バフェットさん引退だって バークシャーはこれからどうなる？

問題ないんじゃないですか。ウォーレン・バフェットについてみんな誤解していると思うのは、今でこそ長期投資、本質的な企業価値への投資の権化になっているバフェットですが、資産形成期にはまったく異なるタイプの投資をしていたということです。

バフェットの若い頃はだいぶ怪しい投機的な投資もしている。風車会社に格安で投資してみたり、ほとんどジャンク株をたくさん買って巨利を得たり。老後資金を貯めるならインデックス投資でもいいですが、バフェットのような法外な資産を構築するなら、例えギャンブルであっても、リスクを承知で攻めるしかないんですよ。

バフェットはこれらの投資において才覚を見せ、成功して莫大な資産を築いた。

しかしバフェットが賢かったと僕が思うのは、こんなギャンブル投資で勝ち続けるのは困難だと知っていたことです。安値で買った繊維会社のバークシャーハサウェイを軸に、投機的な投資から徐々に企業価値を見極める投資に移行していく。この転身の見事さこそ、バフェットがオマハの賢人と称されるのに相応しいと僕が考える点です。

現在のバークシャーについて忌憚のない意見を言えば、バフェットの金看板で食っている投資会社で、気の利いた投資家であればアウトパフォームするのは難しくありません。その売買にサプライズはありません。

しかし逆を言えば、そこそこ気が利いた人間であれば誰であろうと後継者として、今ぐらいのパフォーマンスを出すことは容易なんです。バフェットがそこまで考えて今のバークシャーを作り、このタイミングでバトンタッチしたのであれば、恐ろしいです。

ですから当面は問題ないでしょう。大きな相場の変革期が来た時に、新しい経営陣がそれに対応できるか、その舵取りの能力が試されると見ています。