カテゴリー
投資法・投資哲学

日本の証券取引所で消滅した証券取引所と、現存する取引所との違いはどのように考えられるでしょうか?

質問

現在の日本の証券取引所は東証、名証、札証、福証ですが、過去に存在していたが後に消滅した証券取引所と、現存する取引所との違いはどのように考えられるでしょうか?また、現在でも企業が複数の取引所に上場するケースが見られますが、その際のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

回答

まず、「規模の利益の追求」と「システム投資の負担軽減」から、地方証券取引所の経営統合は世界的な流れであることを触れておきます。

日本にはかつて、挙げられた3つ以外に、大阪、京都、神戸、新潟、広島に地方証券取引所が存在していました。規模的には東証に次いで大きかったのが、大阪証券取引所(大証)です。このうち早い時期に神戸が大証に吸収され、2000年に広島と新潟が東証に吸収され、翌2001年に京都が大証に吸収されています。その大証が2013年に東証と合併して日本取引所グループになったのが、現在の日本の証券取引所の構成です。

この合併はいわゆる「逆さ合併方式」で行われたので、子会社になった「株式会社大阪証券取引所」が親会社の「株式会社東京証券取引所グループ」を吸収合併したので、存続会社は実は「大阪証券取引所」の方です。これが「日本取引所グループ」に商号変更して今に至ります。

ただ大証に関しては、すべての現物取引を東証に移管しましたが、日本取引所グループ傘下のデリバティブ取引専門取引所「株式会社大阪取引所」という形で残っています。この結果、東証は現物取引では上場法人数ベースで世界3位の株式市場になった一方、大阪取引所は「総合取引所」というものになっています。これは東証のデリバティブ市場を大阪取引所に統合したのに加えて、日本取引所グループが2019年に買収した東京商品取引所の貴金属先物取引やオプション取引などを大阪取引所に移管したからです。

証券などの金融商品と商品(コモディティ)を一元的に扱う取引所を総合取引所と言い、例えばシカゴマーカンタイル取引所などが有名です。日本では安倍政権下の規制改革推進会議で総合取引所設置が促され、大阪取引所がその最初の総合取引所になりました。大証は名を捨てて実を取る生き残り方をしたと僕は思います。

現在残っている地方証券取引所は、名古屋、札幌、福岡の3ヶ所ですが、これらには共通点があります。それは自前の新興市場を持っているということです。名証ネクスト(旧セントレックス)、札幌アンビシャス、それに福岡Q-boardです。

このうち名証ネクストには確か現在17社が上場していますが、この市場の最大の特徴はとにかく上場基準が緩いことです。営業赤字はおろか債務超過でも上場できます。流通株式比率の規定もありません。事実上、規定と言えるのは、現在も「時価総額が3億円以上」とか「上場時の見込み株主数150人以上」といった程度。監査意見が「無限定適正」ならほぼ上場できるので、かつては緩い証券会社と緩い監査法人が名証セントレックスで企業をIPOさせるという時期もあったぐらいです。さすがに2008年には金融庁が「セントレックスへの上場審査に不備がある」として、名証に業務改善命令を出しています。

だから名証ネクストにはかなり危なっかしい銘柄もあって、実際、過去の上場企業には、名証2部や東証2部に鞍替えできた企業もありますが、上場廃止になったものも多いです。その分、投機的な値動きが楽しめるんですが、僕自身は名証ネクストの株はあまり触りたくありません。なお、札証アンビシャスや福証Q-Boardには、その取引所がある地方の企業という決まりがありますが、名証ネクストにはこれもありません。

このように現在の地方証券取引所には、東証グロース(旧東証マザーズ)にも上場しにくい企業(福証や札証の場合はその地方の新興企業)がIPOして、資金を調達するという機能が発生しています。これが東証とは合併しない最大の理由だと思います。

重複上場するにはいろいろ理由がありますが、僕の見る限り最大の理由は「その地域との繋がりを大切にしていることの象徴」です。例えば名証の一部市場である名証プレミアには、トヨタ自動車や豊田自動織機、デンソー、日本製鉄などのそうそうたる企業が名を連ねていますが、いずれも東海地域に事業所を構える企業であったり、東海地域発祥だったりします。これらの企業にとって、名証で上場するぞ意味がそれ以外にあるとは思えません。

中部電力や東邦瓦斯、名古屋鉄道、大垣共立銀行や名古屋銀行など東海地方の地銀、東海東京フィナンシャルHDなどは当然、名証プレミアに重複上場しています。松坂屋を傘下に持つJフロントリテイリングや、旧東海銀行が一部になっている三菱UFJが、名証プレミアに重複上場しているのも、このためだと思います。

面白いのは、東海銀行が三和銀行、ひいては三菱UFJに吸収され、店舗統合などを行ったことを面白く思っていないと言われる地元有力企業、名古屋財界への食い込みを図っていると言われる三井住友フィナンシャルが、やはり名証プレミアに重複上場していることです。一方、特にこうした足がかりがないみずほ銀行は名証に上場していません。

名証プレミアにはこうした趣旨の上場が多いと見られます。現在、名証には281社が上場していて、そのうちの175社がプレミアですが、名証プレミア単独上場は中部日本放送、岡谷鋼機、愛知電機の3銘柄のみです。

基本的にその地域の地方証券取引所に上場する理由は、現在は①その地域で事業展開してきた、ないし展開していきたい、②その地域での知名度をあげたい、信用をつけたい、③東証では上場コスト、上場維持コストが高過ぎるから地方証券取引所で十分である、④東証では埋没してしまう、いざという時の公募増資先として地元取引所を確保しておきたい、のいずれかだと思います。

プレミア単独上場は3社しかありませんが、中堅企業が上場する名証メイン市場は89社が上場している中で、単独上場が44社と約半分、名証ネクストは17社のうち実に14社が名証単独上場であるということが、これを如実に示していると思います。こうした事情は札証も福証も変わりありません。

相場予測noteを無料お試しできるキャンペーン!

  • 相場当てまくりの相場予測noteを無料で読める!
  • 秘密の爆益銘柄を無料でチェックできる!
  • 紙書籍が郵送されてくる!
  • 総額1万円相当を無料でプレゼント!

超豪華な特別キャンペーンをIG証券様が実現してくれました!

ダナハーちゃん
ダナハーちゃん
全部無料ですごい🐰❗
  • 私の相場予測を無料で読める!
  • 総額1万円相当のプレゼントを無料でゲットできる!
【見ないと損する!】無料で読める!非常に高い的中率の相場予測noteで爆益を掴み取ろう!【悪用厳禁】イナゴで爆益!大好評の相場予測! 先出しで相場予測を公開しているので、誰でも簡単に真似できます! 私は東大を卒業後、大企業に...

IG証券でしか取り扱っていない投資対象が山ほど存在するため、私のように幅広い投資対象へ投資するなら必須の口座ですね!私自身もIG証券を利用しています!

秘密の爆益銘柄も公開中!

ブログの記事は全て無料で読めますが、相場予測noteに関しては有料記事となっています。

ダナハーちゃん
ダナハーちゃん
無料記事でもすごいなら、有料記事はもっとすごい!
▼相場予測・神託note

予言書とか言われちゃうレベル!?
驚異の的中率!爆益銘柄の公開!
別格すぎる相場予測を公開中!

カテゴリー一覧
カテゴリー内人気記事