質問
2024年10月09日 回答
神奈川県内の3政令指定都市(横浜市、川崎市、相模原市)の特別市構想に関して、ご見解があればお聞かせ下さい。私は、横浜市在住ですが、広報誌などを通じて、横浜市の特別市への意欲を見る事ができるのですが、どうも一般市民は、さほど盛り上がっている感がなく、りおぽんさんも、このあたりにお住みなのかな?と想像しており、伺った次第です。
回答
そりゃ横浜市長と横浜市役所の方は盛り上がるでしょうが、市民にとってはまだ「なんのこっちゃ」だからですよ😅。
横浜市の「特別自治市構想」は、横浜市(人口377万人、2024年1月時点)が、川崎市(人口155万人)、相模原市(人口72万人)と合併して、「横浜特別市」という600万人規模の特別自治市として、神奈川県から「完全独立」しようというものです。この結果、横浜市は神奈川県を中抜きして、フルに国と直接交渉できる権利を得ます。市内には東京23区と同様の「特別区」が設置されることにもなります。
これでまず「神奈川県」は全人口922万人のうち、県の東半分の3分の2の人口と、大半の商業や産業を失います。神奈川県の試算では、神奈川県は税収の6割を失うことになります。横浜市が県内の美味しいところだけ持って行って独立しちゃおうという話を、神奈川県はぜったい認めることはできません。
では他の2市はどうかと言えば、川崎市も独自に「川崎特別市構想」を打ち出しているのですよ🤣。そんなところで横浜市に吸収合併される話は飲めるもんじゃありません。ただ川崎市って、そもそも川崎区から麻生区まで南北に細長く、市北部と南部でまったく市民文化も違い、「南武線」しか市を1つにまとめるものがないので、そもそも「市」として破綻していると、僕なんかは思っちゃっているんですが🤣。もちろん政令指定都市の要件緩和もあって、全国政令指定都市20都市に仲間入りした相模原市だって「新たな大都市制度」の導入を求めています。
というか、そもそも全国20市ある政令指定都市の加盟する「指定都市市長会」が、「特別自治市制度の法制化」を国に求めているんです。でも熊本市に独立された熊本県とか広島市に独立された広島県、福岡市や北九州市に独立された福岡県などなど、なんのこっちゃになる地方自治体も数多く、現時点でまだ話は具体化していません。
この問題の根底にあるのは、「地方自治法第252条の大都市に関する特例」を根拠に設けられる「政令指定都市制度」が68年を経て古い制度であり、現状に則さなくなってきたという問題があります。日本には大都市制度がこの政令指定都市と、東京都の特別区制度を準用する「大都市地域特別区設置法」に基づく特別区の設置の2種類しかありません。
後者は民主党野田政権時に超党派で可決されたものですが、その原動力になったのは、「大阪維新の会」による「大阪都構想」でした。これは大阪市(人口277万人)が大阪府(人口882万人)から独立するものではなく、大阪市と大阪府を一体化して大阪市を廃止、そこに東京23区のような特別区を設けるという構想(都区制度)でしたが、住民投票が2回行われた結果、事実上の廃案になっています。以後、「大都市地域特別区設置法」の話が進められた地方自治体はないと思います。
実は戦後まもなく「政令指定都市」が運用されるようになるよりも前に、国は「特別市制度」を導入したことがあるんですが、その時にも道府県の猛反発にあって、実際に運用されることなく終わっています。
以上の話から分かるように、「特別自治市制度」は、政令指定都市が道府県から独立しようとするものなので、政令指定都市有利、「都区制度」は政令指定都市を廃止して都道府県と一体運用しようとするものなので、両者の合意がないと進めにくく、廃止される側の政令指定都市には飲みにくい制度と言えるかもしれません。
なぜ政令指定都市が特別自治市の法制度化を求めるのかということですが、おそらく閉塞感が大きいと思います。政令指定都市は全国に20市ありますが、人口を合計すると約2750万人で、日本国内のGDP比でも非常に大きなウェイトを占めます。しかし都道府県との「二重行政」になっている結果、自分たちの区域で得られる税収を区域外に還元せざるを得ません。この結果、政令指定都市は思うような行政サービスを自分の行政区域に還元できていない、インフラ整備がよくできていない、このため世界的な大都市の「都市間競争」で、遅れを取っているという思いがあるんだと思います。
しかしこれは極めて行政サイド寄りの話ですから、市民には非常にわかりにくい部分があります。直ぐにわかるのは、都道府県レベルで設置されている警察や政令指定都市にある都道府県の施設をどう移管するのかです。例えば「神奈川県警」の中から「横浜市警」を独立させ、残りを「神奈川県警」として運用するのかといったことです。まあ悪名高い「神奈川県警」が「ニューヨーク市警」みたいになるんだったら、ありっちゃありですが🤣。
根本的に言えば、「俺たちをもっと身軽に戦わせてくれよ」「俺たちの税金は俺たちの好きなように使わせてくれよ」「俺たちの区域が稼いでいるのに、財源は区域外の方の有利に使われているじゃん」という政令指定都市の不平不満、「財源と権限の一致」「事務負担の公正化」という話です。
横浜市は全国の政令指定都市で最大の人口を抱えますが、人口は減少傾向にあります。そして老齢人口が増え、少子高齢化が進んでいるのでいっそう危機感が強いんだと思います。3市の中で昨年人口が増えたのは確か川崎市だけだったと思います。
この横浜市特別市構想は、横浜市だけではなかなか特別自治市になれないんだったら、川崎市と相模原市を巻き込んで、人口600万人規模になっちゃえば、国だって文句はないだろうという理屈だと思います。ニューヨーク市が人口800万人ですから。いずれにしても、これは神奈川県との激しい抗争になる話です。
この「特別自治市制度」の推進は「指定都市市長会」で話し合われて、広報誌やネットでの発言を通じて「機運を醸成しようとしている段階」です。政府の「地方制度調査会」で審議してもらったり、国会議員に働きかけて「地方自治法」を国会で改正してもらったりする必要があります。市民にももっと丁寧にそのメリットを説明しないと、「大阪都構想」のように法制化はしたものの、住民投票で否決される可能性もあります。
僕は政令指定都市が新たに大都市制度を求める「理屈」はよく理解できるんですが、「主張の中身」がまだ粗削り過ぎて、前に話を進められる段階ではまだないと思います。現状で安易に実施するのは、ただの特別自治市の権利拡大に終わりそうです。上手く広域自治体(道府県)と権利調整しないと、政令指定都市の住民も区域外の住民も、どっちもアンハッピーになるんじゃないかなと考えています。
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