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投資法・投資哲学

BTFP終了やリバースレポ枯渇、これらが米国金利に与える影響をどう見ていますでしょうか?

質問

2024年01月07日 回答

BTFP終了やリバースレポ枯渇、これらが米国金利に与える影響をどう見ていますでしょうか?
また、その金利が株式市場に与える影響について見通しを教えて頂きたいです。

回答

うーむ🤔、BTFP終了とリバレポ枯渇が米株式市場の調整に繋がるか、ツラツラと検討していくね。

先ずはBTFP(Bank Term Funding Program)終了をFRBがハードランディング方式でやるかどうか。今のところ3月11日の月曜日にBTFPが終了するわけだけど、去年の年末(12月27日)時点での借入額が1360億ドルだそうだから、20兆円近い。このうちの大半は利下げを見込んでのアービトラージだとは思うんだけど、それでもいきなりぜんぶブチ切れるのかなぁ。

といって何か代替策を打ち出せば、議会がぜったいモラルハザードだと言うだろうな。とりあえず、この落とし所は目下不明。ただ後述するSRF(Standing Repo Facility=常設レポファシリティ)がマージンとしてたっぷりあるから、僕はそんなに心配していない。

翌日物のリバレポ(RRP)の応札・落札額が1兆ドルを割り込んだ、リバレポファシリティが枯渇するぞ、翌日物RRPが上がるからFF金利が急騰するぞ、大変だっていう話になっている。だけど、これは予期されていた話で、ブラックスワンでも何でもない。原因はFRBがランオフでQTを進めているから、金融機関が新発米国債の購入資金にするために金融システムから余剰資金を引き上げるという構造的なものなので、金融機関が焦って短期資金調達市場に向かう前に、この枠組みをどこかでストップすればいいだけの話。

FRBはインフレ対策もあってバランスシートの圧縮を急いできたけれど、インフレもそろそろ先が見えそう。となれば、金融システムを不安にしてまで、意地を張ってランオフを続ける理由はパウエル爺さんにはもうないんじゃないかな。やっぱりバランスシートの正常化はしておきたいんだろうけれど。とりあえず毎月1000億ドル近いランオフのスローダウンかなぁ。それぐらいでも市場は安心するはず。

去年のSVBの経営破綻みたいなことが起こった場合にどうするかだけど、さすがにまたBTFP同様の緊急避難的な時限措置は導入しにくいだろうし、Discount Windowはバンクランが起きかねないから、銀行側が使いにくい。だけど、もともとこうした時に備えてFRBには上限5000億ドルのSRF(常設レポファシリティ)というものが存在する。規模が現状のBTFPよりずっと大きい。

昨年3月10日にSVBが破綻した時になぜこのSRFを利用しなかったのか、その理由が実は今も謎。3月8日に5600万ドルのSRF利用があったことがわかっている。けれどもFRBは借り手の名前を公表していないし、これが翌日にロールオーバーもされていない。10日に破綻したSVBのものだったのかどうかが今もってわからない。

SVBが破綻して金融不安が起きかねなくなった結果、FRBは急遽、3月11日にBTFPなんてものを拵えてそれに対処したわけだけれど、SVBがちゃんとFRBを「最後の貸し手(LLR=Lender of Last Resort)」として頼ってSRFを使っていれば、そもそもBTFPなんて要らなかったようにも思えてならない。利用するとよっぽどマズイことがあったんだろうか? 通常であれば、よほど大規模な金融不安でない限り、FRBはLLRとして十分に機能するはず。

次に問題があるとすれば、米政府が新発国債の大量発行を続けた場合、国債の流動性がどうなるか。先ず考えられるのは既発国債からの借り換え。現在、MMFの残高は6兆ドルを超えているらしいから、コロナ禍前の3.5兆ドルだったかな、それにはまだかなり余裕がある。エージェンシーMBSを含めると、金融機関の流動性バッファーは本当にそんなに薄くなっているんだろうか。僕はまだ十分に厚みがあると評価している。このあたりは、みんな騒ぎ過ぎのように思える。

それに今後、米財務省が国債の大量発行でやろうとしているのは、バイバックなんじゃないかな。であれば国債の流動性が悪化して、金利が急騰するようなことも起こりにくい。金利を下げてからバイバックすれば、金利が相対的に高いオフザランの国債をオンザランに置き換えるわけだから、支払い金利は低下するし、期近の国債の流動性はむしろ向上、流動性が細って価格が乱高下することもなくなる。さらには国債の満期を伸ばすことになるから、米政府の債務の満期構成を変える効果も期待できる。悪くない話なんじゃない。

財務省がプライマリーディーラーにバイバックについてのヒアリングを始めたのは2022年の秋だけど、さすがにもう機は熟したと思う。本格的なバイバックをやれば、ほぼ20年ぶりになる。財務省のTBAC(国債発行諮問委員会)あたりは、もう検討しているんではないかな。たぶんバイバックは債券市場で好感される。

後は短期資金調達市場が逼迫するぞ、という噂が市場コンセンサスになって、それ自体が原因で翌日物の金利とかが急騰して、それが長期金利にまで影響する事態さえ防げばいい。これはランオフを止めなくても、FRBが準備預金をどこまで減らすかという目標水準を示せば済むような気がする。準備預金は現在でも3兆3000億ドル以上はあるわけだから、実はそんなに逼迫しているわけではない。

というわけで、現状騒がれているBTFP終了とリバレポ枯渇は、よほどFRBが政策運営でヘマをやるか、SVBみたいなアホな銀行がでない限りは、短期的な金利の急騰には結びつかないと、僕は現時点では考えている。だから米株式市場への影響も軽微。楽観的かな?

でもRRPレートが下限になる実効FF金利も、今のところは落ち着いているし。FRBの誘導目標の範囲内にあったはず。後はパウエル爺さんがアクセルとブレーキを上手く踏み分けるだけ。爺さん、腕の見せ所だぜ🤣。

ただFRBがバランスシート圧縮のメドをどこに置いているのかによっては、むしろその後に何かあるかもしれない。新規国債発行を消化するため、MMFを食いつぶし、エージェンシーMBSも食いつぶした後のこと。特に本当に景気が後退してレイオフなどが大量発生した場合。SVBの経営破綻も、ITベンチャーのレイオフが集中して、解雇手当のために預金がまとまって引き出された結果、一気に手元の流動性が悪化したのが原因らしいから。それとBTFPでどの銀行がどれくらい借りたかFRBから公表されるのは、終了の1年後。その時に、本当はどの銀行がヤバかったのか、みんなで推測する作業が始まる。

ただその頃にはQTが一段落して、金融危機が起こればいつでも潤沢に資金が供給できるーーこれがFRBが描いているベストシナリオなんじゃないだろうか。

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