プライベートバンクを使うことに今でもメリットはあるのでしょうか。

資産を隠すという意味でのプライベートバンク利用は旨みがどんどんなくなっていますね。僕もそこに焦点はおいていません。最大の狙いは、極めて長期にわたる資産の保全・拡大です。

資産を保全し継承していくためには、ポートフォリオをさまざまなものに分散させる必要があります。世界各国の株式はもちろん、プライベートエクイティ（未公開株式）や不動産、絵画などの美術品、デジタル資産などの新しい投資商品に分散し、その評価をしていかなければならない。

今まで、僕は自分でそれをやってきましたが、いつまでもそれができるとは思えません。子々孫々、それを期待するなんて、とても無理です。

日本の銀行マンしか知らなければ、自社商品の勧誘ぐらいしかできない人にしか出会わないでしょうが、本物のプライベートバンカーは、こうした作業を代行してくれます。むろん、高い手数料を取られますが。

1億、2億でのプライベートバンク利用は意味ありませんが、資産が一定規模を超えたら、プライベートバンクの利用というのは自然に視野に入ってくると思います。