質問
2024年07月18日 回答
為替についてお伺いしたいです。
今後のドル円はどのように進むと思いますか?
僕は3,5年単位でみて円安が終わると思っております。(なので、ドル建て保険を解約して円転しようと考えています。)
今後のドル円の展望をお伺いしたいです。
回答
前提として僕は投資で出来るだけ為替に中立になるようにしているため、ドル円などの為替レートをあまり気にしていません。また種々の要因で為替レートは上にも下にも行くので、長期予想してもあまり意味がないと考えています。
その前提で回答すると、世界の通貨当局者や中央銀行の関係者の頭の片隅にはぜったい「購買力平価説」による適正な為替レートというものがあります。これに基づいて、あるべきドル円を算出すれば、125円前後です。つまり現在のドル円は行き過ぎということになります。去年あたりのシンクタンクの為替予想でも、今後は円高に振れるだろうという予想が多かったと思います。財務省の通貨マフィアが円安対応で一歩出遅れたのも、このあるべきドル円のレートが頭の中にあって、いずれ修正されると見ていたからじゃないでしょうか。
ではこの仮説を覆す現在の円安がなぜ発生しているのかと言えば、最大の要因は日本の財政政策や金融政策に対する信頼が失われていることだと思います。異次元の金融緩和で先進諸外国とは異なるゼロ金利ないしマイナス金利政策を長年続けてきました。また政府が発行する国債を、一応市中銀行を介していますが、事実上、日銀が引き受ける禁じ手の財政ファイナンスをやって、国債の発行残高の半分を日銀が保有するという異常事態になっています。こんな中央銀行が信頼されるわけがありません。また赤字国債の発行が続いて、日本の財政赤字はますます巨額になり、プライマリーバランスの達成もおぼつきません。
こういう政策を取れば通貨の信認が失われて、インフレが起こるという経済学の教科書のような状態です。いわばアベノミクスの「負の遺産」と言えます。アベノミクス前の2013年1月のドル円は85円ぐらいだったと思います。10年ほどで70-75円ぐらい円安に振れた格好です。
ですから簡単な解決策はあります。日銀が国債を引き受けるのを辞めて、大幅に金利を引き上げて、政府が財政規律を守ることです。これだけで大幅に円高に振れると思います。しかし容易に想像が付くように、こんなことをやれば日本経済は壊滅的な打撃を受けて、倒産する企業が出て、死人も出るでしょう。
だからこの何をどれだけやるかという、高度で微妙な判断が迫られているわけです。しかし現在、政治は政治資金パーティー問題以降の政局や岸田総理の支持率低下で、当事者能力を失いつつあります。「たいしたことは何もできないだろう」と通貨投機筋に見透かされて、安心して円を売られている状況です。
3-5年でドル円がどうなるか予測がつき難いと最初に答えたのは、今後の自民党総裁選や少なくとも来年には行われる衆議院議員総選挙の結果次第で、この部分がなんぼでも変わるからです。
円安のもう1つの原因は日本の国力低下です。昔は円安になれば日本企業の国際競争力が上がって、外貨をたくさん稼いできました。今ではそんなことは昔話です。個人投資家の外貨での投資なんていうちっぽけな要因で、数円の円安が進むという試算があります。そんな国になってしまいました。
6月下旬に再びドル円が160円を突破したのは、6月20日に米国が日本を「為替監視国リスト」に追加されたため、財務省がこれ以上、為替介入しにくくなったという読みが通貨投機筋にあったからだと思います。ただ神田財務官の後任に就いた三村新財務官は就任後、果敢に円買い介入を断続的にしていると見られます。以前回答しましたが、三村さんは為替介入の実働部隊である為替市場課長を経て、国際局長から財務官に就任するという、財務省の通貨マフィアの黄金ルートを歩んでいます。諸々の準備は出来ていたのでしょう。
特に財務省のドル円の防衛水準が160円オーバーだと見られていたところで、昨夜159円台でおそらく介入して156円台に戻したことで、投機筋もちょっと動きにくくなったのかもしれません。当面は円安圧力に対して、円買いの為替介入が断続的にあるということでジリジリした展開になるでしょう。三村財務官は特段のことがなければ2年はやるでしょう。しかし為替介入は外貨準備高の範囲内でしかやれないという大きな縛りがあります。
以上の要素を加味すると、3-5年のドル円のレートは大きくブレるんです。ここから先は確率論の世界になります。
①もし日銀が政策金利を3%程度という大幅に引き上げる政策を取れば、当然ですが日本国債の利回りも上昇して、現状では日銀しか買わないという状況から、外国人投資家も買うようになります。金融を引き締めて、景気対策よりインフレ対策を優先する。拡大する一方の財政赤字にも政府が手をつける。この場合はだんだん「購買力平価説」通りの125円に収束していく可能性があります。
②またここまで触れて来ませんでしたが、昨今の円安の一因は米景気が好調を継続して、FRBが利下げを見送っていることです。3-5年で長く続いた米好景気やインフレも終結して、FRBが断続的に利下げを行なって、日米金利差が縮まる。これが単独で起きれば、ドル円は140円ぐらい、①と重なれば、120円ぐらいになるかもしれません。
③あんまり考えたくないんですが、米国がなんらかの戦争に巻き込まれる有事シナリオも3-5年のタームではあり得ます。イスラエルが絡んだ中東戦争、中国による台湾有事では、米国は経済より軍事を優先させざるを得ません。この場合は「有事の円買い」が起こり得るので、ドル円は110円になるかもしれません。
④もう一つ、BRICSが本当に共通通貨を発行することを決めて、ドルが基軸通貨を滑り降りる可能性が現実的になってきた場合です。この場合はどれぐらいかも想定できませんが、大幅なドル安が発生するでしょう。
⑤日本が無為無策に終始する。このシナリオがあり得そうなので嫌になるんですが、前述のように為替介入の効果は一時的ですし、いつまでも続けられるものではありません。この場合、ドル円は160円を突破して180円を目指すでしょう。
⑥有事による世界経済の混乱。さきほど「有事の円買い」のシナリオを触れましたが、これはまったく逆のパターンがあり得ます。中東戦争が発生して中東諸国が米国に原油禁輸政策で対抗した場合、原油高のダメージが大きいのは米国ではなく日本です。また台湾有事で日本も巻き込まれた場合も想定しておかなければなりません。これほど大きなことでなくても、米国と中国の関係が悪化した場合、日本経済は米国経済より自立性が低いですから、大きなダメージを受けます。この場合、ドル円は180円以上、200円を突破するかもしれません。
3-5年もあればいろんな可能性があります。その差はデカいので確定的な予想が出来ません。僕はこの他合わせて10個ぐらいのシナリオを作って、その発生確率を考えることで対処しています。
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