【金融市場が崩壊する!?そのシナリオとは?】
断続的な利下げの際に、QT停止やQEがセットで行われないとヤバい!?
🌟株価の暴落に繋がるシナリオを解説🌟
現在、失業率の上昇やインフレ率の低下もあり、2024年度中に2,3回の利下げが織り込まれています。
歴史的に利下げが始まってから株価が暴落する傾向があるので、今回もそろそろ相場の天井が近いのではないかというポストを見かける機会が多くなりました。
実際、2000年代は利下げと同時または利下げの後に株式市場が暴落していますね。
※青い線(金利)が下げられるタイミングで、株価も暴落している。
しかし、本当に今回も同じような結果になるのでしょうか?
一つ確実に言えることは、現在と2000年代の金融政策は全くの別物だということです。
過去を見て未来を予測するのは適切ではない局面もあります。
歴史から学ぶ上で、なぜそうなったかの原因を理解していないことには、今回も同じになるとは言えないのです。
今回は、現在の金融政策下で利下げサイクルが始まった時に考えられる経路について、お伝えしていきたいと思います。
今回も丁寧で長い解説になります。長い解説を読むのは面倒で諦めたくなる人もいますよね。そんな人向けに✅マークで要点をまとめています。✅マークだけでも読んでみてください!
現在の金融政策を把握することは、今後の金融政策・今後の株式市場を考える上で必須事項なので最後までご覧くださいね🐰
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【現在の債券市場を支えている影の主役「MMF」】
現在、QTが継続する中にあって債券市場を支えている影の主役がMMFです。
MMFは政策金利に近い水準の金利を投資家に提供する投資信託です。
2022年から2023年にかけて金利が上昇し高金利が継続しています。
高金利になったことで、銀行の預金金利よりもいち早く金利水準が上昇したMMFに資産が流入していきました。
MMFは投資家に対して政策金利に近い金利を提供するため、以下の3つの主体に投資を行っています。
各項目について詳しく説明すると長くなるので割愛しますが、MMFはこれら3つの金利を適宜比較しながら、その時点で最も高い利回りが期待できる投資先に投資をしています。
シンプルに、経済合理性で動くと考えると簡単ですね。
2022年はリバースレポ金利が高くリバースレポ残高が急騰しました。
2023年からはレポ市場に適用されるSOFR金利や短期国債であるT-Bill金利が上昇しリバースレポ金利を上回っていきました。
結果としてMMFはリバースレポから両者に資金を移していきました。
この動きにより、かろうじて債券市場は支えられていました。またレポ市場を通じて株式市場に資金が流れ株高を演出していきました。
✅高金利が継続してMMFに資金が流入した。
✅MMFがQT下での債券市場を支えてきた。
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【金利が下落していくとどうなっていくか?】
では、このような流れの中でFRBが金利を断続的に低下していく利下げサイクルに入っていったらどうなるでしょうか?
今まで高金利が持続したことで投資家からの資金がMMFに集まっていましたが、MMFを解約する動きが出てくることになります。つまりMMFの残高が減るということですね。
こうなってくると、今までMMFが支えていた短期国債(T-bill)やレポ市場の需給が崩れ短期金利が急騰します。
※ちなみにレポ市場に適用される金利はSOFR(米国債を担保にした翌日物の借り入れ金利)で、政策金利であるFF金利(無担保翌日物の借り入れ金利)と似ています。そのためSOFR金利が急騰すると政策金利にも影響が出る可能性が出てきます。
FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」を目標に掲げていますが、当然のことながら金融システムの維持も前提として担っています。
短期の金利市場がコントロール不可能になるのは中央銀行としては看過することはできないでしょう。
このような状況になったらFRBは債券の需給を改善するためにQTの停止、場合によってはQEを行う必要がでてきます。
これはあくまで断続的な利下げサイクルに入った場合の話であり、実際には利下げは数回以内しかできない可能性も十分にあります。
この場合はMMFの金利低下も抑えられるので、MMFからの資金流出も抑制され、QT停止やQEが必要ではなくなるという状況も十分考えられます。
✅金利が低下するとMMFから資金が流出する。
✅MMFが支えていた短期金利が急騰する。
✅利下げが続くようだと、FRBはQTの停止、更にはQEを迫られる。
✅利下げが数回以内に止まれば、MMFからの資金流出は抑制される。
✅その場合、短期金利も支えられ、QT継続となる可能性もある。
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【金利が断続的に下落していくとどうなっていくか?】
では、先ほどの図の左側のケースとなった場合、つまり失業率の急騰などにより金利を断続的に下げなくてはいけなくなった場合について考えていきましょう。
まず断続的な利下げでMMFから資金が抜けていく局面では、以下の理由で株式市場は下落していく可能性が高いです。
1.資本市場に資金を供給しているレポ市場から、MMFが資金を引き上げることで、直接的に株式からも資金が抜けていく
2.短期金利の急騰による金融市場の混乱が生じる
しかし、短期金利を抑えるため、即座にFRBがQTの停止更にはQEを行うことで、短期的な下落で終わり、そこからは再び金融緩和相場に突入していくことが想定されます。
当然ながら聡明なFRBは上記のことを把握しているはずなので、利下げと同時にQT停止更にはQEを打ち出してくるかもしれません。
この場合は株式市場の短期的な下落でさえも避けられる可能性があります。
しかし、サービスインフレが依然として残っている状況下で、利下げとQEを行うことは劇薬です。インフレ再燃の確度は高くなるのは火を見るより明らかですね。
こうなっていくと中長期的には株式市場にも暗い影を落とすことになりますし、ドル円も200円を目指していくことになります。
✅金利が断続的に低下すると、短期的に株価は下落する可能性がある
✅QT停止やQEが発表されると、株価は底打ちしてブル相場が継続
✅ただ副作用として、インフレ再燃の確度が高まる
先ほど書いたように、利下げが数回以内の場合は別の経路を辿ることになります。
最終的にどのような経路を辿るかは、研究を続けているところです。
既に数年先まで見据えたある程度の経路の予測を立てており、その時期が来たら相場予測noteで順次お伝えしていきたいと思います。
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