今、東京大学の現代文の試験を受けて、それなりの点数を取れる自信はありますか。

むろん、あります。東大の現代文は難易度の高い長文の評論と随筆を素早く読んで理解し、厳しい文字数制限のある設問に答えなくてはならない点に特徴があります。そのテクニックは東大を受験する高校生と僕とでは比較にならないでしょう。後は漢字や用語のテストですから、さほどの問題はありません。

国語に関しては、現代文だけでなく、古文漢文に関しても、大した素養のない高校生と、長年、さまざまな古典の原文や漢文の訓読文を読んできた僕との間では、かなり力に開きがあると思います。

実は実際の大学受験の段階で、国語は僕の得点源だったんです。東大受験生を対象にした全国模試で、国語に関しては、いつも相当上の順位でした。その頃より、力は確実に今の方が上です。

東大の入試問題レベルだったら、国語、英語、社会(世界史・地理)は合格点どころか、かなり優秀な成績を収める自信はあります。娘も東大卒なんですが、娘が大学受験をした時、これらの科目なら、余裕で面倒を見ることができました。あらら、簡単なものだわ、と思った印象さえあります。

数学や理科はぜんぜん自信がありません。今、東大受験をするとしたら、これらの科目に集中することになると思います。鍵になるのは数学でしょう。大問4問で構成される東大の入試問題は、論理的思考力や表現力を問うものばかりで、数式を暗記すれば解けるような問題は出題されません。その上、答えの些細な論理的ミスを厳しく減点していくことも、東大の入試数学の特徴です。これをクリアしなければなりません。

80点満点の数学で50%台の得点ができたら、東大に合格できるんじゃないでしょうか。