質問
2024年08月30日 回答
山歩きが趣味なのですが、山林保全に税制優遇の要望との記事が出ていてこれはりおぽんさんに見解をお聞きしたいと質問させていただきました。
記事ではまだ要望段階ですし、相続する個人や企業と連携といってもまだはっきりしたことはわからないようです。
しかし守られない場合の罰則があるのが素晴らしいし、個人的には貴重な自然の残る土地はソーラーパネルなど建てられないよう対策されるかも?と期待しています。
りおぽんさんの見解をお聞かせ願えると幸いです。
回答
これについては僕も機会があれば回答したいと考えていました。僕は僕自身と妻の先祖伝来の相続財産として、主に山梨県の八ヶ岳方面と南アルプス方面、そして石川県の加賀地方に広域の山林を所有しています。山が1つ、2つなんていうレベルではありません。ですから見解ではなく、日本の山林が置かれた現状からお話させていただきます。
不動産投資をしたことがない方でも「マンション節税」という言葉はご存知でしょう。マンションの相続税評価額に対して、マンションの実勢価格が大幅に安いことを利用して、相続税の支払いを抑えるものです。
しかし日本の山林は水源があるとか、よほど良い木材が取れるといった話でない限り、ほぼ買い手がいません。ですから経済原理に基づいて価格が下落しています。つまり山林は相続税税評価額より実勢価格の方がずっと低いという逆転現象が発生しているんです。
となれば相続する山林の価値より相続税の方がお高いですから、相続を回避しようとします。その結果、現在では要らない山林を有料で引き取る業者までいます。今や日本の山林はお金を払ってでも引き取っていただくものなんです。そうすれば山林の価値はますます暴落しますから、実勢価格が相続税評価額の100分1以下なんていうことも平気であります。
一方、山歩きをされるぐらいであればご存知でしょうが、山林は適切な管理をしないとどんどん荒れます。不要な枝を落としたり、下草を処理したりしないと木が弱ったり、山火事が起きたりするんです。山林は所有者に対していろんな責任を負わせます。例えばなんらの保全措置を講じないで土砂崩れが起きて経済的な被害が発生すれば損害賠償責任が発生しますし、人命に被害があれば刑事罰を受けるリスクもあります。
山林を所有していればさまざまな管理コストが発生しますが、経済的な見返りはほぼゼロと、何もいいことがないんです。ですからタダで地元自治体に寄付しようとしても、だいたいは断られるでしょう。
現状、水源地もなく、たいした材木も取れない山林に経済的価値を生ませる手段はだいたい次のとおりです。
①木を切り倒して、太陽光発電のためのソーラーパネルを設置する。これは山梨県などいくつかの自治体レベルでも、脱炭素化推進ということで、山林に大型ソーラーパネルを設置しようという動きがあります。
②静岡、山梨、群馬、栃木、千葉といった東京からほどよい距離にある山林であれば、木を切り倒してメーカーの資材置き場や産廃置き場として活用する。
③同じく首都圏近郊なら切り拓いて、工場用地、データセンターの用地などとして売る
こんな感じです。僕のところにも山梨の山林を資材置き場に使うから売らないかとか、大型の太陽光発電設備を設置する計画をベースにする前提で所有する山林を売らないかという話が何度か持ち込まれました。すべてお断りしてきましたが。
結局僕は今も所有の山林を山林として所有し続けています。麓に立って見渡すと、麓にはひまわり畑、視界の見渡す限りの山林が僕か妻、あるいは義父の持ち山という状態です。最高に美しいです。
でもこの山林を所有しているとどうなるのか。当然、管理が必要ですが、僕らでは出来ません。村の方たちにお願いして、山に入って不要な枝を取って自由に使っても良いし、山菜なんかを取るのも自由、水源地の山があるので水利権は無料で解放するというお話しをした上で、年間定額のお金をお支払いして、山の保全をお願いしています。また、広域農道から近いので、産廃の不法投棄に遭いやすく、それが行われていないか見回りもしてもらっています。山に入っての銃猟も許可しているので、いわば入会地です。このほか崖崩れ危ないってことになれば、業者に入ってもらって対策を講じる費用もかかります。
ではこれらの山林を所有する我が家のメリットはと言えば、僕が八ヶ岳連峰が綺麗に見える、白樺林が生える山林の一画を切り拓き、インフラを引き込んで自分の別荘を建てているぐらいです。昔は義父が良く仲間を連れて銃猟に入っていましたが、今はそれもやっていません。
この広大な山林は、妻の実家が江戸時代から代々所有し続けてきたものです。農地解放で田畑は失いましたが、山林は対象外だったので残りました。
ですから現在この山林に対するイニシアティブは僕の妻にあるんですが、妻は「この美しい甲斐の山並みが、自分の代でソーラーパネルや産廃だらけになるのは、自分の気持ちが耐えられない。あなた、お願い」と言い、僕も一面のひまわり畑に美しい山々なんていう、日本には滅多にないこの風景を、自分たちの手で壊したくはないので「うん、引き受けたよ」と答えています。幸い娘夫婦もこの風景がお気に入りで、これらの山林を自分たちは守ると言ってくれているので、娘の代までは大丈夫そうです。
この風景は通りがかった方が思わず車を停めて、家族を入れて写真を撮っていたりもします。そんな風景です。
以上のように、今や日本において山林を所有し、山林を山林として保有し続けることは、もはやボランティアみたいなものなんです。
この構造が税制優遇措置程度で大きく変わるとは思いません。しかし先が見えない山林の所有で、相続の際、投げ売りしたり、お金を出して引き取ってもらったりする状態を変える一助にはなるんじゃないかとは思います。こうやって売られた土地はだいたい資材置き場やソーラーパネルが設置されるので、そうでもしないと、国立公園でもない日本の山林は、30-50年後は産廃やソーラーパネルで虫喰いだらけになると思います。皆さんが、そういう風景がお好きだというなら別なんですが。
大切なものは失ってから気がつくって、よく言うではありませんか。
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