的に多いことが分かります。
よって、以後はRUSSELL2000インデックス連動ETFである、IWMに投資をする前提とします。
コロナショック以降のパフォーマンス比較
直近3か月のチャートです。
市場が下落を始めたのが2月19日でしたので、コロナショック以降のパフォーマンスとなります。
青線がRUSSELL2000インデックス、赤線がS&P500インデックス、オレンジ線がナスダック100インデックスを表しています。
チャートを見ると、RUSSELL2000は3月23日の大底までの下落率が一番多いことが分かります。
その後はFedの債務救済によって、バランスシートが脆弱な企業が多い小型株が主に救われる形となったため、反発の幅自体は大型株で構成されているS&P500よりも大きいです。
しかし、3ヵ月の全体でみると、RUSSELL2000のパフォーマンスは、S&P500よりもはるかに悪いです。さらに下落幅が小さく回復も早かったナスダック100には大きく引き離されています。
過去10年のパフォーマンス比較
対象期間は過去10年、2010年1月~2020年4月です。
ポートフォリオ構成
1がRUSSELL2000、2がS&P500、3がナスダック100です。
リターン
用語の説明は以下の記事にあります。
年次リターン
結果は、明らかに小型株の過去10年のパフォーマンスは悪いですね。
メガテックの圧倒
2018年のデータですが、GAFAMが282の他の企業の時価総額より大きくなっています。
コロナショックでさらに差が開きました。
One chart puts mega tech’s trillions of market value into eye-popping perspective
S&P500やナスダック100インデックスに投資をしている場合も、実は時価総額上位のメガテック企業に集中投資をしていることは覚えておいたほうが良いでしょう。
大型株vs小型株
FANG Stocks Are Masking a Whole Slew of the Market’s Internal Problems
NASDAQ内で比較しても、大型株のパフォーマンスが圧倒しています。
時価総額加重平均vs均等加重平均
青い線がS&P500の均等加重平均、オレンジの線が時価総額加重平均です。
直近5年間のS&P500の成長は、大型株のパフォーマンスに支えられてきたことが分かります。
結論
歴史を見ると小型株が優勢の時代もありましたが、リーマンショック以降の小型株のパフォーマンスは、大型株のパフォーマンスと比較して非常に悪いです。
これには以下のような理由が考えられます。
インデックス投資の普及
個人投資家・機関投資家共にパッシブ運用が増加したため、主要な指数(S&P500やナスダック100)に組み込まれている時価総額上位の企業の株価がより上がりやすくなった。
低金利政策による影響
低金利政策により、財務状態の悪い(主に中小)企業が存続し続ける。
これが、小型株インデックスのパフォーマンスを悪化させる。
小型株投資をするなら
先ほども述べた通り、現在において市場平均インデックス投資の実態は、メガテック企業への集中投資なのです。
本ブログは、インデックス投資(=メガテック企業への集中投資)を推奨していますが、小型株に投資する場合には、個別株投資を推奨します。
理由は、低金利で企業が選別されにくくなっている環境下においては、適切な企業分析をして、業界内での立ち位置や財務状況、今後の成長性を見極めていく必要があるからです。
また、小型株は金融環境の変化を受けやすいため、グローバルマクロデータにも注意を払って投資タイミングを見極める必要があります。
しかし投資のプロでない限り、適切な投資対象の選定と投資タイミングの見極めは困難であるため、一般に勧めることはしません。
まとめ
・リーマンショック以降の小型株のパフォーマンスは悪い
・インデックス投資の実態はメガテック企業への集中投資
・小型株に投資する場合は、適切な企業分析をしたうえでの個別株投資を推奨する
・小型株は金融環境の変化にも脆弱であるため、グローバルマクロデータを注視して投資タイミングを見極める必要がある
・小型株への投資は企業分析や投資タイミングの判断が難しいため、投資のプロ以外はやらない方が賢明と考えられる
大型派の方は是非投票クリックお願いしますね♪
小型派の人も応援投票お願いします!
・・・?なにが小型?
私が…中型…??
相場予測noteを無料お試しできるキャンペーン!
- 相場当てまくりの相場予測noteを無料で読める!
- 秘密の爆益銘柄を無料でチェックできる!
- 紙書籍が郵送されてくる!
- 総額1万円相当を無料でプレゼント!
超豪華な特別キャンペーンをIG証券様が実現してくれました!
- 私の相場予測を無料で読める!
- 総額1万円相当のプレゼントを無料でゲットできる!
IG証券でしか取り扱っていない投資対象が山ほど存在するため、私のように幅広い投資対象へ投資するなら必須の口座ですね!私自身もIG証券を利用しています!
秘密の爆益銘柄も公開中!
ブログの記事は全て無料で読めますが、相場予測noteに関しては有料記事となっています。
予言書とか言われちゃうレベル!?
驚異の的中率!爆益銘柄の公開!
別格すぎる相場予測を公開中!