コロナショック

原油価格が暴落したのにエクソンモービルが暴騰した理由

東大グレアムです。

4月17日の市場では奇妙な現象が起きました。

原油価格の暴落と産油企業株の暴騰です。

短期的な市場の値動きに正確に理由を付与するのは困難なのですが、考えられることをシェアしたいと思います。

東大グレアム
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他にもこんな要因が考えられるよ、という方がいましたら、コメント欄にて情報共有していただけるとありがたいです!!

ちなみに、私が原油やGOLDなどのコモディティの動向を追っているのは、それが実体経済や金融市場の指標になるからですね。

他にも銅・プラチナ・小麦・砂糖などを見ていますが、原油とGOLDが株式との相関がより大きいと考えているので、この2つを中心的に見ています。

原油価格の暴落とエクソンモービルの暴騰

青の線がエクソンモービルの株価、赤の線が原油価格です。

4月17日はなんと、エクソンモービルの株価が10%以上も上昇しました。また、シェブロンなどの他の産油企業株も上昇しています。

一方で原油価格は真逆に動いていることが分かります。18ドル/バレルを割り込み、1999年以降の安値を更新しました。

3ヶ月チャート

3ヶ月チャートでは大底となった3月23日までは、おおよそ原油価格とエクソンモービルの株価は連動しています。

それ以降はマネーサプライの増加から株式市場が上昇に転じたため、エクソンモービルの株価も同様に上昇に転じています。

一方で原油価格は4月上旬に一時的に減産合意から上昇したものの、実体経済の需要減少に沿う形で下落傾向が続いています。

実体経済の先行指標であり金融緩和の影響を受ける株価と、実体経済の一致指数の原油価格が乖離していることになりますね。

他のセクターの状況も見てみましょう。

S&P500 MAP

4月17日は金融・航空・資本財・ヘルスケアセクターがエネルギーセクター同様に大きく上昇したことが分かります。

アメリカの新規感染者数

アメリカの新規感染者数はピークアウトした可能性が高いでしょう。

経済再開の期待を織り込み

経済再開の期待を織り込んだこと※から、金融・航空・資本財・ヘルスケア・エネルギーセクターが大きく上昇した可能性が高そうです。

・新規感染者数のピークアウト

・コロナウイルスに有効な新薬開発の可能性※1

・大統領の経済再開のためのガイドライン発表※2

金融・航空・資本財・エネルギーセクターは特にロックダウンの影響を大きく受けるセクターのため、コロナショックで市場をアンダーパフォームしていた分、経済再開の期待織り込みで大きく反発したといえそうです※3。

ヘルスケアセクターはコロナショックによって恩恵を受ける企業が多いです。

一方でコロナショックで影響を受けにくいハイテクセクターは既に下落が始まる前の1月の水準まで戻していたため、大きくは上昇しませんでした。

※1ギリアドサイエンシズのレムデジビルがCOVID-19の重症例に対して有効性を示しました。

※2トランプ大統領は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて制限している経済活動について、今後数カ月間で再開するためのガイドラインを発表しました。この内容を基に、各州知事の判断で段階的に緩和を進めていくとのことです。

※3経済再開への期待感からか、安全資産であるGOLDは-2%の大幅な下落となりました。

原油先物価格のコンタンゴ

Oil market in ‘super contango’ underlines storage fears as coronavirus destroys crude demandより抜粋

原油先物価格のチャートです。コロナショックによる原油需要の激減が本格化する以前は、どの限月の先物の価格もほぼ同様で推移しています。

VIXがピークを付けた3月18日以降、期先の先物の方が価格が高くなる方向で各限月の先物の価格が乖離していることが分かります。これをコンタンゴといいます。

この乖離の拡大は、原油の保管コストの上昇を示しています。陸上の原油保管庫の容量が一杯になったため、はるかに保管コストの高い海上の保管庫を使用せざるを得なくなったためです。

原油価格は最悪を織り込んだのか

株価は実体経済の先行指標であり、投資家の期待によって動いています。同様に原油先物価格も実体経済の一致指標とは言われているものの、投資家の期待によって動いています。

陸上の原油保管庫の容量が一杯になったことで、保管コストの高い海上の保管庫を使用せざるを得なくなったことは、近いうちにこれ以上原油を保管することができなくなることを意味し、これは即ち原油在庫のピークを表します。

原油価格は原油在庫のピーク、即ち最悪の状況を織り込みつつある可能性があります。

そして最悪とは、それ以上悪くならないことを意味します。

最悪の原油価格を市場が織り込んだため、産油企業株が大きく上昇した可能性もありそうです。

今後の市場動向の予測

S&P500のチャート

出来高は2月19日以降のSell Offから急増し、2月28日に一旦のピークをつけています。出来高の減少を伴う一旦の上昇の後、3月9日以降に出来高の増加を伴いつつ一直線に3月23日まで下落しました。

2月28日と3月9日は共に2850付近です。

市場の期待は過剰か

私は市場の経済再開の織り込みはやや楽観的すぎるのではないかと考えています。

再開したとしても収入の一部がコロナショックで増えた債務の支払いに充てられることから、GDPの戻りは市場の想定よりも遅れる可能性があると考えています。

株式市場が上昇した要因

3月23日以降に株式市場が大きく上昇した要因として、Fedの金融緩和による直接の影響以外にも、以下を考えています。

・Fedのマネーサプライ拡大による通貨価値の下落がほぼ確実に起きることから、フィクストインカム(債券)から資金が逃避。インフレに対抗できる株式や不動産、GOLDに資産を移さざるを得なかった。

・2月19日以降のSell Offから市場が積み増したショートがカバーされた。

一直線の下落が始まった価格や取引量から、ショートの開始価格の多くが2850付近であると考えると、4月17日の上昇により、既にその水準までは回復しました。

ショートカバーが減少する分、これ以降の回復はより緩やかになるか、反落する可能性が高いと考えています。

ガンドラックによれば、コロナショックによるGDP減少の観点からみても、株式市場は下落が始まる前の2月19日のバリュエーションまで上昇したと言えるそうです。

Fedの流動性供給期待に支えられている相場ですが、それがどこまで続くかが焦点となりますね。

まとめ

・4月17日の市場は原油価格が大きく下落する一方で、産油企業株は大きく上昇した。

・経済再開の期待を織り込んだことから、ロックダウンの影響を大きく受けるセクターの株が大幅に反発した。

・原油先物は原油在庫のピークを織り込みつつある。

・最悪とは、それ以上悪くならないことを意味する。

・以降の株式市場はより緩やかな上昇となるか、反落する可能性が高い。

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東大グレアム
東大バフェットの大学時代の親友。主に経済的側面からの短期・中期動向や投資スタイルを解説する。類まれなる頭脳と研究能力で東大バフェットを支える最強のブレーン。
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