東大グレアムです。
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは24日、ダウ工業株30種平均の構成銘柄を変更し、石油メジャーのエクソンモービルに代わりセールスフォース・ドットコム、医薬品のファイザーに代わりアムジェン、レイセオン・テクノロジーズに代わりハネウェル・インターナショナルをそれぞれ採用すると発表しました。
インデックスの変更は、アップルが1株を4株に株式分割することで、Global Industry Classification Standard (GICS、国際産業分類基準)における インフォメーションテクノロジーセクターのウェートが下がるため、それを埋め合わせるために行うとのことです。
The Global Industry Classification Standard (GICS®)
また今回の変更は、同様のカテゴリの企業間の重複を取り除き(CVXとXOM)、新しいタイプの企業を追加することによりインデックスを多様化し、アメリカの経済を適切に反映させる意図があるとのことです。
変更は31日の市場取引から反映されます。
S&P Dow Jones Indices News & Announcements
変更の概要
S&P Dow Jones Indices News & Announcements
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズは、今回の変更は特にインデックスに大きな影響を与えるとは考えていないとのことで、実際公式Twitterにも特にコメントはありませんでした。
ここ数日はVIXのことしか呟いていないので、バクソンモービルさんがいなくなったことよりも市場のインプライド・ボラティリティが下がったことやCboeのMini VIX futuresの取引高がリリース以降増加傾向にあることのほうが重要であるようです。
ハブられる時すら話題にしてあげないなんて、さすがにかわいそうすぎる・・・
ダウ平均株価とは
そもそもダウ平均株価とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが算出するアメリカの代表的な株価指数であり、アメリカのさまざまな業種の代表的な銘柄を選出し、平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数です。
1884年以降Dow Jones Averageの名称で公開されていましたが、当時のアメリカの産業構造を反映して鉄道事業者が中心の構成でした。
19世紀末の経済発展を受け、従来のダウ平均(現在の輸送株20種平均)と分離する形で、1896年に農業、鉱工業などの12銘柄により、Dow Jones Industrial Average(ダウ工業株平均)の算出が新たにスタートし、1928年に30銘柄となりました。
その後も情報通信業や医療などのサービス業を取り込みながら、現在に至ります。銘柄構成企業は、以前はすべてニューヨーク証券取引所(NYSE)上場企業でしたが、1999年11月に初めてインテルとマイクロソフトがNASDAQ上場企業から選択されました。
このようにダウ平均株価はアメリカの経済を適切に反映させるために、時代の流れを汲んで保有銘柄を適宜変更しています。
算出開始時の銘柄で現在も構成銘柄として残っている会社は1つも存在しません。
今回、石油メジャーが消えてクラウドが加わったことは、指数の新鮮さを保ちより成長力のある企業に投資をすることができるようになったことを意味するのため、将来的な指数の推移にはプラスだと思います。
なんとなくダウを買ったら勝手にバクソン要因がなくなった人もいるようです。
なんとなく直感的にダウに良いニュースがあると思ってダウ買ったらXOMが消えるの草 https://t.co/21KbsQ9OAD
— 東大バフェット (@utbuffett) August 25, 2020
一方でセクター分散の重要性を説きながら、オールドエコノミー株への集中投資を推奨していたプロアフィリエイターもいることから(最近はS&P 500が良いと言い始めており、本人もハイテク株への投資を始めたようです)、投資家は情報リテラシーが求められるといえるでしょう。
株価平均型株価指数と時価総額加重平均型株価指数
ダウ平均株価に採用されている株価平均型株価指数とは株価指数の算出方式の一つで、組入銘柄の株価合計を、除数で除算して求めるものです。
株価が10ドルの銘柄も2000ドルの銘柄も等しく平均化されることから、発行済株式数は少ないが価格が高い一部の値がさ株の価格変動に左右されやすい性質があります。
ダウ平均株価は分母調整によって株式分割や併合の影響を抑えつつ指数の連続性を維持する方式を採っています。
株価平均型株価指数は一見分かりやすいですが、企業の時価総額を素直に反映しないという問題点があるため、近年は組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求める時価総額加重平均型株価指数が主流になっています。
本ブログでアメリカの主要株価指数としているS&P 500、NASDAQ 100、RUSSELL 2000は時価総額加重平均型株価指数です。
バクソンモービルの株価
バクソンモービル(青線)、S&P 500(赤線)、ダウ平均株価(緑線)の年初来チャートです。
S&P 500が+5.70%であり既に過去最高値を更新している一方で、ダウ平均株価は-1.35%、バクソンモービルは-41.87%です。
昨日もバクソンモービルは指数から除外されてしまったことを嫌気して-3.17%と、S&P 500やNASDAQ 100が過去最高値を更新する中でバクソンしていました。
優良企業も永遠ではない
バクソンモービルは2006年から2012年まで時価総額でアメリカ最大の企業でした。
しかしESG投資の高まりやコロナショックのエネルギー需要の後退でエネルギーセクターは投資家の魅力を失いました。
ダウ平均株価でエネルギーが消えてクラウドが組み込まれたことは、競争力の源泉がエネルギーからデータに変わったことを象徴しています。
どんな優良企業も永遠ではありません。
個別株投資においては、時代の大きな流れや企業の競争力を適宜判断しながら保有を継続するべきかが常に問われます。
私は一般の個人投資家がマクロデータの分析や企業分析をして個別株に長期投資をしても、インデックス以上のリターンが得られる可能性は低いと考えているので、インデックス投資を推奨しています※。
※機関投資家を含めたパッシブ投資の隆盛により、指数に組み入れられている時価総額の大きい企業ほど上昇しやすくなっているという時代背景もあります。
正しい投資の方法など存在しない
長期投資ではあらかじめ定めたプロセスに沿って淡々と買い増しを継続することが重要だと布教しているプロアフィリエイターもいますが、プロセス自体に問題があればリターンを毀損する危険性が高いです。
個人投資家の狭い了見で投資初期に決定したプロセスが正しい保証などどこにもありません。
さらに時代の変化により、適切な投資手法や投資対象は変化します。
あらかじめ定めたプロセスに沿って投資を継続することが楽なのは、人間は誰でも現実を直視して過去の自分が誤っていたと認めるのは非常につらいことであるからです。
正しいかどうかわからない、リターンが得られるかどうかわからない不安を払しょくするために、例えばトータルリターンではなくインカムゲインだけを抽出して特別視するといった行動に走ると考えられます。
この方法が正しいと誰かに言ってもらいたいし、自分でもそう思い込みたいのです。
米国株へのインデックス投資ですら、永遠ではありません。
米国株のパフォーマンスが優れている大きな要因は、アメリカが覇権国家であることです。
いつまでも続く覇権国家など存在しないことを考えれば、米国株インデックスのパフォーマンスがいつまでも続く保証がないことは自明です。
投資家は絶対に正しい投資手法など存在しないことを自覚し、リスクを覚悟で自己責任で投資する必要があるといえます。
まとめ
・アップルの株式分割に伴いダウ平均株価のITセクターのウェイトが減少するため、それを埋め合わせるために構成銘柄が変更される。
・ダウ平均株価はアメリカの経済を適切に反映させるために、時代の流れを汲んで保有銘柄を適宜変更している。
・どんな優良企業も永遠には持続しない。
・正しい投資手法は存在しない。時代の変化により、適切な投資手法や投資対象は変化する。
相場予測noteを無料お試しできるキャンペーン!
- 相場当てまくりの相場予測noteを無料で読める!
- 秘密の爆益銘柄を無料でチェックできる!
- 紙書籍が郵送されてくる!
- 総額1万円相当を無料でプレゼント!
超豪華な特別キャンペーンをIG証券様が実現してくれました!
- 私の相場予測を無料で読める!
- 総額1万円相当のプレゼントを無料でゲットできる!
IG証券でしか取り扱っていない投資対象が山ほど存在するため、私のように幅広い投資対象へ投資するなら必須の口座ですね!私自身もIG証券を利用しています!
秘密の爆益銘柄も公開中!
ブログの記事は全て無料で読めますが、相場予測noteに関しては有料記事となっています。
予言書とか言われちゃうレベル!?
驚異の的中率!爆益銘柄の公開!
別格すぎる相場予測を公開中!