質問
2024年03月02日 回答
最近アップルがEVの開発をやめて、そのリソースは生成AIに全振りする、とティムクックが言ってたので、逆に言えば今までEVやスマートグラスに集中していたからAI開発は一歩遅れてるのかなと思って。
で、井村氏がこれからはオンデバイスだと言っていたのも併せてアップルによるAI開発について考えてみたところ、アップルはMicrosoftみたいなソフトウェアというよりはハードウェアの会社だから、そのような会社がAIというとMacBookのM1チップみたいに端末側の専用チップを内製してくるという動きになるのかなと
回答
噂と推測を交えて回答するから、検証作業は自分でやってくれ。
まずAppleの生成AI全振りって言う話だけど、ただ「プロジェクトタイタンを中止して10年もかけたEV事業を断念した」っていう話だけだと、ティム・クックのクビが飛びかねないから言ってるんじゃないか?だってタイタンには総額150億ドルはかけたって言われているんだぜ。2000人の従業員に影響が及び、レイオフだって噂されている。だから最近話題の生成AIを持ち出してバランスを取るっていう、米国企業ではありがちなパターン。これまで自動運転の範疇でしかAIに関心を示してこなかったティム・クックに、果たしてどんな策があるんだろう。
これは今後に予定されている事業計画の正式発表を待つしかないけれど、可能性としては確かに「生成AI対応のオンデバイスAI用プロセッサの開発」が一番あり得そうだよね。
では、今のAppleに独創的なAI用半導体の開発が期待できるのだろうか?
Apple の自社設計SoC第一弾である「A4チップ」開発に決定的な役割を果たしてA7チップまでの開発の道筋を付けた天才半導体アーキテクト、ジム・ケラーは今、Tenstorrent 社のCTOとしてまさにAI半導体の開発をやっている。同社にはAppleでA6、A7チップの開発を支えたウェイ・ハン・リェンがチーフCPUアーキテクトとして参加しているところ。
AppleがIntelから引き抜いてMacのシステムアーキテクチャ担当ディレクターをやらせていたジェフ・ウィルコックスはIntelに戻っているし、Armからリードアーキテクトだったマイク・フィリッポをせっかく引き抜いたのに、さらにMicrosoftに引き抜かれて彼はMSでサーバ向けのプロセッサを開発している真っ最中。
今やAppleの半導体開発はハードウェアテクノロジー担当上級副社長でM1 ProやM1 Maxといったプロセッサの開発を主導したジョニー・スロウジの手腕に期待するしかないけれど、彼は果たしてAI用のプロセッサ開発なんかにまで手が回るのだろうか?どうもApple が一生懸命に半導体エンジニアのリクルーティングをやっているという噂を聞くし、いずれ誰か大物のエンジニアをどこかから引っ張ることになるんじゃないか、というのが僕の推測。
半導体のアーキテクトって狭い世界で優秀な奴がグルグル回っているんだよ。スロウジだって元Intelで元IBM だけど、独自プロセッサの開発をしたいっていうスティーブ・ジョブズの願望で引き抜かれてきた男。僕はAppleがAI全振りのためにジム・ケラーごとTenstorrent社を買収したって少しも驚かない。さすがに笑うけどね。
例えばApple にとってiPhoneの半導体設計の内製化は夢だった。AラインのSoCはケラーたちのおかげで自分たちで設計できるようになったけれど、モデムなどの通信系半導体の設計は長らく内製化できなかった。この時、Appleがやったのは通信系半導体の供給を受けているQualcommの本社があるサンディエゴで、大々的に通信系半導体エンジニアの採用活動をするっていう禁断の荒技。僕はこの話を聞いた時、大爆笑しちゃったよ。
この結果、たくさんの通信系半導体エンジニアをQualcommから引っこ抜くことにAppleは成功した。だけど、鍵になる人間がいなくて今のところ納得のいく自前通信系半導体が開発できず、Qualcommの供給を受け続けているのは周知の通り。どうもApple内部では、この開発が上手くいっていないことがちょっと問題になっているという噂も聞く。
ちなみにそのQualcommは、AppleでA7チップからA12Xチップまでの開発を主導して、一時期Apple の半導体部門のリーダーだったジェラルド・ウィリアムズがApple 半導体部門のメンバーを集めて2019年に作ったNuvia社を、2021年に14億ドルで買収している。そしてこの買収でQualcomm のCEO、クリスティアーノ・アモンが表明したのが「AppleのM1チップに勝るプロセッサを提供する」ってこと。
この話を聞いた時も僕は大爆笑しちゃったよ。何しろウィリアムズがApple退職前に他の半導体エンジニアの引き抜き工作をしてNuvia社に連れて行ったことを、Appleが「契約違反」として提訴していたところだったからね。まことにこのあたりは仁義なき戦いで面白いことこの上ない。
さてそのQualcommもSnapdragon で生成AI用のプロセッサ開発に名乗りを挙げてるけれど、通信系半導体エンジニアばっかだったQualcommでこんなもんの開発をしてるのは、この元Appleのウィリアムズのチームだというもっぱらの噂。現在話題のSnapdragon 8もNuvia社の技術がベースになっているという評判。もちろんQualcommが「このチップの開発はウィリアムズのチームがやってます」なんていう最高機密を漏らすわけがないから、この辺はすべて半導体業界内の「噂」だよ。
なお2019年から続いていたウィリアムズへの訴訟をAppleは何故か昨年4月に突然取り下げている。僕はこの辺も気になっている。だってAppleはウィリアムズのことを在職中にメンバーの引き抜き工作をやっただけでなく、Nuvia社を立ち上げた際に使う半導体テクノロジーがAppleの特許に触れないよう、ウィリアムズがApple在職中の半導体開発でそれを意図的に回避したとまで言っていたからね。なんで取り下げたんだろう?まさか将来的にSnapdragonの供給を受けるところまで検討している?これはまさかね😅
一方のQualcommにとって、このSnapdragon 8が持つ意味はめちゃくちゃ大きい。何しろアモンに取ってはNuvia社買収はCEOとしての初仕事みたいなものだったから、ぜったい成功に結びつけたいはず。ここんところアモンは生成AI用のオンデバイス化でリーダーシップを取っていて、昨年10月の「Snapdragon Summit」ではMicrosoftのサティア・ナディラと対談してみせたり、Metaのマーク・ザッカーバーグともやり取りしている。
Snapdragon8のテクニカルな細かい話は避けるけれど、タスクが重くなると異なる周波数のコアの組み合わせで高いパフォーマンスを発揮したり、処理能力と消費電力のバランスの取り方がむちゃくちゃ上手かったりしているところなんか、どう考えてもスマホ向けチップセットの開発に知悉しているとしか思えない。つまりウィリアムズの知見が生かされているとしか思えない。
NPUの演算処理性能は従来品の2倍だし、「Adoreno」っていうGPUコアのエンジン性能なんて洗練され過ぎている。僕は「オンデバイスAIのプロセッサ」ということに関してだけ言えば、開発のトップを走っているのはもはやNvidiaではなくQualcommなんじゃないかとさえ評価している。まだできることは限定されているし、生成AIの処理はさすがにまだ重いようだけど、少なくとも「オンデバイスAI」を実現しているんだからね。だからテクニカルシートを読んだ後、僕はとりあえずQualcomm株を買っておいた。
アモンは「AI Anywhere 」を提唱して、Qualcommが通信系半導体の会社から「コネクテッドプロセッシングカンパニーに進化する」とまで言っている。Snapdragon8 Gen3はすでに最新のiPhone のパフォーマンスを上回っているとQualcomm は主張しているし、これをノートPCにも拡張しようとしている。ArmベースのCPU「Oryon」の開発とRISC-Vベースの半導体開発をパラレルで進めているとか、「エッジAI向けの演算処理回路の性能アップ」を急ピッチで進めているとか、Qualcomm はいろいろやってるけれど、そこにはウィリアムズの影がちらついて仕方がない。Appleの半導体開発ではそれぐらいウィリアムズはキーパーソンだった。
QualcommはまさにオンデバイスAIの先陣を切っている格好で、1月のCESなんかでもアモンは得意げにそれを言っていたけど、もし本当にそのプロセッサ開発に元Appleの半導体エンジニアのチームが活躍しているんだとしたら、ティム・クックは今もう泣きたい気持ちなんじゃないだろうか?
というわけで、僕はApple内部でオンデバイスAI用のプロセッサの開発を主導できる人物なんて、今のAppleにいるかどうか疑わしいと思っている。Appleから優秀な半導体エンジニアがこの何年間かで抜け過ぎたからね。その連中が今、AI半導体開発の最前線にいるんだ。これが「Appleはもはや半導体の会社になった」と言われながら、半導体好きの僕がApple株を買えなかった最大の理由。
だからもしAppleが本当に生成AIに全振りするんだったら、これからティム・クックが自分のクビを賭けて、札束で顔を引っ叩いてでも、どこかからオンデバイスAIのためのプロセッサ開発を主導できる半導体アーキテクトを連れて来るんじゃないか、と僕は思っている。きっとまた「禁断の荒技」を使うから、僕はまた大爆笑できるんじゃないだろうか、と楽しみなんだよ。
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