質問
どのようなやり方で絵画に対する見識を深められたのでしょうか。
誰か絵画や美術の師匠のような方に目利きのスキルを教えてもらえたのでしょうか。
回答
そもそも僕が妻を初デートで連れて行ったのが東京国立博物館で、そこで僕が展示を見終わった後、ティールームでその展示についていろいろ説明したのが始まりです。その後もデートで国立西洋から、根津や山種、ブリヂストン、出光、静嘉堂文庫などなど、たくさん美術館デートをして、そのたびに僕が蘊蓄を語ってきました。海外旅行でもこれは同様です。僕が妻を連れて行った美術館は優に500を超えるでしょう。そういう時、妻は「わからないことがあれば、僕が教えてくれるもの」と疑っていませんでした。
僕が美術品蒐集を始めたきっかけは、伯母です。僕の父はこういうものにまったく興味がない人でしたが、僕を可愛がってくれた伯母が裏千家の茶名紋許を受けたような茶道家で、良い茶室を構えて、そこでよくお茶会やお茶事を催していました。
そして伯母は茶道具のコレクションをしていたんですね。伯父が当時あった長者番付に名前が載るような人でした。だからその資産運用の意味も含めてものすごいコレクションを作ったんです。
そうなると伯母の家にはさまざまな美術商・骨董商が出入りするようになります。僕はよくこの伯母の家に遊びに行っていたんです。僕の回答によく出てくる「5歳年上の従姉妹」はその娘です。
こうやって伯母の家で遊んでいて美術商が来ると、伯母が僕と従姉妹に同席するように命じるんですが、従姉妹はさっさと自分の部屋に逃げ込みました。でも僕は逃げられないから同席することになります。小学生の頃でした。すると伯母が美術商が持って来たものの見立てをまず僕にやらせたんですね。茶碗が中心でしたが、茶道具や掛け軸、香炉など実にさまざまでした。
金に任せてのコレクションです。美術商が持ってきた楽茶碗初代の長次郎と品の良い奥高麗、それに魯山人を並べて、小学5年生に「りおぽんちゃんなら、次のお茶会にはどれがいいと思う?」と聞くんですから、今思えば無茶な話です。でも僕はそれを手に取って、口縁から胴、見込み、高台まで眺めて、「伯母さん、これが良いんじゃないかな」と選ばなくてはなりません。そのうち美術商も僕の関門を潜り抜けなければならないことがわかってきて、小学生に良いものの見分け方を一生懸命に教えてくれるようになりました。
そして僕が何か選ぶと「おぼっちゃまはお目が高い」と褒めてくれるんです。美術商なんて壮年から老年の男性ばかりですから、小学生がそう言われて悪い気はしません。それで興味を持って、自分でもあれこれ調べてみるようになりました。伯母のところには、さまざまな美術書が洋画も含めてたくさんあったので、それに読み耽ったりしました。また「東美(東京美術商協同組合)」が催すオークションのパンフレットが届くので、伯母と2人でどれがいいとか、これはどのぐらいの価格で落札されるかという当てっこもしました。僕が勝つとお小遣いをくれるので必死でした。
こうして僕は中学生ぐらいの頃には東京や京都の古美術商を相手にいっぱしのことを言うようになりました。その頃には伯母も従姉妹の育成を諦めたのか、僕にかかりっきりで、良いものを見せてくれました。こうして伯母の英才教育が高校、大学と伯母が亡くなるまで続きました。
また中学生の頃には、伯母から伯母が催すお茶会に参加するようにも命じられました。だから僕は当時、茶道を習っていなかったんですが、学校の制服を着て、見よう見まねでたびたびお茶事に参加するようになりました。伯母は茶名持ちですから、お茶事の前には即席の指導を受けましたが。
こういう席に来る方って、お金持ちのご婦人が多いんですよね。こうしてるとちょこんと座って参加している中学生や高校生の僕を面白がって、酔狂を起こして彼女たちが催すお茶席にも招かれ、そこでも彼女たちの自慢のお道具を拝見することになりました。
こうした育成を経て、僕も大学生の頃から顔見知りになった美術商や骨董商のお店に顔を出し、自分のお金で買えるレベルのものを少しずつ買い始めました。僕に変なものをつかませると彼らも損ですから、安いものでも良いものを見せてくれました。このあたりから僕の茶道具や陶磁器の蒐集趣味が始まります。
またこれとはまったく別に、僕は中学生ぐらいから、西洋絵画が書かれた本にハマりました。中学生でオーブリー・ビアズレーが挿絵を描いた「イエローブック」の全巻揃いを見つけて、お年玉をはたいて買う中学生は少ないと思います。澁澤龍彦や種村季弘なんかを読み耽ってのもこの頃です。そしてお金持ちになったら、これらの本に出てくるものをコレクションしようと心に決めました。
後はお金が増えるに従って、いろんなものを買い集めていった格好です。こうして美術品蒐集でキモになる「目」は養われていたので、変なものをつかまされた経験はほとんどありません。
なお、伯母が亡くなった時、相続人には従姉妹がいたんですが、従姉妹では自分が集めたコレクションを散逸させると思ったのか、コレクションは遺言書ですべて僕に遺贈されました。僕にはコレクションとその相続税を払うのに必要なだけの現金と株式が与えられたんです。
相続税を払うにあたって、伯母のコレクションを専門家に鑑定してもらったところ、総額約10億円でした。僕はこれを散逸させないのが自分の義務だと思いました。伯母が想定してより鑑定価格が高かったので、それ以外の受け継いだ資産をすべて相続税として納めてもまだ足りず、僕自身の手持ちの株式を利確して、相続税に充てることになりました。でもこれは今、僕の大切なコレクションになっています。
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