今乗っ取られる事案が増えてますが、対策はありますか？

現在ネットで話題になっている事例では、ユーザーに対策のしようはありません。本質的な部分での脆弱性です。ユーザーがフロントエンドであれこれセキュリティ対策をしても、サーバにドアが開いている状態ですから、どうしようもないです。ですから2社は顧客に対して、こう設定してくれといった呼びかけをあまりすることなく、自社サーバの脆弱性を改修することを急いでいるんでしょう。被害者には賠償せざるを得ないとも思います。

コンピュータでセキュリティ被害に遭わない一番単純な方法は、他人とあまり被らないシステムやサービスを使うことです。例えばかつて一番狙われたOSはMicrosoft Windowsでした。僕には毎日100通を超える詐欺メールが来ますが、携帯電話ならソフトバンク、docomo、KDDI、カード会社ならVisaかマスター、AMEXです。

これには効率性の問題があります。ハッカー側も侵入する相手の脆弱性を十分調べ、その穴を突いているわけです。時には偽サイトに誘導しますが、これは犯人側から見れば偽サイトを作る手間をかけているわけです。三菱UFJやみずほで偽サイトを作って顧客を騙せばそれなりに効率の良い稼ぎになりますが、小さな地方銀行では割りが合わないです。

僕としてはとりわけ取り柄がないオンライン証券会社が圧倒的に人気を持っていることに、疑問を持ってきました。僕も当然口座を開いていますが、大きな資金は入れてありません。また僕自身の公表できる対策としては、たくさんの証券口座で運用しており、1口座を乗っ取られても、被害は限定的で、例えその口座を凍結しても、他の証券口座で取り引きが継続できます。リスク分散はここでも正義です。