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お子さんの幼少時にはどのようなことを心掛けて育児されてきましたか?

質問

30歳の女性です。
現在妊娠6か月なのですが、幼少時の教育方針で悩んでいます。
りおぽんさんはこれまで、お子さんの幼少時にはどのようなことを心掛けて育児されてきましたか?あるいはこれから生まれてくるお子様はどのように育てられるご予定ですか?胎教ってされましたか?参考にした育児法や、心がけていたことなどアドバイスいただけますと幸いです。

回答

「教育方針」に悩むのには早すぎますよ。赤ちゃんが産まれて1年半ぐらいは、夜泣きしたりして、その世話で真夜中も起こされたりするので、お母さんはそれに追いまくられて、教育方針どころではないと思います。その間によく考えて、2歳前後からその方針に沿って始めれば、十分だと思います。

娘の場合で言うと、妻は流産のリスクが高かったので、妊娠がわかった早期から、実家に帰りました。当時は僕が極めて多忙だったので、何かあってもその対応が上手くできなかったからです。そして比較的早期に大学病院の産科に入院して万が一に備えました。ですから胎教どころではなかったんです。

僕は妻が実家に帰ってからは会うこともなく、出産にも立ち会えていません。ただひたすら男の子でも女の子でもいいように、子どもの名前をたくさん考えていました。男女それぞれ優に100以上は考えました。そして産まれたという連絡を義母からもらって、高速をかっ飛ばして大学病院の新生児室に向かいました。

夜泣きはあんまりしない子でしたが、妻だけでは対応しきれなかったので、僕の母とベビーシッターさんにサポートしていただきました。とりあえず1歳半ぐらいまでに気を付けたことをあえて挙げていくと、

①寝ている時も含めて、良い音楽を聴かせてあげること。そんなに大きくない音で、室内楽なんかを流しました。かけると泣き止んでスヤスヤ眠るお気に入りの曲もありました。

②お話ししてあげること。つかまり立ちが出来て、片言が言えるようになったあたりから、何かを見せて「◯◯」とその名前を言ってあげるんですね。すると一生懸命に真似ようとします。

③絵本の読み聞かせ。これは毎日必ず妻か僕がやりました。最初は特にストーリーがあるものではなく、例えば大きな果物が書いてあったりするやつです。これを読んであげて「これなーに?」とか聞くと、「いーいー」とか意味のないことを言うんですね。これでいいんです。こうして徐々に言葉を覚え、文字を覚えて、やがて本を読む習慣が付きます。

この時期は難しいことはせず、このように「脳への刺激」を与えてあげるのが良いようです。知育玩具の類いは特にこの時期には与えていません。親族からいっぱいオモチャをプレゼントされたので、そのうちの気に入ったもので遊ばせました。

こういう幼児の早期教育でぜったいやってはいけないのは、「他の赤ちゃんと比べること」です。この時期の子どもの発達には個人差がけっこうあります。多少の違いは気にしない方がいいです。また子どもが興味関心を示していないのに、親の勝手な思い込みで押し付けることもやめた方がいいです。「親が焦らないこと」もとても重要です。育児は時間がかかるものなので、のんびりとした気持ちでやりましょう。

教育らしいことをやり始めたのは、2歳ちょっと手前ぐらいだったと記憶しています。この時期、子どもの母親への依存心は極めて強いですから、少しずつ独り立ちするように促しました。2歳ぐらいからモンテッソーリ教育をするプリスクールで預かってもらうようにしました。後は広い芝生の公園に連れて行って、よく放し飼いにしました。

音楽は最初、妻がピアノを始めさせました。といっても手がまだ小さいですから自分でピアノを弾くことはできません。こういう時は紙に書いた小さな「紙鍵盤」というものを使うんですね。娘がその鍵盤のどれかを押すと、妻が本物のピアノでその音を鳴らすといった具合です。こういう幼児期の音楽教育には、いろんなメソッドがあります。もしそれをやらせたいなら、それが得意な先生を探すといいです。

ヴァイオリンを始めさせたのは3歳からです。もし子どもに本格的に楽器をやらせたいのであれば、3-5歳ぐらいまでの間に始めるのがいいです。とにかく「耳」は幼児教育が一番効果的で、それがかたまってしまう7歳以降に始めると、苦労するし、頑張っても身に付けられないものも出てきます。例えば絶対音感を後天的に身に付けられるのは、せいぜい7歳までだそうです。

子どもが文字を覚える年齢は個人差が大きいですが、娘は読み聞かせした効果か、ひらがなは2歳ごろにはわかるようになりました。これができるようになると、だいぶ本が読めるようになります。2歳ぐらいで読んでいたのは、福音館書店のいしいももこさん訳の「ピーターラビット」シリーズなんかです。

あれは確かぜんぶで24冊あって、その全巻揃いの箱入りのがあるんですね。2万円弱のとても美しいセットです。2歳だと読めるのも読めないのもあるんですが、読めないのも読み聞かせしていたら、気が付いたら、自分で読むようになっていました。このセットを娘はいまだに持っていて、もうかなりボロくなっていますが、宝物だと言っています。自分に子どもができたら、新しいのを買ってあげるそうです。

これで「本好き」になった結果、「本を読むために」漢字も少しずつ覚えていきました。親は特に漢字を覚えさせる教育はしていません。幼稚園の頃には岩波少年文庫の背表紙がピンクのやつぐらいは読むようになっていました。ですから幼稚園を卒業する頃には、小学校で習う漢字ぐらいは「読める」ようにはなっていました。「書ける」ようになったのは後の話です。

ちなみに僕は親バカで、「綺麗な色彩」に目を慣れさせようと、クレヨンや色鉛筆でかなり良いものを買い与えました。色鉛筆なんか「ファーバーカステル」のプロ向けの2万円以上したやつです。本人はそれをよく使ったと言い張っていますが、僕には親戚のおばさんがくれた人気キャラが箱に書いてある安物の色鉛筆の方が気に入っていた気がしてなりません。

前述のようにモンテッソーリ教育を幼児期にやらせましたが、あれは「感覚」と「言語」の一種の英才教育です。良い面は「音楽や美術に対する感覚が身に付き、伸びること」「手先が器用になること」「話し上手で語彙力が豊富になること」なんかだと思います。実際、娘はその通りになりました。

一方、子ども同士でわいわい遊ばせることはあまりやりません。またスポーツや泥んこになって遊ぶこともやらせることは少ないです。ですから「自分1人でコツコツやって、1人で遊ぶのが好きな子ども」になりがちです。英才教育ですから周囲の子どもとも話が合いにくくなります。「野原を元気に駆け回るような子ども」を育てたいような親には向きません。このように、どんな教育方法にも一長一短がありますから、「子どもの適性」と「どういう子どもに育てたいのか」という親の願望を勘案しながら、取り組んでください。なので「生まれる前」に悩んでも仕方がないんです。

我が家の場合はモンテッソーリ教育の欠点を補うため、東京では珍しい敷地面積が5000平米ぐらいある幼児のお預かり施設にも預けてみました。そこは緑豊かで子どもを泥んこ遊びさせてくれるようなところです。娘はなんだかんだ言って、泥んこ遊びも楽しかったようですが、後々の人間形成へのインパクトはさほど大きくはないようです。またこの時期に「泳ぐこと」を習わせようとしたんですが、水につけると泣き叫ぶので断念しています。

この他、やらせてみたけれど、興味を示さなかったものはたくさんあります。子どもは親の思い通りにはいきません。

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