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政治・経済・社会

新聞社では各部門においてかなり明確なヒエラルキーがあるそうですが、実際のところはどうでしょうか。

質問

新聞社では各部門においてかなり明確なヒエラルキーがあるそうですが、実際のところはどうでしょうか。
確か政治部がダントツトップで、次いで経済、社会だったかな。逆だったかも知れません。
文化部は一番下。
美味しんぼの山岡士郎が文化部の記者ですから、これはリアルな感じがします・・・。

回答

微妙な話ですね😅。まったくないとは言いませんが、そんなこと気にしていない人の方が多いんじゃないかな。

まず花形部門というのはあります。新聞の顔である一面に記事を載せやすいのがその新聞社の花形部門で、多くの一般紙は政治部か社会部、日経なら経済部です。顔を背負って立つのですから士気もプライドも高くなります。文化部や運動部の記者が一面記事を書くことは滅多にありませんから、「あいつらは気楽でいいよな」という人もいるにはいました。文化部や運動部にはスクープ合戦もほとんどありません。

この花形かどうかというのは、同じ政治部内でもあって、自民党の主流派閥を担当する与党担当が花形、野党担当はそうではない、というケースが多いですね。経済部なら財務省や日銀の担当ですね。社会部なら警視庁担当だと思います。

これに関連して、取材先のイメージというのもあります。政治部や経済部、外信部などの取材先がスケールが大きく、お上品?に見えるのに対し、社会部の最大の取材先である警察関係はどうしても血の匂いがします。大きな事故でもあれば活躍する社会部ですが、汚れ役という印象は拭えません。「あいつらは人が死ぬと喜ぶからな」なんて声を聞いたこともあります。

出世コースというのもあり、多くの新聞社ではそれは政治部です。讀賣新聞に君臨し続ける渡邉恒雄さんが典型的で、政治部長経験者が社長に就く傾向があります。新聞社は時に政治的な活動を必要があり、政治家に顔が利くことが重要になったりするからです。日経は社長が経済部上がり、副社長に政治部上がりの人を据えるケースが多いと聞きました。一方、社会部一筋の人は反骨精神旺盛な人が多いせいか、社内非主流派を形成することが、ままあります。

新聞社は皆さんが思っている以上に内部の争いがあり、政治部や経済部と社会部がいがみ合っていることがあります。交通関係は経済部と社会部が功名争いをするんですが、僕が運輸省のクラブにいた時、キャップから「他紙に抜かれるならまだしも、社会部の連中にだけは抜かれるな」と厳命された記憶があります。社会部はその性格上、取材対象と緊張関係を生じやすいですから、とかく波風を立てやすく、経済部や政治部はそうではありませんから、「取材先を荒らしてほしくない」という気持ちが生じやすいんですよね。僕は経済部・政治部畑の人間ですから、確かにそういう気持ちはありました。

記者の間での人気の高さというのもあって、やはり政治部に行きたい人間が多いです。これはテレビ局での話ですが、ほとんどの新米記者が社会部に配属されて、警察署や市役所の担当になる中で、僕は政治部に配属されて、首相官邸担当になったんですが、これは同期からかなり羨ましがられたものです。一般に政治部や経済部の人気が高く、競争もありますから、政治部や経済部は優秀な若手を選ぶ傾向があります。

反対に人気薄の部署もあり、それは整理部です。あまり知られていないんですが、整理部は受け取った原稿の見出しを確定させたり、紙面に割り付けるのが仕事です。言わば新聞の編集者です。その意味で重要な仕事なんですが、内勤の交代勤務制で、取材に出ることもありません。相手にするのは印刷部門です。なんとなくウダツが上がらない印象で、配属が決まった人ががっかりする姿をよく見ました。あとは婦人家庭部も人気薄だったかな。

つぶしが効く効かない、というのもあって、社会部はすべての取材の基本となる部門ですから、経験者はなんとでもなります。政治部や経済部もつぶしが効く部署です。一方、文化部や運動部は違い、一度そこに配属されると転用がきかないと思われ、一生その部署暮らしになるケースもけっこうあります。

文化部や運動部、それに科学技術部などは専門性が高いので誰にもできる仕事ではないんです。文化部の場合、取材相手は作家などの文化人ですから、彼らと対等に話せる教養がなければ務まりません。彼らの寄稿をチェックするという仕事もあります。文章力もぜったい必要です。その意味で文化部記者は尊敬の対象です。

だから、若手がいきなり配属されることは稀で、経験豊富で素質もありそうな記者の中から選りすぐった人を文化部サイドが選ぶ傾向があります。文化部や運動部はどの新聞社でも少人数の部署ですから、行き難い部署でもあるんです。僕は新聞社在職中、ずっと転属希望先のトップに文化部と書きました。しかし、同じく文化部を熱望していた同期が配属されてしまいました。これで僕が文化部に行く芽はなくなったと思って絶望したものです。決して閑職ではないです。ちなみに彼は以後、定年までずっと文化部で悠々自適でした。

記者は自分の将来について、強い志望を持っている人もいます。日経に武智幸徳さんというサッカー取材で有名な方がいます。日経の記者でありながら、文藝春秋の「ナンバー」やサッカー専門誌にも寄稿したりしています。彼は入社時から運動部志望だったそうで、役員面接の時、「配属先はどこが希望だ」と尋ねられ「運動部」と答えたので会場が大爆笑になった聞きます。「ならば、スポーツ新聞に行けばいいんじゃないか」と問うた役員に「スポーツ新聞だと自由に自分が希望するスポーツを担当できないけど、日経の運動部ならそれができますから」と言ったそうです。

念願叶って彼は入社早々運動部に配属され、サッカーはもちろん、ワールドカップやオリンピックなどの取材で活躍、運動部の編集委員にまで上り詰めました。彼は日経新聞社から「サッカーという至福」という本を出版されていますが、日経の記者が日経からサッカー本を出版するなんて前代未聞です。彼の記者人生こそ至福ではなかったかと、僕は想像します。記者にはそういう生き方もあるんです。

各部門の記者にはそれぞれカラーがあり、政治部記者の上昇志向はとても強いです。新聞記者は反骨精神豊かという俗説がありますが、政治部記者に関して言えば、「権力に擦り寄ってでも記事を取る」という発想で取材活動している人も少なからずいます。それどころか、記事さえろくに書かず、自民党の派閥領袖の片腕になって、その連絡係をやっている人もいます。「書かない記者」と揶揄されているんですが、新聞社の経営層からは政治家に顔が利くので、案外重宝されています。そういう人が、政治部長から報道局長、役員といった、世間一般から見ると出世コースを歩んだりします。

政治部記者は、ですから権力志向が強く、権力闘争が好きな人がけっこういます。僕の記者としての「本籍」は政治部だったんですが、僕はそういう人たちが好きではなく、自分には向かないと見切りをつけました。そして上司にお願いして経済部に移してもらいました。政治部はそういう人たちの集団ですから、新聞社社内における政治闘争も好きな人もいます。社内人事の情報もとても早いです。そんな彼らが社内政治で暗躍するので、それがいろいろ目立つこともあります。

経済部は政治部に比べるとお上品なお公家集団ですが、優秀な記者が揃うことが多く、政治部との関係も悪くないです。取材で共同戦線を張ることもあります。僕のいた新聞社では、定期的に若手記者を相互交換する人事交流なんてうちうちの制度もありました。社会部は一般紙では大所帯で、叩き上げのベテランがいる組織です。取材力なら自分たちが一番上、政治部や経済部のやり方は生ぬるいと思っている節があります。外信部は若手の人気はありますが、あまり社内政治に関心がなく、外国語の達者な専門家集団として超然としています。

文化部、運動部、科学技術部などは社内政治などに対する関心などまったくない人が多く、「自分の仕事」の深掘りにのみに夢中な人たちの集団です。文化部などまさに「紅旗征戎我が事に在らず」といったところ。政治部にいた頃、先輩記者が「あいつら、ウチの社長が交代しても、きっと気がつかないぜ」と陰口叩いたりしていました。整理部のベテランは、俺がいなけりゃ新聞は出ないと思ってる職人気質の人が多いですが、若手は基本的に数年所属してはまた取材仕事に戻るので、部としてのカラーは薄いです。校閲部は口うるさい超ベテランたちの巣窟というイメージ、出世競争とは無縁の部署です。

とても長くなりましたが、これが僕が在籍していた頃の新聞社の編集局や報道局と呼ばれる記者たちの内情です。今はすっかり士気が下がってしまっているようですが、当時はみんな自分の本籍とする部門に愛着があり、それなりのプライドを持っていました。出世コースという意味では確かに政治部優位で次いで経済部なんですが、他部門本籍の記者たちにそもそも争う気がないんですから、ヒエラルキーとは言い難いものがあります。それで編集局内部は調和を保っていました。

新聞社社内にヒエラルキーがあるとすれば、それは記者かそれ以外かでしょう。僕のいた新聞社では、社長、副社長、労務担当や財務担当、経営企画担当などの主要な役員ポストは記者出身者に限られていました。管理部門の部長や主要な子会社のトップもそう。社内の他に大きな部局として販売局と広告局がありましたが、記者たちの間では、販売局は新聞を売ってくれるありがたい部署だけど、なんだか煙たくて、軽して遠ざけたい、という感じです。交流は社内研修など以外、ほとんどありません。

そして広告局ははっきりと「関わってはいけない」存在でした。経済部は企業の経営層との付き合いがあるので、広告局の人たちからすれば垂涎の的で、なんとか僕たちに少しでも口をきいてもらえないか擦り寄ってくるんですが、デスクやキャップから「あいつらとは口をきくなよ」と厳命されていて、見つかるとはっきり叱られたものです(同じ社内の話なんですよ)。これは広告代理店も同じで、広告代理店の人間と話しているところなんて見つかったら大変でした。僕には電通に行った友人がいて、情報交換も兼ねて定期的に飲んだりしたんですが、これなどヒヤヒヤものでしたね。友人もそんな新聞社の内部事情を知っていたので、無理なお願いをしてくることはなかったです。

よく、この記事は広告絡みでこういう記事になったと訳知り顔で解説される方がいますが、経営レベルの人たちはともかく、現場の記者レベルで忖度することは一切なかったです。そんなことを言われるとビックリしてしまいますね。きわどいのに事件を起こした人の所属を「◯◯社社員」とするか、ただ「会社員」と社名を明記するか、という判断がありますが、現場レベルで言えば、それは社名を載せることにニュースバリューがあるかどうか、という一点だけで純粋に判断していました。

広告を大量出稿しているクライアントだから、ということを忖度して記者の書いた記事が修正されることがなかったとは言いませんが、これをやるのは広告局のお偉いさんと部長のトップ会談での話で、広告バーターなんかがまとまると、部長がデスクに頭を下げて頼むという感じでしたね。気の強いデスクだとそんなお願いは一蹴していましたし、これをやる部長は部下たちから軽蔑されたものです。

話が逸れましたが、新聞社社内の記者と記者以外の出身者の力関係はそんなものでした。販売局や広告局出身の人間が就く役員ポストは限られており、報道姿勢に影響を及ぼすポストに就くことは、少なくとも僕の頃は決してありませんでした。それが一流紙の見識とされていました。良い意味でも悪い意味でも、記者は別格という唯我独尊状態にあるのが、新聞社です。

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