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投資法・投資哲学

トランプが相互関税に言及してますが、ちょっとイメージ湧きにくいです。

質問

2025年02月08日 回答

トランプが相互関税に言及してますが、ちょっとイメージ湧きにくいです。
単純に考えると日本はお米やチーズ、牛肉などに大きめの関税かけてますがアメリカ間で見るとさほど影響ありそうに見えません。
それとも日本が補助金出してる産業の輸入物に対して関税をかけるような考え方なのでしょうか。

回答

トランプ大統領が言う「Reciprocal Tariffs (相互的な関税)」は、米国の貿易赤字を解消するのが目的ですから、中身なんてどっちでもいいんでしょう。

2024年の日米貿易収支を見ると、日本の輸出が約21兆円、米国からの輸入が12兆円ほどで、差し引き9兆円の赤字(米国側から見て)でした。これをなんとかしようというのがトランプ大統領の意図です。

日本の輸出で多いのが、自動車、自動車部品、機械、電子部品、半導体製造装置といったところです。円安ドル高の効果で、高価格帯のEV車、自動車部品などが大きく伸びています。輸出額伸び率は5.1%でした。これらの製品の多くには米国内に競合企業も多く、関税をかけて円安効果を打ち消して、日本製品を締め出すことができれば、米国の貿易赤字は減少するし、米国企業は潤うしで一石二鳥です。

一方、米国からの輸入は9.5%とよく伸びましたが、内訳はコンピュータとその部品、航空機のエンジンや原動機、農産物などです。残念ながら日本企業のコンピュータや部品(CPUやGPUなど)は死滅してしまったので、これに高関税はかけられません。航空機エンジンも同様です。

ですからできるのは米国の農産物に関税をかけて、他国から輸入することぐらいです。ただこれをやれば、日本に高関税をかける方便が都合よくできるので、トランプ大統領はこれ幸いと日本の関税を引き上げるでしょう。双方のインパクトに違いがあってもかまわないんです。

石破茂さんの訪米の目的はこれへの対応でしたが、米国の記者からの「トランプ大統領が関税を引き上げたら、日本は報復するのか?」という質問に「仮定の話には答えられない」と石破さんは国会答弁的な回答をしています。

これをジョークだと思った米国人記者たちからは笑いが漏れました。そりゃそうですよ、「相手が銃を持って来たら戦う気があるのか」と問われて、「仮定の話」とかわすのは、米国人の感覚では「腑抜け」です。あるいは危機対応が甘い首相と思われたかどちらかです。後はトランプ大統領のヨイショに終始したので、先ほどの「Washington Post」の記事になったわけです。

「仮定の話」と逃げずに、気の利いた返しをして、トランプ大統領にちくりとやって、ここからネゴシエーションをするのが世界の指導者というものです。

石破茂さんは世界でステレオタイプ化されている「メガネをかけて、何を言われてもニヤニヤしている日本人」をまさに演じてしまいました。

トランプ大統領の頭の中では、日本にどんな関税をかけて、日本はどんなものにしか高関税をかけられないか、早速そろばんが弾かれたことでしょう。

首脳会談で主題になる議論から逃げたんじゃ、もうどーしよーもありません😥。

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