一流ブランドと呼ばれるブランドの女性ものの服は、買う人はどうやって着ているのでしょうか。

質問

所謂一流ブランドと呼ばれるブランドの女性ものの服は、ファッションビルなどに入っているブランドに比べて薄い素材のものも多いですが、買う人はどうやって着ているのでしょうか。
薄くてもトップスならカーディガンなどのインナーとして着れそうですが、ワンピースやドレスの場合は難易度半端ないです。
体型が見えるのがNGという考え自体が日本人特有のもので、海外では普通に着るのか…などウン十年来の疑問です。

様々な文化の知識や世界中に交流のあるりおぽんさんのような方ならご存知かも知れないと思い聞いてみました。

回答

ひとくちで言えば、これは文化の違いです。欧米ではボディラインがはっきり見えて露出部分が多くても、「隠さず誇る」というカルチャーがあります。もちろんドレスなどの中には透け過ぎるものもあります。こういったものの場合は、下に同色のキャミソールやボディスーツを着ることが多いです。ハイブランドのお店ではこういったインナーをセットで売っているケースがしばしばあります。一方、日常着として露出が多過ぎるような場合は、ジャケットなどを羽織って調整します。

露出については、日本でもウェディングドレスはオフショルダーで肩やデコルテが完全に露出しているものが多いじゃないですか。このウェディングドレスの原型になるのがイブニングドレスで、文字通り夜会服です。このイブニングドレスは肩やデコルテを大きく露出するのが正装です。露出した部分には豪華なアクセサリーを着けてさらに盛ります。なお、昼の集まりで着るアフタヌーンドレスなどは露出控えめです。

欧州では今なお階級意識が強く、ハイブランドの服をすべての女性が身に着けるわけではありません。上流階級の女性が社交の場で自分を出来るだけ目立たせよう、美しく見せようという意図で作られているのが、ハイブランドのファッションです。隠そうという意図はまったくありません。

またハイクラスの女性は1日2回は着替えますから、それが前提になっている部分があります。午前、午後、夜と着替える場合もあります。少なくともハイブランドが対象顧客(伝統的なお客さま)と考えているのは、不特定多数が乗る地下鉄で通勤している人ではないです。それを労働者階級である日本の一般女性が普段着にしようとするところに無理があります。

実際、日本でも人気の某ハイブランドのゼネラルマネージャーが友人にいるんですが、彼によれば日本で圧倒的に売れているのはバッグと皮革小物で、次いで香水と化粧品。服はそれに比較するとちょぼちょぼとしか売れていないと言っていました。だからそういうことなんでしょう。