東大グレアムです。
大統領選イベントを通過し目先の不確実性が減少したことで、株式市場は大幅に上昇しました。
ブルーウェーブの期待が後退したことでリフレトレードが解消され、ねじれ議会では大きな政策転換が困難であるとの見方から、増税やハイテク・ヘルスケアへの規制強化が困難であると判断され、これらのセクターが特に大きく上昇しました。
大統領選挙結果とマクロシナリオ
大統領はバイデンが有力であり、議会については上院は共和党多数、下院は民主党多数のねじれ議会が継続する見込みです。
これによってブルーウェーブの期待が後退し、大規模な財政支援策・増税/規制強化が困難になりリフレトレードが解消、セクターローテーションの巻き戻しが起こりました。
主要株価指数
S&P 500(青線)、NASDAQ 100(オレンジ線)、RUSSELL 2000(緑線)の5日チャートです。
11月4日はS&P 500は+2.20%、NASDAQ 100は+4.41%、RUSSELL 2000は+0.05%とNASDAQが大幅に上昇した一方で小型株はほとんど横ばいでした。
興味深いのは、これら指数の毎日の値動きは大きく異なっているにもかかわらず、5日間で見るとS&P 500は+4.96%、NASDAQ 100は+4.72%、RUSSELL 2000は+4.92%とほとんど変わらないことです。
1か月単位で見ても、S&P 500は+2.00%、NASDAQ 100は+3.45%、RUSSELL 2000は+3.19%と体感よりも変わらないです。
S&P 500 Map
11月4日のS&P 500のヒートマップです。ハイテク・ヘルスケアセクターが大きく上昇した一方で、銀行株・工業株・公共財セクターが売られました。
ブルーウェーブの後退でハイテクグロース株からバリュー・シクリカル株への流れが逆転し、リフレトレードが解消されました。
ねじれ議会では大きな政策転換が困難であるとの見方から、増税やハイテク・ヘルスケアへの規制強化が困難であると判断され、これらのセクターが大きく上昇しています。
インプライド・ボラティリティ(IV)
VIX(S&P 500のIV、青線、右軸)、VXN(NASDAQ 100のIV、オレンジ線、左軸)の1ヶ月チャートです。
11月4日はVIXが-16.82%、VXNが-13.08%、RVX(RUSSELL 2000のIV)が-5.90%とIVが大きく減少しました。
選挙結果がハイテクグロース株に有利、景気敏感株の割合が多い小型株に不利となったことを反映し、株価指数同様にIVの減少幅も異なっています。
イベントリスク通過によるVIXの急落
IVと実現ボラティリティのスプレッド
大統領選というイベントリスクを見越して、IVと実現ボラティリティのスプレッドは過去最大レベルに大きくなっていました。
以下記事を再掲しますが、株式市場の上昇も含めて予想通りであったと言えるでしょう。
投資適格社債のスプレッドとVIXの乖離
Volatility – IG Credit Spreads vs. VIX
社債スプレッドは下落傾向が続いているのに対して、S&P 500のIVであるVIXは大統領選の不確実性とオプション市場の活況により高い状況が続いており乖離が生じています。
これは目先の不確実性が株式には重しとなっていますが、社債市場には問題がなく、大統領選の不確実性が無くなれば株式市場は上昇することを示唆しています。
プットコールレシオ
PCC(S&P 500のプットコールレシオ、青線、右軸)、PCQI(NASDAQ 100のプットコールレシオ、オレンジ線、左軸)の3ヶ月チャートです。
11月4日はPCCが-5.84%、PCQIが+64.66%とPCCが元々高い水準にあったこともあり、PCCが小幅な下落、PCQIが大幅な上昇となっています。
ボラティリティ・スキュー
ボラティリティ・スキュー(Skew、青線、右軸)とS&P 500(オレンジ線、左軸)です。
Skewは10月1日の底から継続的に上昇し、11月以降急伸しました。
名目金利
米国債の10年利回り(青線)、20年利回り(赤線)、30年利回り(緑線)の5日チャートです。
11月4日には10年利回りは一時0.93をつけるなど、ブルーウェーブを織り込む動きを見せましたが、その後急速に反転し10年利回りは-15%、20年利回りは-10%、10年利回りは-8.5%と大きく下落し、リフレトレードの巻き戻しで国債のショートスクイーズが起きました。
米財務省は同日に国債発行額が過去最高の1,220億ドルとなったことを発表し、これは国債利回りを上昇させる材料でしたが、リフレトレードの巻き戻しの影響のほうが大きかったということになります。
実質金利
Daily Treasury Real Yield Curve Rates
11月4日は実質金利はどの年限も下落しました。10年実質利回りの下落率は10年名目利回りの下落率より小さく、ブルーウェーブの後退によって期待インフレ率が下落したことが分かります。
実質金利の下落もハイテクグロース株には追い風となります。
まとめ
・大統領はバイデンが有力であり、議会については上院は共和党多数、下院は民主党多数のねじれ議会が継続する見込みとなった。
・ブルーウェーブの期待が後退し、大規模な財政支援策が困難になったことでリフレトレードが解消に向かった。
・ねじれ議会では大きな政策転換が困難であるとの見方から、増税やハイテク・ヘルスケアへの規制強化が困難であると判断され、これらのセクターが大きく上昇した。
・実質金利の下落によりハイテクグロース株からバリュー・シクリカル株への流れが逆転した。
・大統領選というイベントリスクを見越して、IVと実現ボラティリティのスプレッドは過去最大レベルに大きくなっており、又IVと社債スプレッドの乖離が生じていたが、イベント通過により不確実性が減少し、株式市場の重しが取り除かれたことが株価の上昇をもたらした。
・国債価格はリフレトレードの解消によるショートスクイーズにより急上昇した。
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