東大ぱふぇっとです。
今回も前回に引き続きバフェットの投資ルールについて一つ一つ詳しく見ていきましょう。
バフェットは、株主宛の手紙の中で以下のように述べています。
私達が選ぶ企業の条件は、
① その内容を私達が理解し、
② 将来にわたり長期的に好ましい業績が見込め、
③ 経営幹部は誠実で有能な人々であり、
④ 魅力的な価格で購入できること
です。
今回は②の「長期的に好ましい業績が見込める企業」について解説していきたいと思います。
長期的に好ましい業績が見込める企業
バフェットは株主宛の手紙の中で、「長期的に好ましい業績が見込める企業」の例として、コカ・コーラとジレット(髭剃りメーカー。現在はP&G傘下)を挙げてこう述べてます。
コカ・コーラやジレットは長期にわたって、世界市場を1位のシェアでリードしてきました。両社は、ブランドネームの力や商品の特性、また流通システムの強さにより並外れた競争力が生み出され、財政の「城」の周囲には、将来に備えて「堀」が築かれています。
また以下のようにも述べています。
コカ・コーラやジレットのような企業は「inevitable(所有していなければならない)」な企業といえるでしょう。両社が今後も、製造、流通、梱包、商品開発の面で、今後もたゆまざる努力を続ければ今後も長期にわたってシェアを拡大し、それぞれの業界で世界をリードし続けるであろうことに疑問を抱くことはないはずです。
ここから「長期的に好ましい業績が見込める企業」を理解するためには、「イネビタブルズ」の条件や「城の周りの堀」について知る必要がありそうです。
バフェットからの手紙を注意深く読んでいくと、バフェットが考える「イネビタブルズ」の条件や「城の周りの堀」を持っている企業の特徴として以下3つの点が挙げられております。
①大きな変化が起きそうにない企業や業界
バフェットは長期業績の予測が比較的容易な変化の少ない業界を選ぶべきと常々発言しています。
例えば、人間が生きている限り「飲み物を飲みたい」という需要は永遠に存在し続けます。また、人間が生きている限り「ひげを剃る」という需要も永遠に存在し続けます。
かつ、これらの需要は不景気だろうが好景気だろうが変わることがありません。景気が悪いからひげを剃るのをやめようとはならないですよね。
コカ・コーラやジレットは、このように永続的でかつ安定した需要を対象にビジネスを行っていると言えます。
一方で、例えばハイテク分野等の変化の多い業界では将来の長期的な業績は予測困難です。
よって、バフェットはこれまで、この分野に対する投資には消極的でした。
ただ、今のバフェットの主力はAAPLなんだよね。
AAPLに投資した当時のインタビューを振り返ると、アップルのIT技術に注目して投資したのではなく、あくまでiPhone等の『製品』に対する顧客の粘着性を重視して投資が行われたように思えます。
②コアビジネスに焦点を絞っている
コカ・コーラであればコーラ、ジレットであれば髭剃りという最高の商品を持っています。
そのような最高の商品に焦点を絞った経営こそが更なる競争力を生み出すとバフェットは考えています。
つまり、自身の強みを持つ分野に徹底的に注力し、シンプルな経営を行っている企業は、更にその競争優位性を増していくことができるということですね。
③市場を独占し、シェアを伸ばし続ける
市場を独占しているような企業は、何かしらの競争優位性、バフェットの言葉でいえば「城の周りの堀」を持っています。
この「堀」の源泉となるのは、企業によって様々ですが、ブランドネームや商品の特性、また流通システムの強さ等が挙げられます。
え、まじ。。。?
「堀」が深ければ深いほど、市場を独占しそれがまた「堀」を深くします。
「城の周りの堀」とは具体的にどういうこと?
上述した①と②についてはある程度納得感があるのですが、やはり③の「城の周りの堀」が具体的に何なのかよくわかりません。
残念ながら「バフェットからの手紙」ではこの「堀」について具体的には述べられておりません。
しかし、バフェットは手紙の中で「コカ・コーラとジレットが業界で世界をリードし続けるであろうことに疑問を抱くことはないはずです」といっています。
つまり、企業がもつ「堀」というのは、手紙を読んでいる読者にも感覚的にはわかるはずといっております。
一例として、「堀」とは我々が商品や企業へ抱く「信頼」を表す説はありますね。
例えば世界中の人は定期的にコーラを飲みます。
何種類もある飲み物の中からコーラを選ぶ理由は、「冷たくておいしいものを飲みたい」といった自分の欲望を満たすのに「間違いない」のはコーラだからです。
もちろん他にも私の欲求を満たすような飲み物はあるかもしれません。
髭剃りもいつもジレットを買う方が多いのかもしれません。よく知らんけど。
(実はジレットっての知らなくてググった)
それでもジレットを選ぶのは「ジレットであれば多少値段が高くても質もいいだろうし長持ちするだろう」というジレットへの信頼があるからなんだろうと思います。
てかヒゲ脱毛とか最近はやってるっぽいし、そういう技術革新でダメになったりしないのかは気になる。
他にも、
ネット検索であれば検索技術が優れているグーグル
パソコンのOSは使い慣れているWindows
カフェに入るなら雰囲気のいいスタバ
クレジットカードなら世界中どこでも使えるVISA
を使います。
このように企業が持つ「堀」というのは、「これを選べば間違いない」、「ちょっと高いけど絶対これがいい」、「これを持っていればかっこいい」というような消費者が企業へ抱く「信頼」のことを指しています。
気づいたら手にとってる的な。
このような「堀」を持つ企業を見つけるには、実際に消費者である自分が「これを選べば間違いない」と思う商品を扱っている企業を調べるのが一番の近道です。
事業内容及び事業の堀(=競争力の源泉)を完全に理解できる企業というのは人それぞれ違いますが、そういった企業に長期投資することで、自分ならではの世界最強のマイポートフォリオが出来上がるのでしょう。
まとめ
- 「長期的に好ましい業績が見込める企業」とは以下三つを兼ね備えた企業。
- 大きな変化が起きそうにない業界の企業。
- コアビジネスに焦点を絞っている。
- 市場を独占し、シェアを伸ばし続ける。
- 企業の「城の周りの堀」(=競争優位性)とは、噛み砕くと商品や企業へ抱く「信頼」を指す。
まあ私はダナハーちゃん🐰💕と秘密の宝くじ銘柄くらいしか買う気にならないですし、それよりむしろコモディティが欲しいタイプなので、個別株投資家というよりは相場予測投資家と言うべきでしょう。
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