毎年のように億単位で百貨店でお買い物をされている方を見かけたのですが、りおぽんさんならそういったこともあるのでしょうか。

いろんな経緯で僕は6社の百貨店の外商カードを保有しています。うち3社は担当の外商さんが付いています。2社の外商カードは最高ランクだそうで、百貨店ですが買い物は10%オフだったりします。このうちもっとも利用している百貨店での買い物はコンスタントに年間1億円を超えます。もう1社も超える場合があります。

そうなるとどうなるのかと言うと、外商さんに訪問日と時間を伝えて百貨店に行くと、外商の担当者のほか外商の偉い方、あるいは役員やそのお店の店長さんが、その時間にお出迎えに来てくれたりします。買い物中は担当の外商さんとお店のコンシェルジュの方が相談に乗ってくれます。買い物内容が決まっていれば、その売り場のマイスターという称号を持つ、その商品に精通した店員さんも一緒です。また帰る時にはパーキングまで外商さんと外商のお偉いさんとかが荷物を持って来てくれたりします。美沙も梨沙も、最初これには驚いていました。

僕は大袈裟なことは嫌いですし、梨沙のランジェリーを買うときにこれでは小っ恥ずかしいので、お忍びで行くこともあるんですが、外商さんの営業成績に付けてあげるため外商回しにすると後でバレてしまい、「水臭いですよ」と外商さんに言われてしまいます。

担当外商が付いていることのメリットはいろいろありますが、一つは百貨店が家にやってくることです。どいうことかと言えば、例えば先日美沙のマタニティウェアやマタニティ用品一式を揃えました。しかしインフルエンザやコロナが流行中の今、美沙を繁華街には連れて行きたくはありません。

しかし外商さんに一言言えば、車にマタニティウェアなどを満載して、外商さんとマタニティウェア売り場の店員さんが1人やって来てくれます。ですから、家にいて、店員さんに相談に乗ってもらいながら、あれこれ買い物が出来たわけです。

もう一つは限定品などをどうしても入手したい場合、その百貨店と取り引きがある相手であれば、百貨店は腐っても鯛です。なんだかんだでお願いした限定品を万難を排して入手してくれます。

あえてデメリットと言えば、外商さんの成績に付けてあげるため、その百貨店が売りたいものを、時に要らないと思っても買ってあげることがあることです。これがだいたい年間数百万円分あります。ただ世の中は持ちつ持たれつですし、僕が頼めば休日も何も返上して来てくれる外商さんですから、これは仕方がありません。

僕の場合、母方の祖父母の家にすでに外商さんが出入りしていました。ですから外商さんがいる風景というのがずっと当たり前でした。祖母が僕のものであれば惜しまず買ったので、外商さんが定期的に僕が着そうな服を定期的に抱えてやって来たりしていました。その代わり僕はその百貨店に行ってその外商さんの名前を告げれば、お財布なしの外商回しで買い物ができました。

僕が社会人になって、家を持った時、顔馴染みの外商さんが「おぼっちゃまもそろそろいかがでしょうか？」と誘ってきました。僕に断る理由はありません。これが28歳の時のことで、初めての外商さんが付き、まもなくもう1社からも同様の申し出がありました。

以来歴代の外商さんとのお付き合いが続いています。そうやってお付き合いしているうちに年間のお買い物額がコンスタントに1億円を超えるようになったんです。

流通サービス業に取って買ってくれるお客さんは特別待遇をしても元が取れます。例えば銀座に「伊東屋」という文具店があります。ある時、伊東屋の偉い方とお話ししていたら、その方が自分の名刺を取り出して、さらさらと何か書いて自分の印鑑を押して、僕に渡します。そして「今後伊東屋で買い物する時には、この名刺を店員に見せてください」と言ってきました。

会社に戻って読むと「この方は伊東屋にとって特別なお客さまです。◯◯のお客さまとして対応してください」と書いてありました。こんな名刺を出しても良いものかと半信半疑で出してみたんですが、霊剣あらたか。びっくりするような待遇が受けられました。こういう事例は他にもまだまだあります。

百貨店は特にごく一部の外商顧客への売り上げが、会社全体の売り上げの相当部分を占めると言われるので、特にそうです。僕はお付き合いする百貨店は2社で十分なので、残りのカードは返却したいと申し出ているんですが、どうしても持っていて欲しいと言われて捨てずにいます。

昨年は2社の百貨店の年間買い物額が1億円を超えてしまいました。