質問
2023年08月30日 回答
BRICSの中東参加、りおぽんさんはどう見ますか。
回答
米国の地盤沈下のきっかけになるかもしれないと思って関心を寄せています。今回、BRICSに参加を表明した6ヶ国のうち、サウジ、イラン、UAEは産油国、エジプトはサウジとともに中東のイニシアティブを取る国です。
この中東産油国の原油取引はドル一本で行われてきました。いわゆる「ペトロダラー体制」です。ドルがなければこれらの国の原油が事実上買えない仕組みです。その上、サウジやUAEは自国通貨をドルと結び付けるドルペッグ制を採ってもいます。
ドルが基軸通貨であることの裏付けとして、このペトロダラー体制は大きな意味を持っていました。中東諸国にとっても経済の根幹に関わる事案ですから、これを一朝一夕に変えることはないと思います。明日何かある、という話ではないです。でも、11ヶ国で構成される拡大BRICSでは、主要な中東産油国と中国が緊密に会話することになります。中国にとって、ペトロダラー体制の切り崩しは、悲願と言えるかもしれません。
米国は表面上、サウジらのこの動きに、表面上は平静を装っています。でも、内心は穏やかではないでしょう。サウジ側も「ドルペッグ制は中東経済の安定に寄与している」と発言、米国を刺激しないようにしています。でも、中国やロシアのいるBRICSに参加することが地政学上、どんな意味を持つか、わからないほど、彼らは子どもではありません。
サウジやイランは明らかにわかった上で、やっています。米中2強体制、米中新冷戦時代、と言われる時代にあって、米国と中国の間でバランスを取り、自分たちの影響力をさらに引き上げようという狙いがそこからは透けて見えます。
長期的な話になるでしょうが、もしサウジやイラン、UAEがウォンでの原油取引を認めるようになれば、ペトロダラー体制は崩壊します。原油を通じた米国の統制は効かなくなる可能性があるわけです。これは、超長期的には、第二次世界大戦後、続いてきた「ドル基軸通貨体制」を揺るがすかもしれません。これだけは米国にとって許しがたい話ですから、これからさまざまな形での巻き返しがあると思いますが、それは中東諸国にとって思う壺とも言えます。
僕は長期的にはサウジらが、ウォンでの原油取引を認め、ペトロダラー体制を崩すと予想します。ドルに比肩する流動制などを備えた通貨は現状、ウォン以外になく、両者の間でバランスを取ることが、自国の政治経済上、好都合だからです。
ドルが基軸通貨の座を譲らない理由として、カーライルグループは、①世界の有力諸国がドルを信頼し、ドルで外貨準備を進めている、②世界の主な貿易がドル建てで行われている、③米国が巨額の貿易赤字を維持しようとしている、の3点を挙げています。
原油は世界で最も重要な貿易品の一つです。世界最大の原油輸出国はサウジ、第2位はUAE です。イランは米国による制裁の影響で大幅に輸出量が落ち込んでいますが、産油力にはまだまだ余裕があり、今後数年で大幅な増産を国家として計画しています。イランにとって、ドルに紐付けされない原油の輸出は制裁逃れの突破口に見えるかもしれません。ロシアも近年、原油輸出国としての地位を高めてきました。制裁で行き場を失ったロシア産原油の引き受け先になっているのは、インドです。ドル以外の通貨による原油取引は十分可能です。
なお、他に重要な貿易品として小麦がありますが、ウクライナ戦争前はロシアが世界最大の小麦輸出国でした。中国は輸出は少ないですが、生産量ではロシアを上回ります。銅の輸出国トップはチリですが、中国は3位。そして重要性を増すレアメタルは多くの品目で中国とロシアが支配的です。彼らがこぞってウォン建てでの取り引きを認めれば、貿易取引でドルが支配的という状況は流動的になります。
拡大されるBRICS11ヶ国は欧米諸国以外という意味で、第三世界をリードする諸国ばかりです。ドルが基軸通貨であり続ける理由のうち、2つまでが揺らぐ可能性があるわけです。後は中国がドル・ウォン2通貨体制に向けてどれだけ上手く政治力を発揮するか、という問題です。
今回の動きは、長い間続いてきたドル一強体制を崩す嚆矢になるかもしれません。それは、パックス・アメリカーナをも崩壊させうるものです。
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