質問
金利についてなのですが、
短期金利が高いことが経済に与えるダメージと
長期金利が高いことが経済に与えるダメージは
またそれぞれ異なるものなのでしょうか。
回答
短期金利と長期金利の動きは相関するので、どちらか一方が高いのに一方が低い状態は考えにくいです。長短金利を期間の長さと利回りでプロットしたものが「イールドカーブ」と呼ばれるもので、これは通常期間が長いほど高い緩やかな右肩上がり(順イールド)を形成します。このイールドカーブを見るのが重要です。
その上であえて言えば、ポイントは両者の特性の違いーー経済に影響を与えるメカニズムの違いです。
短期金利の代表的な指標は、日本であれば「無担保コール(オーバーナイト物)のコールレート」ですが、このコールレートこそが日銀が金融市場を調節する上での操作目標になります。つまり金融機関が日銀当座預金に預けて約定日の翌営業日に返済するという極めて短期の金利を上下させることで、金融機関の日銀当座預金の残高を増やしたり減らしたりして、金融市場に流れる資金の総量を増減させるわけです。
ですから日銀が無担保コールレートを上げる操作を行えば、金融機関が保有する資金が日銀に吸い上げられて、市中に流れる資金が減少する「金融引き締め」になります。適切なオペレーションであればいいですが、過度に引き上げれば、当然ですが市中に流れる資金は必要以上に減少して、景気をオーバーキルしてしまいます。
短期金利が長期金利よりも高くなる「逆イールド」は、一般的に「景気後退の予兆」とされるので、これを嫌気する投資家によってしばしば「株価の暴落」をもたらします。
一方、長期金利は一般的に「1年以上の貸借期間」の長さの貸借に付利される金利を指します。厳密に言えば1年以上が中期金利、10年が長期金利、それ以上を超長期金利と呼ぶ場合が多いです。長期金利の代表的な指標は、日本であれば「新発日本国債10年物利回り」です。この金利は短期金利の影響を受けて上下しますが、日銀はこの金利を直接操作する手段を持っていません。
この金利は日銀の操作よりも、むしろ「経済の動向や物価の動向に対する金融市場参加者の見通し」「日銀の金融政策に対する見通し」、そして「金融市場の需給関係」に大きなインパクトを受けます。別の回答で触れたのでそれをご参照いただきたいですが、「インフレの見通しであれば、長期で借金した方が得」という論理が働きます。これが長期金利が短期金利より高めになる理由です。
長期金利が市場参加者の自由意思で短期金利より高めになる「順イールド」は、望ましい状況なのであまり問題ありません。しかしあまりに長期金利が高くなる状況は「インフレが進む見通しを市場参加者が持っている」ということになります。目先は借金した方がますます得になるからです。
今回トランプさんが次期大統領になることが決まって長期金利が上昇したのは、インフレ再燃懸念があるからだとも言えます。
順イールドは良いことだと説明しましたが、短期金利を操作することで景気の実態よりさらに長期金利を上昇させてしまうと、借金をして何かで儲けようとするその利益額総額よりも、高金利で支払う利払い総額が上回ってしまう状態になります。
こうなると個人は住宅ローンを組んでまで住宅を購入しなくなりますし、企業は設備投資を控えるようになります。ですから景気も減退していきます。
またリスク資産である株式に投資するよりも安全資産である債券の方が割りがよいので選好されやすい。結果として株価が暴落しやすいです。
以上が短期金利、長期金利が実体経済にダメージを与えるメカニズムの説明です。いずれも適切な金利操作をせず過度な高金利を放置していた場合や、あるいは金利操作で金利を必要以上に上げてしまうケースです。
読んでいただけるとわかると思いますが、メカニズムは異なりますが、導き出される「答え」は、景気の減退であったり、株価の暴落であったりと一緒です。
ただ投資家は「予想して先回り」しますから、逆イールド現象が発生していると、これから来るであろう景気の減退を予想して、先回りしてリスクオフ行動に出ます。このためまだ実体経済に大きな影響が出ていなくても、先回りに株価が暴落するケースがしばしばあります。
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