カテゴリー
政治・経済・社会

私はベトナム難民、いわゆるボートピープルの2世です。

質問

2025年02月05日 回答

私はベトナム難民、いわゆるボートピープルの2世です。ガザの難民受け入れについて質問されてた方がいたので、ふと気になりました。
私の父や母は、1980年ごろにベトナムから船に乗って脱出し、日本の石油タンカーに拾ってもらいました。当時は日本は難民を受け入れておらず、フィリピンで一時的に半年か9ヶ月ほど過ごしたそうです。そうこうしているうちに、日本が諸外国からおされる形になったのかわからないのですが、難民の受け入れを開始し、日本の船に拾われた関係で、父母は日本に来ました。
もちろんそのときは私は生きていませんので、両親の話や書籍から調べた内容です。

当時の難民受け入れについて、新聞やニュースの雰囲気であったり、世論の雰囲気だったりかとか、そしてりおぱんさんがどんなことを思ったりしたのかを知りたいです。また、それと対比してガザ難民受け入れのことについてどう考えているかなど、教えていただけないでしょうか?

回答

ベトナム難民受け入れの時期は僕が高校から大学だったこともあり、正確にフォローはしていないんですが、当時は日本が経済大国として自信を深めており、今ほど国民の心が貧しくなかったことや、ベトナム反戦運動の流れからベトナムに同情論があったことなどから、世論は比較的受け入れに前向きだったと記憶しています。

諸外国からの圧力もあって、日本は閣議決定によってボートピープルを始めとするベトナム難民を開始、合法出国計画(ODP)もあって最終的に9000人近いベトナム人・難民を受け入れたはずです。こうした経緯を経て、日本は1981年に後付けで難民条約に加盟しました。ベトナム難民受け入れが先で、難民条約加盟は後です。それぐらい超法規的措置でした。

ガザ地区の住民受け入れについて、僕が先日の回答で拙速であると回答したのは、このベトナム難民と状況がかなり異なるからです。

まずガザ地区の住民は「難民」なのかどうかです。同じ土地の領有権をめぐってイスラエルとパレスチナ国で争っているわけですが、ガザ地区とヨルダン川西岸地区をパレスチナ国は自国の領土と主張しています。ですからガザ地区に踏みとどまっているパレスチナ人は「自国」に居住しているわけです。

「難民」というのは「自国にいると迫害を受ける恐れがあるので、他国に逃れており、国際的な保護を要する人々」のことと難民条約でも定義されています。ですから、ガザ地区の住民はこの意味でボートピープルになって国外脱出を図ろうとするベトナム難民とは意味が異なります。もしパレスチナ難民を受け入れるんであれば、隣国ヨルダンに逃げ込んでいる本物のパレスチナ難民が先ではないでしょうか。

石破さんはガザ地区の住民を受け入れるとお気軽におっしゃっていますが、では誰とその話をするんでしょうか。日本は未承認ですが、パレスチナ国は多くの国連加盟国が承認している国家です。そこに住む住人を勝手に難民認定して連れてくるわけにはいきません。それではある意味「拉致」です。

となると未承認のパレスチナ国政府と交渉しなくてはなりません。日本は米国に遠慮してパレスチナ国を承認してこなかった経緯がありますが、この方針を変更する政治的な決断があったのか、ハッキリしません。

パレスチナ国政府は現在ガザ地区を実効支配するハマースと、ヨルダン川西岸地区を支配しているファタハに分裂していますが、ガザ地区の住民を日本で受け入れる交渉をするとなれば、ハマースと交渉することになります。ハマースはイスラム原理運動組織であり、イスラエルと強く敵対しています。このハマースと近付くことはイスラエルを刺激し、ファタハを刺激し、世界中のユダヤ人を刺激し、アメリカを刺激しかねません。その分析がちゃんとなされた上で石破さんが発言されているのか、疑問が残ります。

もう一つ、ガザ地区の住民というのは、わかりやすく言えばガザの土地に住んで逃げようとしなかった人々です。イスラエルのユダヤ人の70-80%はシオニズム思想の支持者と言われますが、逆もまた然りなんです。ガザ地区の住民には当然ハマースの支持者が多い。つまりイスラム原理主義を支持している方たちです。この日本社会にまったく馴染まない思想を持ち、外国への脱出も図っていない人たちを、どうやって日本に受け入れるのか、その意図がよく見えません。

万が一受け入れることになれば、外務省と法務省が総出でスクリーニングをすることになって、居住地を用意し、生活資金と教育や医療を提供することになります。アラブ語ができる人員も確保しなければなりません。そうやって受け入れるキャパシティがどれぐらいあるのか。僕は数十人かせいぜい数百人だと推定します。そしてこの人たちを定住させる気なのか、それともいずれガザに送り返すつもりなのかも決めなくてはなりません。

国論を分けてこれだけのことをやっても、負担に比べて効果があまりに薄いんじゃないでしょうか。国際貢献というにはあまりに未成熟です。実際、この発言がアラブ国家で評価された声を聞きません。

日本政府はこれまで中東問題ではほとんど存在感がありませんでした。今回のイスラエルとハマースの戦争の和平を仲介したのもカタールと米国です。石破さんがまず中東問題に取り組みたいなら、まずこの日本の立ち位置をどうするのかが先決なんじゃないでしょうか。

分裂するファタハとハマースの仲介役を務めているのは中国ですが、せめて日本も旗幟を鮮明にして、中東問題にどう取り組むのか明示する。どういう決断になるのか不明ですが、それが総理大臣や外務大臣という方がまずやるべき仕事じゃないでしょうか。これが曖昧なまま、なんか被害が出ているから日本で引き取っちゃえばいい、という発想はあまりに短絡的に見えます。

パレスチナ難民問題についてはJICAが長年尽力してきましたし、国連のパレスチナ難民救済事業機関UNRWAで働く日本人も何人かいらっしゃいます。まずはこうした方の話をよく聞いて、それでアクションプランを決めるべきです。石破さんの発言はあまりに唐突でスタンドプレーに見えて仕方がありません。

以下、余談ですが、現在、外務省内で問題とされているのは、アラビスト(アラブ通の外務官僚)の深刻な不足です。これがここ4-5年、日本が中東問題で影が薄かった要因のひとつです。現在で言えば中東アフリカ局長をやって現在エジプト大使の岡浩さんと、クウェート大使からサウジアラビア大使に横滑りした森野泰成さんぐらいが、どうにかアラビストと言える存在でしょう。イスラエル大使は韓国通のポストになってしまったし、アラビア語がろくにできないアラブ圏の大使も増えました。

現在、首相官邸で外交戦略を仕切っているのは、前国家安全保障局長で内閣特別顧問の秋葉剛男さんと、前外務省事務次官で1月に国家安全保障局長になった岡野正敬さんの2人の大物外務官僚と言われています。難航した石破さんのトランプさんとの会見も、秋葉ルートで実現したともっぱらの評判です。しかし秋葉さんは知米派で、岡野さんはフレンチスクールの方。

僕の外務省の友人は、誰が中東問題でこんなセンスが悪いことを発案したのか、不思議がっていました。外務官僚のセンスではないらしいです。対中国政策も、チャイナスクール出身でありながら対中強硬派だった垂秀夫さんは、中国と良い距離感を維持していましたが、ノンチャイナスクールの金杉賢治さんが大使になって以降、中国のペースになっているような気がしてなりません。

どうも外務省の人事のバランスの悪さも、日本外交に悪影響している気がします。

相場予測noteを無料お試しできるキャンペーン!

  • 相場当てまくりの相場予測noteを無料で読める!
  • 秘密の爆益銘柄を無料でチェックできる!
  • 紙書籍が郵送されてくる!
  • 総額1万円相当を無料でプレゼント!

超豪華な特別キャンペーンをIG証券様が実現してくれました!

ダナハーちゃん
ダナハーちゃん
全部無料ですごい🐰❗
  • 私の相場予測を無料で読める!
  • 総額1万円相当のプレゼントを無料でゲットできる!
【見ないと損する!】無料で読める!非常に高い的中率の相場予測noteで爆益を掴み取ろう!【悪用厳禁】真似するだけで爆益!大好評の相場予測! 先出しで相場予測を公開しているので、誰でも簡単に真似できます! 私は東大を卒業後、大...

IG証券でしか取り扱っていない投資対象が山ほど存在するため、私のように幅広い投資対象へ投資するなら必須の口座ですね!私自身もIG証券を利用しています!

秘密の爆益銘柄がヤバい!

30倍超えの銘柄もある!

ブログの記事は全て無料で読めますが、相場予測noteに関しては有料記事となっています。

ダナハーちゃん
ダナハーちゃん
無料記事でもすごいなら、有料記事はもっとすごい!
▼相場予測・神託note

予言書とか言われちゃうレベル!?
驚異の的中率!爆益銘柄の公開!
別格すぎる相場予測を公開中!

カテゴリー一覧
カテゴリー内人気記事