トランプ大統領がビットコイン準備金設立の大統領令に署名したとのニュースが入ってますが、BTC価格が上がるどころか事実売りのようなリアクションが見られます。

あのさぁ、情報収集するなら、ニュースはタイトルだけじゃなくて本文もちゃんと読んだ方がいいよ。あとツイッターの仮想通貨民の説明はお花畑で自分の希望的観測が混ざり過ぎているから、ぜんぜん信用できない。それと何度も繰り返すけど、トランプ2.0では、トランプ大統領の景気のいい発言は、ほとんどあてにならない。実務担当者の言っていることを聞くのが重要。

今回の見出しはおおかた「トランプ大統領がビットコイン準備金設立の大統領令に署名」だろうね。大統領令の正式タイトルを邦訳すれば「戦略的ビットコイン準備金と米国デジタル資産備蓄の確立」。

一見するとものすごく大きなことが起きてように見える。ではさて中身はどうか。ここで聞くべきはトランプの発言ではなく、ビットコイン準備金設立の作業部会の責任者、デービッド・サックスの発言。

それによればこの準備金は米国がこれまで犯罪などに関連して没収して来た21万枚のビットコインを活用するんだ。これまで米国政府は没収して来たビットコインを適宜売却して来たらしいけれど、この残っている21万枚は売らずに準備金にするということ。

そしてこの後が重要。サックスはこの準備金設立にあたって「納税者には10セントの負担もかかりません」と説明したんだ。いろんな意味に取れる発言だけど、一番ストレートに解釈すれば、米政府はビットコイン準備金に従来から持っている21万枚を充当して、国家予算からは追加の購入は行わないってこと。

ビットコインは米政府が国家備蓄に充てるため、大量のビットコインを購入すると期待して上昇していたんだから、そりゃ大きく下落するよね。

繰り返すけど、ニュースがあったら、できるだけ一次情報ソースに近いものを本文までちゃんと読もうね。

最後に付け加えると、僕はこの発表は想定内。米政府が国家予算を使ってビットコインを購入して国家備蓄に充てるなんて話を、作業部会設立1ヶ月ほどで決定するなんていう拙速はさすがにできない。トランプはどう考えているかはもはやどうでもいい話で、現場担当者はこんな話を進められないと判断するのが真っ当。これから半年以上はかけて少しずつ進展が出てくる筈。

そして米政府がビットコインを国家備蓄にするため市場から購入すると発表すれば、ビットコイン価格は購入量に応じて暴騰するけれど、米政府って価格を暴騰させてから大量に購入するほどアホなのかね？投資家のセンスではそれはない。

だから僕は保有している50ビットコインを、この発表を聞き、ビットコイン価格が大きく下落しても、まだ1ビットコインも売ってはいない。今のところはそれが僕の投資判断。それは各自が考えてね。