りおぽんさんの理論株価の算出方法はどうなさってるんですか？

理論株価の算出方法には大きく分けて、①企業の資産や負債を時価評価して積み上げる「コストアプローチ」、②同業他社や類似企業のPERや財務指標の比較から計算する「マーケットアプローチ」、③将来的な収益やキャッシュフローをリスクを勘案して割り引いて現在価値を算定する「インカムアプローチ」の3つがあります。

このうちインカムアプローチにはフリーキャッシュフローを使用する「DCF法」、将来の配当額から計算する「配当還元法」、将来の平均収益を資本還元率で割って求める「収益還元法」のおおよそ3つの手法があります。

僕がメインで用いているのはこのうちの「DCF法」で、これを我流にアレンジしています。また収益還元法やマーケットアプローチのEBITDA法やPBR法を使った補正作業もやっています。

DCF法は企業の将来的な成長を理論株価に織り込めるのが利点ですが、コストアプローチなどと異なり、計算する人の巧拙が大きく分かれる手法です。いくらでも企業の将来FCFを過大に見積もれるので、人によって算出結果がバラバラになります。ですからDCF法自体に難しいところはありませんが、精度が高い理論株価を算出するには、買いたい企業の将来性を過大に見ない冷静なメンタルと、精度高く企業の将来FCFを予測できる分析力が要求されます。

DCF法による理論株価の算出は、「言うは易し、行うは難し」だと思います。