東大ぱふぇっとは物事を考えるとき、重要な点だけを抽出してなるべくシンプルに考えます。
高配当株vsグロース株論争に終止符を打つ!において、以下のような質問を頂きました。
- VOOだと配当に課税されるのでは?
- 利回り10%の高配当株なんて無いのでは?
どちらも、その通りですね。もちろん東大ぱふぇっとも承知しております。
まず1つ目からお答えします。
ポイント:「配当のみ課税される」
重要な点は、ここだけです。
配当(インカムゲイン)は課税されますが、未実現の利益(キャピタルゲイン)は課税されません。配当はいわば強制利確と同じですね。
実際のシミュレーションにおいては、物事を単純化して考えるために、以下のような例を用いました。
○以下の2タイプの企業に1000円ずつ投資する。
- 自社株買いなどで毎年10%株価が上がる無配当企業に投資して放置する
- 株価に一切変動が無く毎年10%(税引き後8%)の配当金が得られる企業に配当金を毎年再投資し続ける
年数 | 自社株買い | 配当金再投資 |
0年目 | 1000 | 1000 |
1年目 | 1100 | 1080 |
2年目 | 1210 | 1166 |
3年目 | 1331 | 1260 |
4年目 | 1464 | 1360 |
※単純化のために売買手数料・配当金再投資までのタイムラグ・確定申告で取り戻すまでのタイムラグなどは未考慮。
ですが実際のところ、VOOは配当を出しますし、配当にはもちろん課税されます。
これを厳密に議論すると以下のようになるでしょう。
VOOにおいて、5%は株価上昇によるもので無課税、2%は配当金によるものなので課税されるとする。つまりトータルでは5%+0.8*2%より6.6%のリターン。
一方、株価変動なしで7%の高配当株は0.8*7%より5.6%のリターン。
よって、年間7%分の増加が見込まれるVOOや高配当株においては、VOOだと6.6%だが高配当株では5.6%となるため、配当が比較的少なくキャピタルゲインが多めなVOOが良い。
ぶっちゃけ、上記の文章をちゃんと読む方って50%を切るのではないでしょうか。
東大ぱふぇっとは、なるべく物事はシンプルにしたいと考えております。
配当金(インカムゲイン)には税金が掛かる
未実現の利益(キャピタルゲイン)には税金が掛からない
このポイントを分かりやすくするために、
「配当を出す代わりに株価変動が一切ない株」
「配当を一切出さない分、株価が上昇する株」
という投資対象を設定することで、余分な要素を切り落としました。そもそも、単純化のために売買手数料・配当金再投資までのタイムラグ・確定申告で取り戻すまでのタイムラグなどは未考慮ですし。
10%にした方が分かりやすい
10%の配当を出す株は現実には存在しない。
それはそうでしょう。10%としたのは税引き後が8%となり整数だからです。税引き後が小数だと分かりにくくないでしょうか?
より厳密に議論すると以下のようになるでしょう。
配当がx%の株と、毎年x%株価が上昇する株に同じ額だけ投資した場合、n年後までのリターン率は、
前者では(1+0.8*0.01x)^nに対し、後者では(1+0.01x)^nとなるため、後者のほうがお得である。
ぶっちゃけ読むのめんどくない?
というわけで、分かりやすさを重視して、計算がきれいになる数値を用いてシミュレーションしております。
配当金を一度受け取って税金を支払ってから再投資した場合、
年率リターンが2割減少してしまう
ここがポイントです。ただでさえ数学なんてめちゃくちゃめんどくさいので、なるべくシンプルに分かりやすい例を用いることが良いかと考えた次第です。決して数式を書くのが面倒なわけではありませんからね。
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