京大が女子枠を導入するそうです。女子枠とこのような現状についてどのような見解を持っていますか？

まず日本は女子枠程度で騒ぐけれど、ダイバーシティ(多様性)を重視する欧米の大学では、もっと細かく、「アジア人の女性は◯◯人」「黒人男性は◯◯人」とか「州内の学生は◯◯人」「海外留学生は◯◯人」と言った具合にいろんな属性で枠を設けているからね。何かと言えば「不公平」と騒ぐのはアホな日本人、それもその大学にとうてい関係がない連中ばかり。

今回の京大の女性枠は理系学部に設けるものだけど、長期的視野に立てば、理系の女子学生が増え、卒業後の理系の職場や研究者に、女性が増えることは良いことだと僕は思うよ。ボーダーラインの男子学生を合格させるより、はるかに社会的な意義がある。

女子枠がない東大理I(主に工学部に進学)の女子学生比率は10%に満たないけれど、これは明らかに異常な状態。日本の工学研究の将来にも弊害があり得る。

僕は大学教員を長年やって来たけれど、男女バランスがあまりに悪いと、発想などにも偏りが出て、デメリットが多かった。今年4月からまた研究職に戻るけれど、助教や研究員など研究室のメンバー採用にあたって、一定数の女性を採用することは配慮した。