質問
昔は「東大・朝日・岩波」といえば知識人の3点セットだったと思うんですが、なぜ朝日と岩波は凋落してしまったのでしょうか?
回答
だって、朝日も岩波もつまんないんだもの。
朝日新聞は一応取っていますが、とにかく読むところがなくなりました。夕刊なんて、ペラペラの上に「ニュース」が載っていない。目につくのは、論説委員が自分の思想を押し付けるような論説記事。昔の朝日の社会面には、「これはちょっと真似できないわ。同業者として妬ましい」と思うような囲み記事があったものですが、最近ではそんな記事を見かけることもなくなりました。
僕は朝日の入社試験を受験した経験があるのですが、先輩記者も出席して行なうグループ討論では、かなり思想的なテーマが取り上げられ、記者の方から「君はどう考える」というツッコミがありました。「ちょっとした踏み絵だな」と感じたものです。幸い内定を取ったのですが、その経験が嫌で辞退することにしました。結果として朝日に就職したのは、いかにも朝日向きだな、と周囲からも思われていた人たちだったです。朝日カラーが再生産されていたのですね。
朝日的左派思想が時代にマッチしていた時代はそれで通用したのですが、時代は変わりました。主要新聞社は軒並み部数激減に直面したのですが、朝日のそれは一際でした。その時、朝日が取った戦略は、自分たちが考えるコアな読者のため、その主張を先鋭化させることではなかったか、と僕は睨んでいます。一方、大量に編集委員を抱える余裕はなくなり、名文を書いていた彼らをリストラしてしまいました。そのあたりからですね、朝日がつまらなくなったのは。もはや朝日をクオリティペーパーだと思っているのは、自分たちと朝日系文化人の方々だけなのではないでしょうか。
岩波書店の凋落もそれにちょっと似ています。僕らが大学生の頃、それなりの学生が「世界」や「思想」を読んでいることは、当たり前の話でした。右も左も毎月発売されるのを待っては、それをベースに討論したものです。世界や思想に記事を掲載されることは、文化人にとって名誉なことであり、大物の論客たちがこぞって投稿しました。それが岩波新書などの形で書籍化されるのですから、面白くないわけがありません。古い岩波新書は今でも面白いものがたくさんあります。
岩波の失敗の一つは、同社が殿様商売を続けたということだと思います。同社は全盛期から委託制ではなく「買取制を取っており、一般の書店からは嫌われていました。でも、売れるから、取り扱わざる得なかったのです。出版不況で書店経営が苦しくなると、そんなことは言っていられなくなりました。岩波の雑誌や書籍は一部の大型書店でしか置かれていないといった状況になっています。部数減が影響力の低下を招く、そんな悪循環に陥っています。
内部的な問題もあります。一つは編集者の高齢化です。古参の編集者が昔の感覚で本を手掛け続ける、そんな状況にあるようです。編集長が一番の若年者という編集部もあると聞きます。僕は岩波ではない、とある老舗文芸出版社の仕事を手伝ったことがあるのですが、そこも老害は由々しい問題でした。昼頃からベテラン編集者たちが出勤してきては自分の知識的な経験談に関する雑談に興じていたんです。それはそれで教養色豊かで貴重な経験でしたが、編集部の閉塞感は半端なものではなかったです。僕はその出版社から入社しないか誘われたんですが、あまりに将来性が感じられなかったので、お断りしました。今、その会社は文化人が夜になると集うことで知られた本社も売り払い、逼塞しています。今の岩波は、同様の状況にあると想像しています。
では、新陳代謝は行われているのか? 残念ながら、僕の答えはノーです。幾多の名編集者を生み出してきた同社ですが、その系譜を受け継ぐような方を、僕は寡聞にして知りません。時代を先取りする企画力に欠け、岩波新書などの新刊の質はどんどん低下しているように感じます。
さらに絶望的なのは、同社の新卒採用方針です。出版社は相当の大手でも新卒採用は極めて少数です。その割に人気が高い。入社の難度は、新聞社やテレビ局と比較にならないんです。同社の就職市場における人気はまだまだ高いですから、優秀な新人を取るチャンスがあるわけです。ところが同社は採用を縁故採用中心にする方針を打ち出しています。
元々、同社には縁故採用を重視する傾向がありました。僕の友人に岩波に入ったやつが1人いるんですが、彼はとある文豪の孫でした。版権と引き換えに彼の身柄を引き受けたんですよね。現在はそれをさらに極端に進めているようです。高齢化が進む編集部に、センスのある若手を積極的に採用しようとしない。これでは面白くてワクワクする出版物が出なくなるのも当然でしょう。
両社ともかつての栄光にあぐらをかき、時代の変化に合わせた舵取りを怠った結果だと僕は思います。完全な経営判断ミスじゃないでしょうか。両社の栄光時代を知り、学ぶことが多かった僕としては、両社の現状を見るのは、残念でなりません。
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