東大ぱふぇっとです。
6月に発表された5月分のインフレ率が下落している!と喜んでいる人は大量に存在します。CPIの発表を経て、株は買われました。
株式市場はチンパンジーが多数派を占めているので、条件反射的に株が買われている面があります。
より正確に言うと、人類はチンパンジーが多数派を占めている可能性が高い気がしますが、深くは考えないことにしましょう。
全体のインフレ率の推移
全体のインフレ率の推移は以下のようになっています。
※以下、1年間でのインフレ率のデータです。
全体のインフレ率は前月の4.9%から下落して、4.0%になっています。これを見たチンパンジーたちは「インフレ率が下がった!」と大喜びしているわけですね。
この要因が何なのかを探っていきましょう。
コアインフレ率
コアインフレ率とは、全体のインフレ率から、価格変動の大きいエネルギーと食料品を除いたものです。
コアインフレ率の推移は以下のようになっています。
こうやって見てみるとコアインフレ率は横ばいですね。つまり価格変動の大きいエネルギーと食料品の価格が下落したことが、インフレ減速の主要因であると分かります。
エネルギーのインフレ率は下落
エネルギーのインフレ率は以下のようになっています。
(UI的に見にくいですが)最新では-11%と価格が下がっているのが分かりますね。
食料品のインフレ率は下落
食料品のインフレ率も下がってきていますね。
住宅のインフレ率は上昇、新築住宅販売も増加
住宅のインフレ率
直近1年
直近1年の住宅のインフレ率を見ると、上昇傾向にあることが分かります。
もう少し長いスケールで見てみましょう。
直近5年
直近5年の住宅のインフレ率を見ると、2021年2月をボトムにほぼ1直線に上昇していることが分かります。
新築住宅販売は約1年ぶりの高水準
中古住宅販売は2月以降ほぼ横ばい
中古住宅販売が2月以降ほぼ横ばいとなっているのに対し、新築住宅販売は5月は76.3万戸と約1年ぶりの高水準を記録しました。高金利環境で既存の住宅の保有者が売りに出すのに消極的である一方、需要は根強いことから、住宅購入の構成が変化しています。
30年物住宅ローン金利は高水準を維持
FRBの利上げと不動産担保証券を含むバランスシートの縮小によって30年物住宅ローン金利は6.67%とここ10年で最も高い水準となっているものの、住宅のインフレ率や販売を見る限り、十分な引き締めであるとは言えないようです。
サービスのインフレ率は高水準を維持
直近1年
直近5年
サービスのインフレ率を見てみると、直近では減少しているものの、高水準が続いています。
失業率は非常に低い水準を維持
5月の失業率は3.7%と、コロナショック前よりも低い水準であり、2022年以降は4%以下と低い水準を維持しています。
平均時給の上昇率は鈍化も高い水準
平均時給の変化を見ると、5月は前年比+4.3%と、約1年前からの鈍化傾向は継続しているものの、依然としてコロナショック前と比較して高い水準が続いており、依然として需給が逼迫していることを示しています。
サービスのインフレがコロナショック前の水準まで有意に減少するためには平均時給の上昇率が以前のレベルまで低下し、失業率が少なくとも5%程度まで上昇することが必要でしょう。インフレは沈静化しなければならないが労働市場も守りたいというFRBの相反する目標を両方達成するのは困難であると言えるでしょう。
今後の見通し
では、原油先物チャートと農作物先物チャートをみながら、今後の推移を考えていきましょう。
原油先物チャート
原油価格を見てみましょう。以下は過去一年間の原油先物チャートです。
1年前と比べて原油価格が大きく下落していますね。インフレ減速の主要因は原油価格の下落であると言えます。
なお、供給面から見るのであれば、原油価格はこれ以上下落しにくいと言えます。この辺りは相場予測noteで解説済みの内容ですね。
原油価格は投機筋のショートが勝たない限りはこれ以上の下落は望みにくい状態ですので、燃料費の面からはこれ以上のインフレ減速は望めないでしょう。というか燃料費のインフレ率は悪化しますね。
絶対値ベースですが、
5月分の前年同月と比較すると110ドル→70ドルと40ドルの下落。
6月分の前年同月と比較すると100ドル→70ドルと30ドルの下落。
こんな感じで下落幅は減少しますからね。
農産物先物チャート
以下は過去一年間の農産物の先物チャートです。
青:小麦
オレンジ:コーン
水色:砂糖
青とオレンジ(小麦とコーン)は直近で底打ちして反発している感じがありますね。
※直近では限月の変更で下がっていますが。
水色(砂糖)に至っては右肩上がりで、1年前と比較して価格が2倍になっています。
このまま推移すれば、食料品価格が上がることは容易に想像がつくでしょう。
エネルギーと食料品の価格下落がインフレ減速の主要因であったのに、これらのインフレ減速が止まり、食料品に至っては再度価格が上がるようであれば…インフレは再燃しますよね。
まとめ
- 直近のインフレ率減速の大部分はエネルギーと食料品の価格下落による。
- 原油先物チャートを見ると、1年前と比べてだいぶ下がってきているが、供給面から考えるとこれ以上の価格下落は見込みにくい。
- 農産物先物チャートを見ると、反発を開始しており、このまま推移すれば食料品価格も上がっていく見込みである。
- 住宅の需要は根強く、新規住宅販売が約1年ぶりの高水準となるなど、住宅価格の上昇の兆しが見える。
- 労働市場の需給は依然として逼迫しており、FRBが労働市場も守ろうとする限りはサービスのインフレが以前の水準まで下落するのは困難であると考えられる。
- エネルギーと食料品の価格下落がインフレ減速の主要因であったのに、これらのインフレ減速が止まり、住宅や食料品に至っては再度価格が上がるようであれば、インフレは再燃する。
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