石破さんの評価はやはり悪かったものかと思いますが、話せる内容あれば聞かせてください。

米国の政治学者2人、大手新聞の記者2人とお話ししました。書けないこともありますが、おおよそはこんなところです。

①石破首相は日本国内の脆弱な政治基盤を打開するために、トランプ大統領の歓心を買おうとしたんだろう。あれだけ貢ぎ物を持ってくれば、それは成功したんじゃないのか(半分は皮肉)。トランプ大統領は会見の成果に満足している。

②石破首相はトランプ大統領を褒めた後、これは「おべっかではない」と付け加えたが、それは彼自身、おべっかであることがわかっているからだろう。また「仮定の質問には答えられない」と石破首相が答えた時、米国人記者たちが笑ったのは、米国側の通訳がその言葉を「理論的(theoretical)な質問には答えられない」と訳したからである。バカを演じてまでトランプ大統領が怖いのかと失笑したんだ。なお、米国側は「相互に有効であれば関税は設定されるべきだ」と、石破首相は相互関税を受け入れたと認識している。

③日本は自国有利な貿易不均衡を早急に是正すること、日本が米国への投資を増やすことを公約した。これが守らなければ、トランプ大統領は躊躇わず高関税を日本に貸すだろう。

④US Steelの件でトランプ大統領がどんな役割を果たすのか、現在では不明。来週にもトランプ大統領がUS Steelと日本の投資家候補との間を仲介するようだが成否も不明。

⑤トランプ大統領は、米国に利益をもたらす形で日本企業がUS Steelへ投資を行うことに石破首相が合意したと考えている。また石破首相は日本が米国にさらに1兆ドル上乗せして投資することを約束したと考えている。このほか石破首相は防衛費の大幅増額と液化天然ガスの輸入拡大を約束して帰った。

⑥強国が弱小国を征服するような扱いに、日米関係はなったんじゃないか。日米関係は今後はさらに対等関係じゃなくなって行くだろう。「bringing many promise as tribute」だから、石破首相は貢ぎ物としてたくさんの約束を持ってきた、というのが米国サイドの理解。

⑦石破首相は米日首脳会談を実現するために奔走した。しかしその成果は目に見えるほどじゃなかった。トランプ大統領から新たな公約を何も引き出せなかったが、石破首相はトランプ大統領に新たな関税をちらつかされなかったこと、米国による日本併合を言われなかったことで、満足しているんだろう。米国に経済的にも軍事的にも大きく依存している弱小国にとって、現状維持で十分満足できるのかもしれないね。

⑧トランプ大統領は日米間の貿易不均衡が早急に解決されない場合、日本に対して新たな関税を課す可能性を否定していない。しかし高関税は日本に受け入れられない選択だから、日本は貿易不均衡の是正に早急に動かざる得なくなった。

⑨(米国の記者の取材によれば)石破首相とその側近(事務方の官僚)は、米国から出される要求に対応できるように入念なブレーンストーミングをやったようだね。石破氏は2019年以降、日本の米国投資額が急拡大しており、11州で世界最大、14州で2位であることを示したが、そのほとんどがトランプ大統領の支持州であるなどを示すデータグラフを用意するなど、トランプ大統領の歓心を買おうとしたことが随所に見て取れた。

⑩安倍晋三首相とトランプ大統領は個人的な友好関係を構築した。石破首相はそれを踏襲したがっているように見えるが、今回それは成功しなかったね。今から日本にいても良いことはなさそうだよ。りおぽんはグリーンカードを取れるんだろう。米国に移住してしまえよ、りおぽん。

4人の言っていたことをマージするとこんな感じでした。政治学者は1人が国際政治学者、もう1人が米国政治の専門家で、2人ともアイビーリーグクラスの大学の教授。記者は1人はNew York Times、もう1人はWall Street Journalのいずれもベテラン記者です。