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投資法・投資哲学

投資初心者です。長期投資としてポートフォリオの10%以下でfundnote社の「あけぼの」の購入を検討しています。

質問

2025年01月06日 回答

投資初心者です。
長期投資としてポートフォリオの10%以下でfundnote社の「あけぼの」の購入を検討しています。
個別商品のため、ご回答しにくい場合は無視してください。第三者のりおぽんさんのご意見を伺いたく質問しました。

りおぽんさんが購入検討する際は、どのような点に着目してリスクリターンを考えているかヒントをいただけないでしょうか。

初心者なりに資料は確認しましたが、ベンチマークや過去実績がないため、信託報酬等に見合ったリターンか測りかねています。
このリターンが測れない人は、投資すべきでないかもしれませんが、ご教示いただけると幸いです。

回答

まずご承知おき頂きたいのは、このfundnote社の「あけぼの」を運用するファンドマネージャーの川合直也さんとはツイッターのDMグループでご一緒していて、情報交換をしている関係であるということです。ですから僕のコメントは完全に中立的とは言えません。そして「あけぼの」はこの川合さんの投資手腕にリターンが大きく依存する投資信託なんです。

ですからS&P500連動投資信託のように、過去何十年分のパフォーマンスがあり、それから投資リターンが類推出来る投資信託ではありません。ですからベンチマークも設定されていません。

川合さんが上手く運用すればとんでもないリターンを出すかもしれませんし、失敗すればマイナスリターンになる可能性もあります。そういう商品です。ハイリスクハイリターン商品とも言えます。

商品としての性格はとてもユニークで、IPO(株式公開)5年以内のIPO株などと、まだ株式公開されていない未上場株式に投資しようというものです。IPOクロスオーバーファンドという呼ばれ方をします。

前者はわかりやすいですが、目論見書を読めばわかる通り、「IPO後5年以内の全銘柄とそれ以外の市場のテーマになる銘柄」と銘柄選択の自由度はめちゃくちゃ高い。当時、全銘柄を組み入れることはできません。選択基準として「成長速度に比べてバリエーションが割安な銘柄」とありますが、これは投資の基本中のキですから、テクニカルではなくファンダメンタルズで選ぶと言っている程度です。ですから川合直也さんというファンドマネージャーの眼力次第ということになります。

後者はちょっとわかりにくいんですが、上場を目指す非上場のベンチャー企業に投資しようとするものです。といっても「株式公開まで2年以内の企業」とありますので、ベンチャー企業でも発想だけのシードステージやまだ創業したばかりのアーリーステージではなく、事業の枠組みがしっかりしてきた発展期のミドルステージ後期から、いよいよIPOの準備に入るレイターステージに差し掛かった企業が対象と言えるでしょう。

なぜこの時期の企業かと言えば理由があります。僕もベンチャー企業をIPOさせた経験があるんですが、この時期のベンチャー企業が一番資金需要が逼迫するんです。シードとかアーリーというステージの企業であれば、まだそんなにお金がかからない。一方、IPOがもう見えて確実になっていれば、金融機関もどこも融資してくれる。

ところがこの時期の企業はこれまで調達した資金が尽きる頃であるのに加え、事業がどんどん拡大しているので設備投資も人的投資もお金がたくさんかかる。しかしまだIPOが確定していないので、金融機関もおいそれとはプロパー融資には応じてくれない。

まさにベンチャー企業にとってIPOまでの胸突き八丁と言える段階なんです。この時期のベンチャー企業は自らの株式を発行・引き受けてくれるところを探して、その資金を調達するのが一般的です。

この株式はもしその企業がちゃんとエグジット(IPOなどまでたどり着いてくれる)してくれたら、非常なハイリターンであることが多いです。しかし予想に反してエグジットできなかったら、紙クズになる可能性もあり、非常なハイリスクハイリターンです。

これを未公開株投資と言うんですが、未公開株ですから広く一般には資金調達を募れません。金融機関や機関投資家などに出資を募ることになります。よほど大金持ちでもない限り、個人投資家には無縁の世界なんです。今回はこの未公開株投資を投資信託という形で個人投資家にも間接的にできるようにするものです。

ここまで読んでいただければわかると思いますが、これはまさに眼力がキモになります。僕もこの段階のベンチャーの資金調達を支援する仕事をやったことがあるんですが、エグジットすればハイリターン、できなければ紙クズで、投資する側はそのどちらであるかを必死に見極めることになります。

以上のようにこの投資信託には、あらかじめ想定できるリターンはありません。またなんらかの株価指数をベンチマークにできるものでもないのです。パフォーマンスはファンドマネージャーの川合さん次第です。ですから手堅くリターンが欲しい人には向きません。個人投資家がなかなか触れられなかった未公開株投資に触れられる意欲的な投資信託です。

川合さんの手腕次第でとんでもないハイリターンになる可能性も、期待外れのパフォーマンスに終わる可能性もあります。

ではこの川合直也さんというファンドマネージャーの手腕はどうかと言えば、投資にぜったいはありませんが、キチンとした仕事をされる優秀なファンドマネージャーだと思います。このため僕も「あけぼの」を検討中です。

以上の情報をよく検討してみてください。

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